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第10話 買い物

ちょっと間が空きました。

今後の流れを考慮しつつなのでこれから更新が少し遅くなるかもしれません。


では、どうぞ^^

「ここは…。」


『異世界の生活にはなれたかな??龍一君。』


そう。ここは例の応接間。神様も俺もソファーに腰掛けている。


「まぁ、ボチボチだな。」


『ん。先日に比べると大分表情が和らいだな。』


「そうか??」


ところなしか、神様が笑顔になり

『こちらでの仲間とは上手くやっているようじゃな。』


「まだ、わかんねぇよ。」


『そうか、そうか。まぁ、仲間を大切にすることは良いことじゃよ。』



(絶対、今日の様子見てたよな…。)

「まぁいいや。それより、ディアブロの使い方が頭に流れ込んできたけど、あれはなんだ??」


『あれは、まだ説明していなかった部分を直接、お主の頭に流し込んだのじゃ。まぁ、もう一度説明しておこう。分かっているとは思うがディアブロはセレクターとしては異質な物だ。まず性能は龍一の魔力を弾丸として撃ち出すこじゃ。それは前に説明した通りだが、弾丸の性質も威力にも限界があるのだ。通常の弾丸は、普通の物体に対してなら大ダメージを与えられるが、結界などの魔法で精製されたものにはダメージが与えられない。昨日のような魔力障壁がいい例じゃな。』



(やっぱ、昨日見てたのか。)



『そこで、使うのがハイブリット弾だ。



ハイブリット弾とは、昨日龍一が精製した魔法で属性効果をプラスしつつ魔力を圧縮して詰め込んだ弾丸のことじゃ。それを魔力で撃ち出すのだから、威力は通常射撃の10倍ほどだ。ただ、ハイブリット弾は通常の銃の弾丸と同じで使い捨てだから連射はマガジンに入る6+1発が限界じゃ。まぁ、ハイブリット弾を戦闘前に作っておけば問題ないじゃろ。念のため、空のマガジンも4個渡しとくぞ。』



「説明助かったわ。マガジンもありがとな。」



『礼には及ばんよ。ハイブリット弾を用いた射撃はDiabloの文字を指先でなぞり、文字が金色に輝いている時に可能じゃ。』



「了解。さてそろそろ起きますか。」


『龍一。ディアブロは大切な人を守るための力じゃ。それだけは忘れてはならんぞ』


「わかってるよ!!」

そう言うと俺の意識は徐々に薄れていった。





※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「ふぁ〜ぁぁ。」


やはり、朝は苦手だ。

夢の中で神様と話していたせいか、あまり疲れが取れた気がしない。

それに、今朝はいつもより2時間も早く起きてしまったのだ…。


既に日課になってる朝シャワーを浴び、着替えを済ませた。


ふとそこで気が付いた。

ベッドの上に神様が言っていた通りにディアブロのマガジンが4つ置かれていたのだ。


「サンキュー、神様」


そう呟いてベッドの上に座る。


(まだ、登校時間まで余裕あるし、試してみるか…。)


『我が宿命を以って、今ここに一発の弾丸を精製する。大地を燃やす紅蓮の炎の力よ、弾丸の形を成して敵を打ち砕かん。』


すると、真っ赤な弾丸が掌に現れた。


続けて

『我が宿命を以って、今ここに一発の弾丸を精製する。夜より深い暗黒の闇の力よ、弾丸の形を成して敵を打ち砕かん。』


先程と同じように掌に弾丸が現れた。今度は真っ黒な弾丸だ。



どうやら昨日のみたいに何種類の属性を混ぜることも一種類だけで作ることも可能なようだ。

この動作を繰り返し、合計、50発程弾丸を精製した。

内訳は全属性の弾をそれぞれ3本ずつと、何種類か組み合わせた弾丸を合計20発である。



作業自体は1時間程度で終わったのだが…魔力をかなり消費し疲れたので、そのまま寝てしまった…。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

そのころ3年S組の教室では…。


「あれ?リューイチは??」

「そういえば今日来てないね??体調でも崩したのかな?」

「サボりだな!!」

「私のせいかな…。」


3人で紅茶を飲んでいるなか一人ソファーでクッションを抱え込み、表情が曇っているエレナがいた。

どうやらエレナはまだ、昨日のことを引きずっているようだ…


「ま、放課後お見舞いでも行ってやるか!!」そんな様子を見かねたライナが言うと皆、賛成しているようだった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


