事の始まり
ドーン!
事が起きたのは、そのときだった。
時が止まった、と思った。
みんな、微動もしない。
「に、逃げろー!」
その言葉を機に、時が動いた。
なだれ込むように、門に向けて走り出した。
誰もかもが、逃げ出した。
たった一人の少年を置いて。
「速報です。今、宮殿で集団テロによる爆破が起こりました。行方不明者は、
今の所一名で、皇帝様の息子様だそうです。ですが、『忌み子のため、置いてけぼりにしてきました。明日が「雷反の儀」の予定でしたから。』と家来は話しているそうです。」
「は、はぁ!?」
うちー千流 優弥は思わずリモコンをテーブルに叩きつけた。
ガチャン
その拍子に、マグカップに入っていたホットミルクが少しこぼれたが、優弥は気にしない。
大急ぎでいつもの靴を履き、玄関に鍵をかけて、(本当はかける時間がもったいなかったが、)目の前にあった柵を飛び越し、愛用しているバイクのすぐそばに着地すると、ヘルメットを被った。
優弥はバイクで数分の宮殿へとバイクを全力スピードで走らせた。
宮殿では、百年に一度、必ず、忌み子が生まれる。
忌み子の特徴は全て同じ。
生まれて1週間の夜に、ベビーベッドの柵に勢いよく足をぶつけ、雷を落としている雷雲ようなの形のアザができる。
ハルヤンバ帝国では、雷は皇帝様の不幸の予兆とされ、ここ1000年もの間、嫌われてきた。
忌み子は、言葉を完璧に覚えた日の夜、家来の手で忌み子のことを全て話してから次の日の朝食で毒殺される。
このことを、宮殿で働いている者の中では「雷反の儀」と呼ばれる。「雷」を「反」発するから「雷反の儀」。
噂でしか聞かない周りのものたちは、「雷反の儀」のことを「捨てる」と言っている。
優弥は無実の人が殺されるのが大嫌いだった。
もちろんそれが忌み子でも。
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