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ピコピコ呪いをかけられて  作者: 楠本恵士
難題・難問編〈〇〇の偉業〉
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第十七話・第十一の偉業【学園一番の美少女学園アイドルモデルの偽りのサイズを暴け】

 またまたまた、学園長室に呼ばれたマドカは、広い中華テーブルの上に並べられた中華料理の数々に目を丸くした。

「どうじゃ『満漢全席』だぞ……庶民には手が出せない料理じゃろう」

「もう、いろいろな感情をぶっ飛ばして殺意が湧いてきた……早く今回の用件を言え!」


「【学園一番の美少女学園アイドルモデルの偽りのサイズを暴け】」

「……はぁ?」


 ◆◆◆◆◆◆


 マドカたちは、ファストフード店で、ハンバーガーを食べながら、ペイペイからの難問を話し合っていた。

 口の周りをケチャップだらけにしながら、ユーロが言った。

「学年一の美少女のスリーサイズを暴くことに、いったい何の意味が? あっ、聖女の服にケチャップが」


 炭酸飲料を飲みながら、ドルドルが言った。

「アイドルでモデルもやっている、学年一番の美少女……そりゃ、プロフィールも多少の誤魔化しがあっても……くっころせ」

 座り直したドルドルのお尻から、炭酸のジェット噴射のような音がした。

「ち、ちがう……これは、オナラじゃないんだ……どさくさにまぎれて、こいた屁だ! あなたも一緒に屁をこいてみませんか……うわぁぁん」

 

 マドカがポテトをつまむ。

「なんで、学園アイドルのサイズにこだわるのかわからないが……計測してやろうじゃないか」

 マドカはスマートフォンで検索した、学園アイドル美少女の画像を見た。

「確かに美人、でも真実は一つ」

 マドカが画面をスクロールさせて、事務所に登録されたプロフィールを見ていると。

 食べ終わったトレイを持った、クマ番長がやって来た。

「奇遇だな……何見ているんだ?」


 マドカが見ていたスマートフォンの画像が、チラッと見えた番長が言った。

「おおっ、学園のアイドルモデルか……彼女、可愛くて美人だよな……オレは推している」


 マドカがクマに言った。

「今度、その学園のアイドルのスリーサイズを暴くから……プロフィールと同じかどうか」


 マドカの言葉を聞いて、少し不機嫌そうな顔をするクマ番長。

「そういうのは、やめてもらいたいな……ファンの夢を奪うようなマネは」

「熱烈なファンなら、真実を知っても推しのファンを続けられるはず……クマの推し魂が本物かどうか知る、いい機会だと思わないか」

「オレの推し魂」

 クマ番長は、自分のファン魂を確かめるべく、マドカたちと行動を共にするコトにした。


  ◆◆◆◆◆◆


 学園一番の美少女でアイドルでモデルもやっている。

 美少女をレンタルした撮影スタジオに呼び出した、マドカが美少女に説明する。

「所属事務所の方には、承諾を得ています……わたしたちは、異世界学園の新聞の者です」


 美少女が学園新聞と聞いて、少し小バカにしたような態度をとる。

「なんだ、学園新聞の取材なので……さっさと、終わらせてよね」

 ガムをクチャクチャ噛みながら対応する、学園の美少女は態度が悪かった。


 マドカが言った。

「まずは、写真撮影をしますから……そこの白い板の上に立ってください」

 学園一番の美少女は、なんの疑いも抱かず体重計の上に乗る。

 マドカのスマートフォンに送信されてきた、体重の数字を見ていマドカが言った。

「プロフィールにあった、体重よりもやや太めですね」

 顔を真っ赤にする、学園の美少女アイドルモデル。

「なっ、なに勝手に人の体重を!」

 この時、すでに美少女の身長とスリーサイズも、瞬時に計測されていた。

「プロフィールの身長よりも小柄ですね……胸も小さくて、ウエストは太い、尻もデカい」


 動揺する学園のアイドルモデル。

「な、な、な、な、なにをいったい?」


 マドカの質問が続く。

「プロフィールには好物はイチゴって書いてありましたけれと……実際の好物は納豆キムチとモツ煮……親父系ですね」

「どこから、その情報を! もう帰る!」

「もう少しつきあってください……入手した情報だと、足が臭くてオナラも臭い……時々、誰も見ていない所で鼻をほじくっている……食後は楊枝(ようじ)でスーハー」


 ドルドルが言った。

「わたしと、一緒に屁をこいてみないか?」

 崩壊していく美少女の偽りの姿……暴かれた真の姿に、うつむいた美少女はワナワナと震えている。

「極めつけは、過去に男遊びが激しくてセフレも数人……あなた、男性経験豊富ですね」


 学園一番の美少女アイドルモデルの頭から白い煙が昇る……塗り固めてきたメッキが剥がれ素の姿が現れる。

 学園の美少女アイドルモデルが、吹っ切れたような口調で言った

「それがなんだべ……楊枝で歯をほじくるクセと、鼻をほじくるクセは治すべ……好物は納豆キムチとモツ煮だべ……それが悪いか」


 開き直った、学園のアイドルモデルが言った。

「うちが、アイドル活動とモデル活動をしているコトには、変わりないっぺ……事務所に伝えてバラせばいいっぺ……本当のプロフィールを知って逃げ出すファンなんて、真のファンじゃないっぺ」


 そう言って学園アイドルは、モデルポーズをする……口を開かなければ綺麗なモデルだった。

「さあ、早くうちを撮影して学園新聞に載せるっペ」


 今まで黙って暴露されていくプロフィールを聞いていたクマ番長が、学園のアイドルモデルに近づいて握手を求めて言った。

「オレはいつまでも、ファンであり……あなたを推す、ここまで暴露されて逆に堂々としている姿に感動した!」


 握手をしている学園の美少女は、少し戸惑う。

「あ、ありがとう」


 その後──一時期は、暴かれた学園のアイドルの内容に学園内は騒然となったが……逆に『欠陥だらけの美少女アイドルモデル』として人気が出てしまい、さまざまなCMに出演した。


「臭うクソ足には、このバブル石鹸……臭いオナラでお困りの女子には、この飲み薬……うちと一緒に屁をこいてみませんか?」


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