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第8話 日常の始まり

投稿始めて1週間経ちました。

こんなにもたくさんの人に読んでもらえて光栄です。

これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。

「ふぁ〜ぁぁ」

ほとんどの男子学生が朝に弱いのは当たり前だろう。

俺もその一人だ。



昨日はクラン結成パーティーだというライナの提案により、夜遅くまでさわいでいたからなおさらだ。



今、俺が住んでるこの寮は生徒15人に対してスタッフ80人という人材を割いている。

そのためメイドさんが色々な世話をしてくれるのでとても助かっているんだが、やはりどうも慣れない…。


目を覚まそうと朝シャワーを浴びながらふと夢のことを思い出す。





それは、彼女との夢だった。






※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〜〜3年前〜〜


4月それは出会いの季節。新たな始まりを感じる日。

俺は期待を胸に新しい学校の校門をくぐった。



中学は男子校だったせいで彼女など出来るはずもなく高校生活に淡い期待している俺だった。




だが入学式の後、俺はいきなり現実を想い知らされる。

クラスに入ると皆、仲良く話したりしていた。

しかし、それは同じ中学出身の子達同士でだった。


俺はこの学校には1人も知り合いがいなかったので、俺の席の周りには誰もおらず一人窓の外を眺めていた。高校初めてのホームルームなんかもあっという間に終わり、気づいたら放課後だった。


(入学式の日に友達一人もできないなんて…)

そう考えながら机に伏していると突然、背筋にヒヤッとした感覚が伝わってきた。


「ひっ!!」

慌てた俺が小さく悲鳴を上げると後ろからクスクス笑う声が聞こえた。


「あ、ごめん。なんか悲しそうな顔してたから気になって…。」


振り返るとそこには黒髪のちょっと気の強そうな女の子が立っていた。


「いゃぁ…。ちょっと驚いただけだから。」

(俺のことに気づいてくれるなんてなんかうれしいな〜。)


「あれでちょっと??」必死に笑いを堪えてるのがバレバレだ。


「私は、井上彩花。あなたは??」


「俺は、橘龍一。」


こうして俺らは出会ったのだ…。




俺と彼女は気が合ったことと家が近かったことであっという間に仲良くなった。

周りに付き合っているかと思わせるほどに…。



そんなある日、いつもの喫茶店で勉強を教え合っている時に彼女がいつになく悲しそうな顔をしていることに気がついた。

理由を聞くと家族関係がうまくいっていないらしい…。

その話をしているときの雰囲気はいつもの気の強いイメージとは異なり触っただけで壊れてしまいそうだった。


(彼女を守ってあげたい。彼女の側にいたい。)

生まれて初めて俺は強くそう感じた。



彼女に告白を決意したのは出会ってから3年後、つまり今年だ。


『好き』と伝えたらこの関係が崩れてしまうのではないか…。そう恐れていた俺だが、他の人に取られたくないって想いが徐々に強くなっていき我慢できなくなったのだ…。


告白自体が初めてだった俺はメチャクチャ緊張して、噛みまくったのでお世辞にもカッコイイ告白とは言えなかった。



だが、そんな俺の告白を彼女は受け入れてくれたのだ…。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※


パンッパンッと自分の頬を叩いて気を引き締める。

「あれは、もう過ぎたことだ今の俺には関係ない。」

そう自分に言い聞かせリビングに戻った。



メイドさんに持ってきてもらった朝食を済ませ、エントランスホームに向かう。

そこには、3年S組のメンツが揃っていた。



「遅いぞリューイチ!!」

(そういえば、初めて龍一と呼んでくれたのも彼女だったな…。)



「悪い。朝飯ゆっくり食い過ぎた。」

(でも、これが今の日常だ。)


「あ〜ぁ。もうギャラリー集まっちゃったよ…。」

ケイトがそう言いながら窓の外を見ていた。


彼女が向いた先を見ると、昨日と同じように人垣ができていた。


「そういえば、リューイチは初めてか?あれは、俺のかわいい子猫ちゃん達だ。」

そう言ったライナに呆れながらニーナが呟く。

「こいつは喋らなければなかなかのイケメンだから人気あるんだよ…。後はエレナが凄い人気だ。」


「そうでもないわよ…。」

エレナが明らかに照れながら答える。



「そういえば、リューイチは昨日あの人垣どうやって突破したの??」

ケイトが目線をこちらに戻しながら聞いてきた。



「なんていうか…。強行突破??」



「はぃ??」

ライナが明らかに不思議そうな顔で俺のほうを見てくる。



「まぁ、とりあえず遅刻しちゃうから行きましょう。」



そうして俺らは寮の正門に向かって歩きはじめた。



遠くから歓声が聞こえてくる。


「ライナ様だわぁ〜。」

「ケイトちゃんかわいい!」

「ニーナ様、俺を罵って!」

「エレナちゃ〜ん、俺と結婚して!!」


言いたい放題だ。

(どこのアイドルだよ…。)

そういいながら俺も後ろから付いていく。


「おぃ、あの黒髪って」

「悪魔…。」

「幻の5人目」



(何この差…)


「お前、何したの??」

ライナが首を傾げていた。


その瞬間、門が開かれた。

人が大量のに流れ込んで………来なかった。



「あれ??」

「なんで?」

俺以外の4人がかなり驚いている。

(いつもあの調子だったのか…)


