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第11話 決闘、そして…

更新遅れました。

人物紹介、今作っていますので近日中に公開ができると思います。

それではどうぞ^^

今朝は、いつもと違って目覚めがよかった。

毎度のことながら、ベッドから起き上がりすぐにシャワーを浴びる。


「決闘かぁ〜。」

前の世界で、喧嘩になったことはあっても正式な決闘を申し込まれたことはなかったので、ちょっと新鮮だ。



朝食を取ると昨日買ったライダースーツみたいな防具+ジャケットを羽織った。

続いて、腰周りにマガジン用のポケットを4つ取り付け、ホルスターとぶつからないようにする。

髪をいつもと違いしっかりと整えて、ブーツのような靴を履き食堂へと向かった。


ちなみに、靴のまま部屋に入るのが普通なのだが、日本人の習慣的に慣れない…。


そして、一番奥の窓側の席にいつもの4人がいた。

カツッカツッ。カツッカツッ。

ブーツのような靴から歩く度に音が鳴る。


食堂の扉を開け中に入ると、いつもより人が多かった。(下級生かな??)



「あれ…誰??」

「かっこいい…」

「全身、黒一色…。」

まわりにヒソヒソと話されながら奥の席に着いた。




「悪い、待たしたか??」

「リューイチだよな…??」

ライナを含めいつもの4人全員が唖然として俺を見ている。

「そうだけど、何驚いているんだ??」


いつものボサボサな髪と違い、しっかりと整えた髪に全身黒一色の格好は普段の龍一のイメージとは全く異なるものだったのだが、本人には全く自覚が無い…。


「いゃ…その格好どうしたんだ?」

「ん?決闘だから気合入れてきたつもりだけど変か??」

「変じゃないけど…。」

ライナが言葉につまり女子の方を見る。


…が、無視されたようだ。

「勝つ自信は??」

「全く無い。」

「え?」

「だから自信は無い。」

「なんで!??」

「だって、決闘なんてしたこと無いし…。」


一気に場の空気が重くなった。


「ま、なんとかなるでしょ!」

っというライナの一言のおかげで直ぐに元に戻ったが…。


「そういえば、みんな見に来るの??」

「もちろん!!」

「しっかり応援するよ!!」


(なんか、こうやって誰かに応援されるのって両親以外だと初めてかもな…。)


「あれ??リューイチ泣いてる?」

「え!なんかマズイこと言った?」

「…いや。なんか、応援されるのがちょっと嬉しくてさ。」

「仲間を応援するのは当たり前だろ!!」

「まぁ、負けたら罰ゲームだけどな!!」

「ハハハ…。」


そんな会話をしつつ、朝食をしっかり食べた。



食後の紅茶を飲み、少し時間を潰した後、俺らは闘技場に向かった。


例の如く、門のところに人が殺到していたが今日はいつになくソワソワしている。



それもそのはず、今日はザンザス先生主催の下、全国生徒の午前授業を中止しての決闘なのだ。

ザンザス先生は生粋の戦闘狂らしく、ただの生徒同士の決闘を理事長に掛け合ってイベントにしたらしい…。



そんなこともあり、生徒達の間では謎の編入生の実力が知れる良い機会だと、期待が高ぶっているのだ。




闘技場の入口で皆と別れて、俺は控室へと向かう。

(なんか、ちょっと緊張してきたなぁ〜)



控室にあった椅子に座り、ディアブロのマガジンをチェックする。

マガジンは4本すべてに非殺傷の性質を持った弾を装填してある。

ジャケットのポケットにお守りの一発を入れ、防具の魔法障壁も確認する。

ちなみにこの魔法障壁はある程度のレベルの魔法では、傷一つ付かないそうだ。


いよいよ、場内が騒がしくなってきた。

(さて、子供相手にあんなことをする下種野郎をボコボコにするか!)


