第9話 討伐?
昨日は投稿できませんでした。
やっぱり雷なっているときにパソコンをつけるのはちょっと…w
ではどうぞ^^
「セレクターのメンテナンス終わったし、ちょっと肩慣らしにいかない??」
ライナの唐突な提案によってそれは始まった
「っというと??」
「ギルドで依頼受けないか??」
「あ、それいいかも!」
ケイトが早速賛成した。
「他のみんなは??」
俺らも、いい機会だと思い依頼を受けることにした。
決断したら即実行といわんばかりにライナを先頭に俺達は寮に向かった。
エントランスホールの右側にあるギルド受付で早速事情を話すと奥から数枚の紙を持ってきた。
「皆様は現在Cランクですね。こちらはB、Cランクの依頼の一部です。もし、気に入らなければ他にもありますので御申し付け下さい。」
俺らは早速その紙を見た。
【ハイーナ30匹討伐】
【ラピーヌの花3本採集】
【レビット10匹討伐】
【ピックの卵2個採集】
「色々あるなぁ〜。」
「全員でいくなら数が多い【ハイーナ30匹討伐】にしたほうがいいんじゃない?」
ニーナの一言に全員納得し依頼を受けることにした。
「ところで、ハイーナってどんな奴なんだ?」
俺が質問するとエレナが丁寧に答えてくれた。
「ハイーナは基本、群れで行動する魔物よ。攻撃は噛み付いてきたり引っ掻いてきたりするだけなんだけど、かなり素早い魔物だから攻撃を当てるのが大変なの。群れにはリーダー格の『ドスハイーナ』がいるんだけどそいつは魔法を使うものもいて、爪が岩も砕くくらい強力だから気をつけないといけないの。」
「なるほどねぇ〜。」
「では、こちらの依頼を受けてくださるのですね??場所は西門から出て、しばらく行ったところにある『ネルファの森』です。」
受付の人に言われて俺らは早速出発した。
「あれ、リューイチ防具は??」
ケイトに言われて初めて俺以外の皆が防具一式を身につけた状態にあることに気が付いた。
「やっぱ必要??」
「「当たり前だろ。」」
ニーナとライナに同時に言われた。
「でも俺、金持っていから…。」
非常に気まずい雰囲気になった。
「あ、あれだ。今回の依頼の報酬でリューイチの装備買えばいいよな。お、俺らからの餞別ってことで…。」
明らかに動揺しているライナを見て、(こいつ意外と良い奴だなぁ〜)なんて思ったりしていた。
何はともあれ、俺はこの世界に来たときに着ていた学ランに戻り『ネルファの森』を目指した。
森というのは曖昧なもので明確な入口があるわけではない。
だが、いつの間にか森に入っていたようだ。
ハイーナがいないか警戒しながら森内部を進む。
そして、しばらくすると開けた場所に出た。
「ヤバいな…。」
「だな…。」
何かに付けられてる気はしたがどうやら囲まれてしまったらしい。
木々の間から、耳が狐のようで全身灰色の魔物が出てきた。
俺らは背中あわせに5方向を向く、手には杖、バスターブレード、レイピア、刀、ディアブロを構えた。
ざっと見、30匹ほどのハイーナが俺達を囲んでいる。
お腹を空かしているらしく、今にも飛び掛かってきそうだ。
そして、ついにそのうちの一匹が動いた。
狙いはケイトだ。すぐさま、ケイトが飛び掛かってきたハイーナに向けてレイピアを突き出した。
胸から背中まで貫いたレイピアを直ぐさま抜き去り地面に絶命したハイーナが転がる。
その様子を見ていたが他のハイーナが唸り声をあげ同時に飛び掛かってきた。
ライナがバスターブレードを振りかざし、目の前の3体が吹っ飛ぶ。
すかさず、ニーナが居合切りを食らわすと、頭が胴体から離れ地面に落ちる。
『風よ。炎よ。二つの力を今ひとつに。濛々たる大自然の力を現したまえ。フレイムストーム!!』