コンッコンッ

「遅れました!!」


昼近くになってから龍一が教室に入ってきた。


今日は、午前中は模擬戦をしてため、皆かなり疲れているようだ…。



「リューイチ遅すぎ!!」

「サボりか??」

「なんかあったのか??」

3人が俺に近づいて聞いてきた…。



「いゃ、昨日の疲れで二度寝したら…。」

と正直に答えてみた。


「それ、サボりじゃね?」

ライナにいわれるとちょっとイラッとくる。



そんな中、突然声がした。


「昨日はすいませんでした!!」


そう。エレナだ。

しかも、頭を下げたまま一向に上げる様子がない。


「どうした、エレナ??」

慌てた俺がエレナに聞くと…。徐々に顔を上げた。今にも泣きそうな様子だ…。


「昨日は本当にごめんなさい。ドスハイーナが目の前に来た時、頭の中真っ白になっちゃって。…みんなに迷惑かけて…。今まで魔法には自信があったけど、それはあくまで、学生の間だけの話。S級の魔物がでて死ぬかもしれないと思ったら体が動かなくなっちゃった…。そのせいでリューイチを危険な目に遭わして…わたし、わたし………」

そういいながらまた、謝ろうとしたエレナの頭を撫でてやる。


「エレナ、結局は誰も怪我しなかったんだからいいだろう??誰だって死ぬのは怖いんだから、エレナの反応は普通のことだと思うよ。それにS組の仲間なんだから助けて当たり前じゃないか?」


(神様の言ってる通りかもな…。この前までだったら何も出来ずに諦めてたはずなのに、今はこんなセリフまで言えてしまうなんて…)


「でも…」


「これから、もっとたくさんの実戦経験を積んでいけばいいんだよ。そのためなら俺も協力するし、それでこそ仲間だろ?クランだってそのためのものだろ?」

そういいながら他の4人をみる。


エレナも納得したのか黙ってしまった。



そのまましばらくエレナの頭をなで続けてやると徐々に落ち着きを取戻し「ありがとう…。」と消え入るように言った。


「さて、これからどうする?」

「授業は明日、明後日は休みだし買い物に行かない?」

「リューイチの装備買わないとだもんね!」

「賛成!」

「わかった。。」

「私も行きます…。」


こうして、俺達は学園の外にある街に向かうことにした。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「ここが街かぁ〜」

来るときにも通ったが、ゆっくり見ることは出来なかったのでとても新鮮だ。



とても活気があり、商人達が声を張り上げている。大通りに出るとその勢いはさらに増した。

まずは、目的の武器、防具屋に向うことにした。


カランッコロン

ドアの上についた鐘が快い音を立てる。


「いらっしゃいませ。」

女性の店員さんが笑顔で挨拶してきた。


店内はとても広く、壁には剣や刀、槍、弓、斧、杖など様々な武器が壁には掛けられている。


「1階が武器専門、2階が防具専門、3階がセレクター専門です。」

店員さんの説明の下、さっそく2階に向かう。


2階も1階と同じように壁に様々な防具が置かれている。


中世っぽい鎧やプロテクターみたいなものなど種類や形、材質も様々だ。


壁に掛けられたものを一品一品見ていく。


俺の戦闘スタイル的には軽いものがいいなぁ〜と思っているとき、1つの防具に目を奪われ立ち止まった。


一見、ライダースーツのようにも見えるジャケット、ズボン、指の部分がない手袋すべて真っ黒に統一されてる物だった。


「これなんですか?」


「これは、ヴィン・ナーズが作成した防具で魔法障壁を展開することが可能ですが、使用者の魔力が少ないとただの衣服となってしまうため、持ち手を選びます。」


「じゃぁ、これにします。」


即決した俺に店員さんも「え?」と呟いたが直ぐに壁から防具を外し会計まで持っていった。

「ギルドカードの掲示をお願いします。」


そう言われカードを渡す。

「ありがとうございます。S組の方は特別料金なので半額の金貨3枚です。商品は後で寮まで届けますのでご安心を。」


俺は金貨を渡し、みんなと合流した。




「ところで武器とセレクターて何が違うんだ??」


「武器とは魔法の使えない一般の兵士が使うものだ。そのため、魔力による付加機能はあっても自分で発動できるものはない。対してセレクターは自分の魔力を消費し技を放つことが出来るものだ。武器として使うことも出来るし、物によっては防具ともなるしな。」


ニーナの説明を聞きながら俺らは3階に来た。



1.2階と違い、壁以外にも棚の上に様々な種類のセレクターが置かれている。


初心者向けの短めの杖や火の属性を持つ剣など様々だ。



特に目的があるわけじゃ無いのでのんびり見て回る。


ふと棚にポケットのような物が掛けられているのに気が付いた。

(もしかしたら…)


そう思って、ディアブロからマガジンをとり出してみる。


(ピッタリだ!)