ディアブロをホルスターに戻し、俺は歩き出した。




小窓から様子を伺うと場内は満員だった。生徒以外にもたくさんの人が見に来ているようだ…。


「長らく、お待たせしました。本日は、ザンザス教諭主催『本当の強者は誰だ??』にお越しいただきありがとうございます。さっそく試合に移りたいと思います…。」


(な、なんだあのネーミングセンスの無さ…。)

俺のツッコミは誰にも届かず場内が静かになる。


「まず、ルール説明です。今回の試合の勝利条件は相手が、気絶するか降参するのかのどちらかです。ただし、殺害を目的とする攻撃は禁止です。その場合は失格となります。」


理事長が説明を終えるとまた、場内はまた騒がしくなってきた。


理事長に代わって司会が話し始めた。

「では、さっそく選手紹介だ!!謎の編入生、リューイチ・タチバナ!!実力は今だ未知数。どれ程の実力なのか??注目したいところです!!」

紹介を受けたので中央に向かって歩いていく。

ライナ達が手を降っているのが見えた。

(あそこって貴賓席じゃ…)

「対するは、A組トップの実力を持つロイ・ブリュッセル!!あの、王国四大貴族ブリュッセル家の跡取りだ!!魔力もこの学校で1.2を争うほどあるという噂もあるぞ!!」


そして、登場してきたのはキザ野郎+仲間8人だった。


場内がまた、静けさを取り戻す。

「貴様、よくも我等を愚弄したな。今日はたっぷり可愛がってやる。」


(どこの悪役だよ…。)


「そうそう、君はS組で僕はA組だからハンデを作らしてもらったよ。まずは、腕試しにこの8人と戦ってくれ。もちろん、嫌だとは言わないよね??」


(決闘に仲間連れて来るとはな…。)


上を見ると理事長も困った顔をしている。

「どうせなら全員で来たら??」

俺が言うと場内が一瞬でシーンとなった。


そして…


「ルール変更です!!リューイチ・タチバナVSロイ・ブリュッセル+8人の対戦です!!」

その言葉に場内がワーッと盛り上がった。



場内が落ち着くのを待ち

「両者用意はいいかな??それでは、試合開始!!」


その言葉と共に鐘が鳴る。


鐘の音と共にディアブロを抜く。


それと同時に8人が突っ込んで来る。

『求めるは雷鳴。サンダー!!』

『求めるは地鳴。アース!!』

『求めるは風鳴。ウィンド!!』


(いきなり中級魔法かよ!!)

俺に向かってきた魔法を防具に魔力を流し込んで発生させた魔法障壁で防ぐ。



すると後ろから2人が剣で切り掛かってきた。


咄嗟に横に避ける。


切り掛かってきた二人に向けディアブロの通常射撃を食らわす。


ダンッダンッ。

とりあえず、2人down。



「気をつけろ、あいつの攻撃は遠距離だ!!離れると危険だ!」

敵の一人が叫んでいる。



『炎よ。弓の形を成して彼の者を撃ちたまえ。ファイヤーアロー!!』

俺に向かってきた炎の矢を魔力障壁を発生させ防ぐ。

すぐさま、先程から俺に攻撃魔法を浴びさせてる4人に向かって、トリガーを引く。


ダンッダンッダンッダンッ。


4発の弾丸が奴らに向かって飛んでいくが、途中で消えてしまう。


(結界か!!だが、誰の魔法だ??)


っと、いきなり後ろに気配を感じた。


シュッ。

何かを紙一重で避けたが、少し掠ったのか頬に一筋の血が流れる。


反撃しようとしたが、そいつの姿が見えない。


(どこ行った??)


ふっと目線を前に戻すと…ロイの周りに大量の魔法陣が発生していた。(マズイ!!)

そう思った瞬間、以前エレナが使っていた魔法を思い出した。


『大気の水よ。我等を守りて、氷の壁と成せ。アイスバーグ!!』

そういいながら左手を前にだす。




……シュンッ。

あれ?