エレナの中級混合魔法が炸裂し、ざっと10匹が炭と化した。
俺の目の前に現れた敵は即座にディアブロから飛び出す拡散弾によって頭が吹き飛ぶ。
(まるで、地獄絵図だな…。)
周りに転がっている首だけの死体や眼球を貫かれた死体。そんなものを日本では見たことはなかった。
徐々に数を減らしていき、最後の一匹にケイトをレイピアで貫こうとした時、ハイーナが『キーッ!!』と変わった声で鳴いた。そして、鳴いたハイーナはそのままバタッと倒れた。
(この鳴き声どこかで聞いたことあるような…。)
俺の勘が警報を鳴らしている。
「あれ、最後のやつ勝手に死んじゃった…」
「意外と楽だったね。」
「やっぱエレナの魔法凄いわ。」
そう言って俺以外の全員が武装解除をした。
「いゃ、まだだ!!」
咄嗟に叫んだ。
(思い出した…。あの鳴き声は、例の黒い奴らが仲間を呼ぶときの鳴き声にそっくりだ。)
4人が俺のほうを見て『何言ってんだ?』的な表情をした。
どうやら勘は当たったようだ。
先程とは比べものにならない大群のハイーナが俺らの元に押し寄せてきた。
「くそっ!」
そういいながらディアブロを連射する。
俺の目の前にいるハイーナ達は肉片となり飛び散った。
慌てながらもケイトとライナが応戦してている。
ニーナは刀を器用に扱い、敵を淡々と倒していた。
(さっきと違い5人が固まっているわけではないので背後ががら空きだなぁ)
そう思いながら後ろを振り向いた瞬間、俺は目を伺った。
他のハイーナとは比べものにならない、アフリカゾウと同じくらいのサイズのハイーナがいた。
外見も他のハイーナより長い牙、尻尾を鞭の用に地面にたたき付けている様子はまさに『ドスハイーナ』だ。
そして、そいつの前にはエレナが立ち尽くしている。
膝がガクガク震えて、とても戦えるような状態には見えない。
しかし、エレナに一番近いケイトはそれに気づいていないようだ。
幸い『ドスハイーナ』もまだ、襲いかかってはいない。
(間に合うか??いや、間に合わせる。)
そう思った瞬間、俺は飛び出していた。
走りながらドスハイーナに向けてディアブロを乱射し、なんとかエレナに近づく。
だが、ディアブロから飛び出した弾丸はドスハイーナの皮膚に弾き返されてしまった。
「なっ!!」
やっとライナ達が気付いたようだ。
「リューイチ。そいつ魔法障壁張ってる!!たぶん上級クラスだから、今のお前には倒す術がない!!ここは退くぞ!!」
ニーナが叫んでる。
俺はなんとか、エレナの元にたどり着いたが、ドスハイーナは目と鼻の先まで迫ってる。
「おい、エレナ。退くぞ!!」
「あ、あ、あああっ。」
かなりの混乱状態になっていて、全く動こうとしない。
「おい、ニーナ。こいつの弱点とかねえのか??」
「ドスハイーナの弱点は雷だが、その結界は雷属性じゃ破れないぞ!今は退くぞ!!」
(なぜだろう?こんなにもヤバい状況なのに、ワクワクしてる??しかも、こいつの使い方が頭に直接流れ込んできた。)
そう思いながら、右手のディアブロを見た。
『我が宿命を持って、今ここに一発の弾丸を精製する。雲より落ちし雷の力、すべてを破壊し無に返す破の力よ、弾丸の形を成して、敵を打ち砕かん。』
俺が高らかに詠唱すると、左手の掌に魔法陣が現れ、一発の弾丸が精製された。
それは、破を表す透明と雷を表す黄色が混ざった不思議な弾だった。
直ぐさま、ディアブロのマガジンを取り出し弾丸を込める。
チャキンッという音と共にマガジンを挿入し、Diabloの文字を人差し指でなぞると、文字が金色に輝きだした。
(後は撃つだけか…。)
俺はエレナの前に立ち
「すべてを破壊する雷、サンダーブレイクショット!!」
と叫びながらトリガーを引いた。
グゥオーン!!