「すみません。」

近くにいた店員を呼び付けた。


「なんでしょう?」

「これと同じものを4つ頂けますか??」

「多機能タイプのセレクターケースを4つもですか??」

「はい。お願いします。」

そういって、すぐに会計を済ませた。



後で聞いたのだが多機能タイプとは、自分があらかじめ入力した魔法を魔力を注いで起動させ使用するもので結界などを構成する際に役に立つそうだ。ただし、通常状態で使うよりも魔力を消費するうえ、魔力を入力することが困難なためメインのセレクターというよりサポート用のセレクターとして魔法騎士団などで使われることが多いそうだ。



武器、防具屋を出た後は女性陣の強い要望と俺個人の頼みで洋服屋に向かった。

私服として着られるものをライナとちゃっちゃと選んだのだが、女性陣はまだ決めかねていた。そこで先に会計を済ませ、街をブラブラすることにした。



ライナと街を歩いていると周りの視線が痛い…。

先程も感じてはいたが、今回は主に女性からの視線が痛いのだ…。S組は目立つからしょうがないといえばしょうがないのだが…。




しばらく歩くと何やら揉め事が怒っているようで野次馬が押し寄せてる。

俺らがそこに近付くと自然と人々が道を空けてくれた。


そこには、初登校の時にいたあの連中がいた。

そしてそいつらは小さな男の子を殴りまくっていた。


「何してんだ??」


「おぉ、これはこれはリューイチ君にライナ君。S組がわざわざ街に何の用かな??」


「お前らには関係無い。お前らこそ小さい子を集団リンチなんて馬鹿げたことをやってんな〜」

ライナが真剣な表情で睨み返す。


「こいつが貴族である俺の前を堂々と横切ったから躾けてるだけだ。お前らには関係ない。」


「一人では何もできないカス野郎だな…」

ぼそっと俺も呟いた。


「おい。お前、金積んで編入したくせに大したご身分じゃないか。雑魚は引っ込んでろ。」

貴族野郎がそう言ってきたが、俺にとってはどうでもいいことだったのでスルー…しようとした。


「リューイチ、お前の力見せてやれよ。」

ライナは完全に頭に血が上っているようだ…。


「面白い!それは、決闘の申し込みとして受け取るぞ。」


「ちょっ!」

俺の意志を完全に無視して話が進んでいく。


「日時は明日の13時、場所は闘技場だ。覚悟しとけよ!」

そういって、貴族野郎達は大通りのほうに戻っていった。


(どうでもいいや…それより。)

「大丈夫か?坊や。」

殴られてけがをしている少年のほうを向く。


「ひっ!」

どうやら少しおびえてるようだ。


「とりあえず、これやるよ。」

俺はポッケから飴玉を取り出して少年に渡した。


「噛むなよ?なめとけば味がするから。」

ちなみにこれは、この世界に来るときに着ていた俺の学ランに入っていたものだ。

少年は飴玉を口の中に入れると

「甘い!」

といって笑顔になった。


っとそこに買い物を終えた女性陣がやってきた。

「リューイチ、その子どうしたの?」

そういわれたので事情を説明するとエレナが杖を取り出した。


『光よ、治療という名の慈悲をこの者に与えたまえ。ヒーリング!』

光の中級魔法ヒーリングだ。


みるみる少年の怪我は治っていった。

「わぁ、ありがとうお姉ちゃん!!」

笑顔の少年にお礼を言われてエレナもクスっと笑った。

(サンキュー、少年!)


その後、少年の母親や友人らに感謝されながら俺らは寮に戻ることにした。

「そういえばなんで俺らの場所が分かったの??」

「リューイチの黒髪にS組の制服だもん、目立たないわけないじゃん…」

自分が認識していたのよりはるかに俺は目立っていたようだ。


「それより、決闘どうするの?」

「なんとかなるだろう。」

「それが…。あいつのこと、知ってる?」

「いや。何も…」

そういうとニーナが俺のほうを真剣に見てきた。


「リューイチ。あいつのせいでS組はずっと4人だったんだ。」

「っというと?」

「あいつの魔力量は私より高い。加えて、技量もトップクラスだ。しかし、あいつは入学試験の時に周りにいたほかの生徒も巻き込むような上級魔法を使って、12人に大怪我させたんだ。それが原因で一時は退学扱いになるところを、親の権力を利用して無理やりこの学園に入学したんだ。」

「なるほどな。」

「だから…。」

ニーナがしゃべろうとするのを止めさせた。それ以上は聞かなくてもわかる。


「ま、頑張るさ。」



その後、俺らはすぐに自室に戻った。

衣装室には買った防具と私服が届いていた。


「決闘か…。ハイブリット弾使う必要があるかもな。あいつ気に入らねえし…。」


そう、あの貴族連中が前の世界で俺を利用していたクラスメイトと似ている気がしたのだ。


非殺傷の特製弾をニヤニヤ笑いながら作っている俺だった…。


いかがでしたか。

ディアブロの性能の詳細を出してみました。

少し、チートな気がしますが…w


誤字、脱字、変な表現等の報告ありましたらお願いします。


感想、ご意見もお待ちしています。

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