いつの間にか昨日と同じように人垣が割れたので、俺が先頭を歩いていった。



そのまま無事に校舎に着くことが出来た。

教室というか談話室(?)に入り、俺はソファーにどっぷり座る。

5人で紅茶を飲みながら一息ついているとザンザス先生が入ってきた。




「お前らクラン結成したんだってな!この学校の卒業生にも、有名なクランに属している者や自分で作った者など、なかなかの実力者がいたんだから、お前らもその人達に追いつけるよう頑張れりな!」

その言葉にエレナが下を向いた。



その様子に気がついたたのは、エレナの一番の親友ニーナだけだった…。




「まぁ、今日はセレクターのメンテナンスを行うぞ。」


セレクターは、定期的にメンテナンスを行い出力の調整を行う。

大貴族になると家でやる場合もあるがたいていは武器やかギルドなどでの定期点検で行う。



「お、助かるな最近魔力量が増えた気がするから調整したかったんだよね。」

ライナがバスターブレードを持ちながらそう言った。



「じゃあ、後30分くらいしたら第二訓練場に行ってくれ。」



「りょ〜かい。」

ケイトが俺らを代表して返事をし、30分後、俺らは第二訓練場に向かった。


第二訓練場は、体育館のような建物で中には射撃場のようなレンジが4レーンと剣術の鍛練用の人形があった。


そして魔力測定に使った剣の柄と石版、鏡がありその横には職人っぽい人が立っていた。


「お、ウッドのおっちゃん!!」


「お久しぶりです。ウッドさん。」


「みんな元気だったか??ん、新顔がいるな…。」


「リューイチ・タチバナです。先日、編入しました。」


「そうかそうか、しっかりした子じゃな。では、早速見ようか。誰が最初かい??」


「俺のお願いします!!」

結局、順番はライナ⇒ケイト⇒ニーナ⇒エレナ⇒俺の順になった。



「ライナ、少し魔力量増えたなぁ〜。」

そういいながらバスターソーダに首元からクリスタルを取り出し翳した。

「火の魔石も問題ないな。よし、終わりじゃ。試してみてくれ。」


ライナがウッドさんからバスターブレードを受け取ると炎を点した。

「問題ないで〜す。さすがウッドのおっちゃん。」


「んじゃ次はケイトちゃんだね。」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


そんなかんじで俺以外の4人のメンテナンスは終わった。

「最後はリューイチ君だね。セレクターを見せてくれるかい??


そう言われて俺はホルスターからディアブロを抜き、ウッドさんに渡した。



「なんだ、この型??ここにいる君以外の生徒のセレクターはすべて私が作ったもので様々な種類があるが、こんな型のものは見たことがない!他の露店や店でもお目にかかったことのない型だ。すまないが仕組み以前に使い方すらわからない。試しに使って見てくれないか??」


ちょっと興奮気味なウッドさんにそう言われた俺はディアブロを受け取り、射撃場の2番レーンに立った。



「じゃあ行きますよ??」

俺以外の5人が脇から息を呑んで見ている。


ウッドさんが頷くのを見て的に向けてトリガーを引いた。



さすがに慣れてきたとはいえ、いつもの轟音と共に弾丸が飛び出した。その作業を繰り返し4つあった的ははじけ飛んだ。


ウッドさんがすぐに近づいてきてセレクターの様子を確かめる。

「なんだこのセレクター…。」



「このセレクターは魔力を弾丸として飛ばすことが出来ます。その弾丸に属性を持たせたり拡散させたりすることも出来る世界に一つしかないオリジナルのセレクターです。」

そう俺が説明しながらウッドさんにディアブロを渡した。


「世界に一つとは…」

そういいながらウッドさんが目の前の的に向かってトリガーを引いた。

しかし、まったく反応がなかった。


「信じられないが、現実で起こっているからなんとも言えない。他の国に同じような効果を持つセレクターは存在するが、こんなに小さくはないぞ??それに魔石も内部に内蔵されてるようだし…。いったい誰の作品なんだ??」


「これは物心ついた時から持っていたので誰の作品かはわかりません。ただ、俺専用に作られたもののようです。」



「なるほど、このセレクターはメンテナンスは必要無いはずじゃ。このセレクターは君のために作られたようだから他の者には使えない。素材も見たことが無いものを使っているし、弾に属性を持たせるのは試してみないとわからんが、たぶん全種できるはずじゃ。たぶん、他にも何か秘密があるのだろう。」


「秘密??」



「そうだ。まぁ、その件に関してはわしもちょっと調べてみるよ。なかなか、おもしろいものを見せてもらったわ。」



そう言ったウッドさんに俺達はお礼を言い、教室に戻ってきた。



「リューイチってすべてが規格外ね…。」

そこに呆れ顔でこちらを見ている4人がいた。



「まぁ、魔法初心者だからまだまだだよ…。」



(しかし、リューイチの力は底はどれ程のものなのか…。そして、こいつが成長した暁には…)

少し気になるニーナであった。



いかかでしたでしょうか?


誤字脱字、不明な表現等ありましたらご指摘ください。


感想もどんどん待っていますのでよろしくお願いします!!

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