銃口から火花を出しながら1発の弾丸が飛び出す。
スライドが後ろに勢い良く後退し、透明な薬莢が飛び出した。
薬莢は回転しながら跳ね上がった。
発射された弾丸は反時計回りに回転しながら目標に一直線に進んでいく。
ドスハイーナの腹の当たりに命中し、魔力障壁が粉々に崩れ落ちる。
弾丸の勢いは止まらず、そのままドスハイーナの内部に侵入し、大量の放電を行う。
弾丸が背中から飛び出し時にはドスハイーナは内部から破壊されていた。
バタッ。
ドスハイーナが倒れるのと同時にスライドから飛び出した薬莢が地面に落ちる。
「大丈夫かエレナ!!」
慌てて俺がエレナのほうを向き返ると今にも泣きそうなエレナがいた。
どうしたらいいのかわからずしゃがんで、エレナの肩に手を置くと…抱き着かれた。
唖然として何か言おうとしたが啜り泣き始めたエレナを見て、あきらめることにした。
「ヒクッ。ヒクッ。怖かったよぉぉ…。」
その様子をニーナが渋い顔をして見ていた。
しかし、他の二人は…
「倒しちゃった…。小型のものでAランク、大型のものではSランクのドスハイーナを…」
「規格外だとは思っていたけどあんな強烈な一撃、人間が扱える代物じゃない…。」
そんな会話をしていて、龍一とエレナが抱き合っていることには気がつかなかった。
そのまま気を失ってしまったエレナを俺が背負い学校に帰ることにした。
ニーナの的確な指示で、換金できるハイーナの素材はすべて剥ぎ取り、それを他の3人が背負っているので文句は言えないだろう。
なんとか寮に戻ってきた俺達はそのまま、エントランスホールのギルド受付にやってきた。
「依頼終わった報告と換金をしたいのですが…。」
「はい。どうぞ!」
受付の人にそう言われたので3人は背負っていた素材を床に広げた。
奥から関係者が3.4人出てきてカウントする。
「あれ?これってドスハイーナのものじゃない!!」
「なんと…。」
職員の人達の間に衝撃が走る。
「ハイーナ96体、ドスハイーナ1体ですね。」
「このドスハイーナは魔法障壁を使うSランクの魔物ですので、皆さんはランクがBランクに上がりました。メルリングとギルドカードを出してください。」
そういって俺らがメルリングとギルドカードを出すとそれらが輝きだした。
「なんだこれ?」
光がやむとメルリングの形状が変わっていた。ギルドカードも左上にBと書かれている。
「ランクが上がるとこのようになります。ただ、クランのほうは今回は、ランクが上がっていませんのでお気をつけてください。」
「そして、こちらが報酬と換金料金です。報酬金は依頼はBランクの【ハイーナ30匹討伐】を3回分とSランクの【ドスハイーナ討伐】の合計で金貨10枚と銀貨42枚、買い取りが合計で金貨9枚と銀貨14枚です。」
そういって机に置かれた袋はとても重かった。
後で聞いた話だが、宝貨1枚=金貨100枚、金貨1枚=銀貨100枚、銀貨1枚=銅貨100枚だそうで、一回の食事が銅貨5〜10枚だそうだ。そして、平民の年収が金貨2枚程度だ。
つまり
銅貨 100円
銀貨 10000円
金貨 1000000円
宝貨 100000000円
ってことだ。
すると…今回の依頼は19560000円の報酬ってことだ…高!!
「このまま買い物でもいいが、今日は疲れたから明日にしよう。」
ニーナの提案に全員賛成しそれぞれの部屋に帰った。
ギルドについてからも一切しゃべらなかったエレナを部屋まで送り俺も部屋に戻った。
夕食を食べる元気はなかったので、シャワーを浴びて寝ることにした。
いかかでしたか?
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