魔力を消耗したが、結界は発生しない。


(何故だ…。)



そんな、俺の様子に構わずロイの魔法を発動させた。『…自然の怒りを具現かせよ。アースインパルス!!』

「精霊魔法だ…。」

客席からそんな声が聞こえた気がした…。


凄まじい音と共に地割れが発生し、俺にに向かって数百数千の岩の塊が飛んで来る。

避けるのは無理だと判断し、魔法障壁を発生させた。しかし、精霊魔法による攻撃は凄まじく、ただの魔力障壁じゃ耐えられなかった。


ジャケットの一部が破け、左足と背中に激痛が走る上、身体のあちこちが痛い。



「酷い有様だな!降参するかい??」ロイが笑いながらそう言っているのが聞こえた。



「まだまだだね。」

すかさず、俺が答えるとロイが次の詠唱に入る。


(魔力障壁も使えないとなるとやばいな…。それに、避けるのは不可能だし…。ハイブリット弾使ってさっさと終わらせるか。)


そう決心し、ディアブロを持ち直し『Diablo』の文字をなぞる。


光りだした文字を確認し、両手で銃を構える。

「ダークフレアショット!!」

そう言いながらトリガーを4回引く。


ダンッ。ダンッ。ダンッ。ダンッ。


轟音と共に飛び出した黒炎を纏った弾丸が先程の4人に向かって飛んでいく。


結界に一瞬止められたようにも見えたが、ぶち当たった場所から崩れていきそのまま、貫通する。



ロイの仲間達は、何が起こったのかも判らぬまま意識をうしなった。

ちなみに撃った弾は拡散式の闇&炎属性弾(非殺傷)だ。破属性と同じで魔法障壁を打ち砕く力がある。



「なんだ、あの威力…。怪我してるくせに、一撃で結界を破るほどとは…。」

ロイも少しビビったらしい。


(…にしても残り二人はどこだ??)


6人down。

残りロイ&2人。




場内の人から見れば俺ら二人が対峙しているように見えるが、残りの二人がいない。



シュッ。

その音と共に手の甲に痛みが走る。

(どこだ??)



今度は連続で、何かが切り掛かって来る。



(これは…、鎌鼬か!!)



そう判断した俺はロイと少し距離を取り相手を探す。


(気配が感じられないんだよな…。)

少し考えながらロイを見るとまた、精霊魔法を撃とうとしているようだ。



(マズイな…。とりあえず敵をあぶり出すか…)


『炎よ。数多の力を我に貸し、幾千の炎の玉と成せ!ファイアーボール!!』


エレナ達に見せたときよりも一発の威力を落とした代わりに数を増やしてみた。


場内が騒然となった。

今や、数万の炎の玉によって形成されたドーム状の炎の膜は圧巻としか言いようがなかった。



そしてついに見つけた。

視界の一部で何も無い空間が揺れている。


「そこだ!!」

そう言って俺が手を振りかざす。


ドーム状の炎の玉が一斉に2人を襲う。

結界にはいくつもの皹が入り砕け散る。


「ぎゃぁぁ〜!!」

その声と共に二人が倒れる。


残り、ロイ。



「ついに俺ら二人だけだな。」


「ちっ。使えない奴らだ…。まぁいい。本気で行くぞ。」


俺はディアブロ、ロイは鎌を構える。



ダンッ。ダンッダンッ。ダンッ。

俺はロイに向かって連射しながら様子を伺っている。


それが解っているのかロイも鎌で弾を凌いでいる。




『ムーンスライス!!』

そう叫びながらロイが鎌を振るう。

既に、皹だらけの地面に俺に向かって一直線に亀裂が入る。


(これ…まるで、月○天衝だな…。)


魔力障壁を張りつつなんとか、横に避ける。



少し体制を崩した俺に、ロイが連続で、『ムーンスライス』を連続で撃ってくるので、防戦一方だ。



負けずとディアブロを撃つが、照準が定まらずロイには当たらない。



「ちっ!!」

動く度に激痛がはしり、まともに戦うのも厳しい。



ふと、ロイを見ると持っている鎌が輝きだした。


負けずと『Diablo』の文字を発光させる。



『ダークフレアショット!!』

ロイの技が完成する前に射撃をする。

ダンッ。ダンッ。


「ちっ!!」

ロイの鎌が発光がやむ。

『ムーンスライス!』


カンッ!

