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一瞬の和らぎ

優弥は、宮殿に着くとヘルメットを脱ぎ捨てて門を飛び越え、猛スピードで走り出した。

早く、助けなければ…

「おねぇちゃん、だぁれ?」

「早く!逃げるよ!」

「???」

優弥は皇帝のたった一人の息子ー帝野(ていの) (あお)の手を握った。

バイクに戻ると、椅子を開けた。

優弥のバイクは一見普通だが、椅子の中の収納がとても大きく作られている。

生き物が入ることも想定されていて、空気穴も開けられている。

しかも衝撃が和らぐように、床壁天井がクッション製になっている。

そこに青を入れると、蓋を閉め、家に向けてまた猛スピードで走り出した。


キキーッ

優弥は家に着くと、青を抱いて家に帰った。

「おねぇちゃん、ここどこ?」

「ここはね、お姉ちゃんの家だよ。」

「おねぇちゃん、だぁれ?」

まあ、こんな小さな子に事情を話してもわかるわけないよね。

「君を救いにきた正義のヒーローだよ」

「わぁ!かっこいい!おねぇちゃん、すごい!」

「ふふ〜ん」

ぎゅるるるる…

「ねえ、おねぇちゃん、おなかすいた」

「そっか、でもあともう少しだけ待っててね。」

「えぇ〜、わかった…」

実はお腹が鳴るのって、お腹がご飯を食べる準備をし始めた合図なんだよね。

だから30分〜1時間半ぐらい時間を空けた方がいいんだって。

ええっと、青様…いや、存在がバレちゃうから、青でいっか。

青はたしか3歳だから、う〜ん…うどんでいっか!

うどんは下賤のものの食べ物と言われているから、食べたことないと思うけど…

まあ、いいよね!

優弥はスマホを取り出し、aber eatsを開いた。

そしてうどんキッズセットと温玉うどん美味塩セットを30分後にくるように注文した。


   ー30分後ー


「おねぇちゃん、ご飯まだぁ?」

歳のだいぶ離れた甥っ子用に買っておいた積み木で遊んでいた青が聞いた。

「う〜ん…もうすぐくると思うんだけど…」

ピンポーン

「きたっ!ちょっとここの中入って!」

そう言って青を手が離せない時に甥っ子を入れておくように作ったベッドの下の小部屋に入れた。そして外側から鍵をかけた。

今や宮殿が襲われたというニュースは全国的に流れているはずだ。

「捨てる」ことをなんとも思っていない、いや、賛成派の住民は

最低でも全国の人口の三分二に遡るだろう。

皇帝も、その親族も、その家来もその中に入っている。

aber eatsの宅配員もその中に入っているかもしれない。

死んだはずの忌み子が一般市民の住宅にいるとなれば大騒ぎだ。

もしかしたら忌み子を匿った罪で捕まってしまうかもしれない。

優弥はこう見えて用心深い性格だ。

「aber eatsでーす」

「はーい!」

「こちら、千流優弥様の自宅で間違いないでしょうか」

「はい、合ってます」

「ご注文は、うどんキッズセットと、温玉うどん美味塩セットで間違い無いでしょうか」

「はい、合ってます」

しまった、一人暮らしなのにキッズセットを頼んでいると怪しまれる!

ここは…そうだ、甥っ子が来てることにしよう!

「それでは2000円のお支払いをお願いします」

優弥は財布から1000円札を2枚取り出した。

「ありがとうございます。ではここにサインを」

四角い枠に、真っ赤な筆ペンを使い、「千流」と書いた。

「字が上手ですね」

「いや…それほどでも…」

今世間話したくなーい!

怪しまれるー!

「ありがとうございましたー」

「こちらこそありがとうございます、お疲れ様でーす」

ガチャン

ふぅー…

よかった…

怪しまれずに済んだ…

「ご飯だよー」

「やったぁ!おねぇちゃん、はやくたべたいよぉー」

「はいはい、今出してあげるからね」


「いただきます」

「いただきあす!」

青はそう言うなり、ガツガツと食べ始めた。

よほどお腹が空いていたんだろう。

さて、こっちもいただきますか!

ちゅるちゅる もぐもぐ...

うん、美味しい!やっぱ定番の味!

優弥も夢中で食べ始めた。


ピンポーン

優弥と青のうどんが入った容器が空になるころ、インターホンがなった。

「はーいちょっと待っててくださいねー」

「動くな」

「!?」

もしよろしけれは評価&リアクションをしていただけると幸いです!とても励みになります!コメントくださった方にはできる限り返信するつもりなのでどうぞよろしくお願いします!

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