弾丸と衝撃波がぶつかり相殺する。


しかし…。

俺が撃ったもう一発の弾はロイの肩に当たった。

付けていた肩当てが吹き飛び血が飛び散る。



「くそ!!」

ロイが叫ぶと同時に鎌がまた、発光し始める。


すぐにディアブロを撃つが通常射撃では弾かれてしまった。



鎌の光がどんどん増幅している。


(仕方ない…。)

俺はジャケットのポケットに入っている一発の弾を取り出す。


(まだ、試したことないけどなんとかなるだろう…。)

ディアブロのマガジンを抜き、その弾を装填する。



その瞬間、『Diablo』の文字が銀色に発光し銃身に龍の模様が浮かび上がる。

『切り裂きの鎌ラーザス。火を消し、水を散らし、地面を砕き、風を裂き、その斬撃をここに示せ。ヴェロニカ!!』

『魔を司り、神から授けられし銃、ディアブロ。森羅万象を表し、創造、破壊の形を示せ。ディスインパクト!!』



ロイの鎌から巨大な衝撃波が、俺の銃から光を纏った弾丸が放たれる。



弾丸は七色に光ながら徐々に銀の龍を形成していき、衝撃波をいとも簡単に打ち砕き、砂埃を切り裂くように飛んでいく。

ロイが自分の技を砕かれたことを自覚することなく、意識を闇の中に沈めた。







実は客席からは、龍一がファイアーボールを放った辺りからは砂埃がひどく何が起こったのか、視認することができなかった。そして、決着が着いてしばらく経った今になって砂埃が消え倒れているロイ+8人とホルスターにディアブロを戻している龍一の姿を確認することができた。



「試合終了!!!!勝者リューイチ選手!!」



その言葉と共に場内から声援が送られる。


そしていつまでも止まぬ拍手の中俺は、何もせずただ立っていた。





※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

試合が終わった後、俺の肩や全身の傷はエレナの水属性特有の癒しの魔法によって、大体の怪我が治った。しかし、念のために一日保健室に泊まる羽目になった。


一方、ロイ達は一切傷は無いのだが意識が丸一日戻らなかった。

どうもディアブロの弾に非殺傷の性質を付けると意識のみを刈り取るらしい…。




なんやかんやで、決闘から二日経ってしまったが今日、ついに先生から許可をもらったので午後から平常授業に参加することになっている。



コンッコンッ。

「失礼します。」

そう言ってS組の教室の扉を開けると…。


「おかえり!!」

エレナを筆頭にいつもの4人が俺のことを笑顔で迎えてくれた。

それから、あの砂埃の中で何があったか根掘り葉掘り聞かれたが、俺も曖昧にしか覚えてなかったので満足のいく答えが出来なかった。


「そういえばさ、前にエレナがやってた結界の魔法試したんだけど、何故か発動しなかったんだよね…。なんでか分かる??」


「あれは…上級魔法だからリューイチの制御力じゃ発動できないよ…。」

エレナがそういうと教室に気まずい空気が流れる。



すると、そこに理事長とザンザス先生が入ってきた。

「リューイチ君。先日の決闘、なかなか良い試合だったよ。S組足るもの他の生徒より圧倒的な力を持つべし……」


ザンザス先生のスピーチがはじまろうとしたところで理事長がそれを制した。



「確かにリューイチ君は素晴らしい試合をしてくれましたが、今日はその事より重大なお知らせがあります。実は今年は、S組にもう一人メンバーが加わります。その方…いや、その生徒はちょっと訳ありですので心して下さい。」いつになく、ザンザス先生も理事長も真面目な顔をしている。


「まぁ、その生徒がやってくるのは一週間後なので、楽しみにしていて下さい。」


そう言って理事長が出ていく。



「転校生かぁ〜。」

「どんな人かなぁ〜」

「しかし、S組に編入するということはなかなかの実力者かもしれない。」

「確かに…。」



「まぁ、期待して待ってな!!あ、それから転校生が来たら実践魔術の授業始まるからな!!」

そう言ってザンザス先生が教室から出ていく。



俺らも支度をして、

「転校生かぁ〜。」

「何者か気になるな。」

などと話ながら寮に向かった。


いつの間にかPV15000、ユニーク2500超えていました。

読んでくださっている方ありがとうございます^^


これからもよろしくお願いします^^


誤字脱字、おかしな表現等あれば報告お願いします。

感想もいただけるとうれしいです!

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