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ちょこっとサイドストーリー  作者: TAREさん
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⚘5 ~ エピローグ


 それから結局は同じような毎日を過ごしている。少しずつ寒くなってきて、休みの日は皆で電車やバスにも乗ったり、レンタカーでお泊まりのお出掛けもするようになった。 っと言うのも、11月に入る前に国からの助成金と言う事でお金が入ったのと、仮のビザが届いたからだ。遊ぶことには抵抗があったが、ちょっとした遠出で紅葉を見せる事が出来たのは嬉しかった。

ハロウィンは仮装?をして町にり出したし、お月見もした。


 12月に入るとクリスマスの雰囲気がどこでも見られ、イルミネーションがきらびやかに光る。 ちょっと背伸びをしてお高めのレストランで食事をした。菜奈子もパーティードレスとお化粧をして、エディがエスコートしてくれた。お姫様対応にドキドキしたのはバレバレだった。菜奈子も初めてだったので緊張したが、文字が読めなくても悟られないエディたちは流石場数を踏んでいる大人だった。申し訳なさと尊敬の眼差しを送る。 クリスマスにはケーキを皆で手作りし、ピザやチキンをデリバリーして、冴重も誘ってゲームをして楽しんだ。




 その3日後、とうとうその日が来た。

来た時同様、菜奈子の部屋で送る事にした。服装もその時のもの。

送ってくれるのは年下の男性で、天宮と名乗っていた。


「宜しいですか?」

「はい。」

「お願いします。」

「準備オッケーだよ。」

「宜しく頼む。」


菜奈子が荷物を渡す。

「これ、写真です。思い出に。 それと、こっちはお弁当と、焼き菓子が入っているので、向こうで食べて下さい。」

「ありがとう。ナナコにはいくらお礼を言っても足りない。本当に感謝しているよ。」

「えぇ、貴女がいてくれて本当に救われました。ナナコさんもどうぞお元気で。」

「ナナコ殿、貴女の思いやりは忘れない。きっと良い人とめぐり逢えるだろう。」

「そうそっ、ナナちゃんみたいな女性、僕だったらほっとかないもん。 幸せになってね。」

それぞれお別れの言葉を言う。

「うぅ・・・ありがとう。。 わ、私も、とっても楽しかった。 毎日お帰りって言われて嬉しかったし、ご飯もたくさん食べてくれて、作り甲斐がいがあったし。 本当に毎日が幸せだったよ。。 エディさん、ウナさん、クロートさん、アッサム君、 向こうに戻っても元気でね。私も、頑張るよ。」

菜奈子は涙目になりながら笑顔で言った。

「ーー、さ、、最後に・・・、 ハグしても・・いいかな?」

恥ずかしそうに言ってみる。

「ふふ。 いいですよ。」

「ナナちゃん、それ可愛い。」

「・・・天然なのは分かっていた。」

「いらっしゃいナナコ、思う存分抱いてあげるよ?」

別れの抱擁ほうよう。のはずだが。


「う、うらやまし・・・くなんてないわっ。。」

「あれがイケメンの余裕ってやつでしょうね。。」

後ろで見送り組2人のつぶやき。


やがてそれも終わると、いよいよ送るための魔法が発動される。


「離れないように手を繋ぎ合って下さい。 そして帰るべき世界、国、場所を思い描き、強くそこへ行きたいと願って下さい。   いいですか?」

そして言葉をつむぐと、黒い空間が開いた。


「無事にちゃんと送り届けるよ。 李輝、ちょっと行って来るからよろしくね。」

「はい、お任せあれ。行ってらっしゃい。お待ちしています。」

天宮は頷くとエディ達とその黒い空間にヒョイと入り、何事もなく消えた。



「ーーー 行っちゃったわね・・。」

「・・・・・・うん。。」

「もう、元気出しなさいっ。覚悟してたでしょう?」

「・・・うん。 大丈夫。」

いざ本当に行ってしまうと、喪失感が来る。

大丈夫と言っても大丈夫ではないのだろう。

「ーー。しょうがないわね。今夜は付き合ってあげるわ。どうせ泣くんでしょうから。」

「うっ・・・。」

図星。


「では私はこれで失礼しますよ。」

「え? ここで待ってるんじゃないの?」

「あぁ、葵君は当分帰って来ないでしょうから。この場所に帰って来るわけでもありません。 ちゃんと無事に送り届けてからって言ってましたからね。着きましたー、じゃあねー、では戻って来ませんよ。」

「そうなの。」

じゃあ、と玄関に足を向ける正堂に、菜奈子が呼びとめる。

「あのっ。」

「はい?」

「あの・・・、もう、会うこと・・出来ないんですよね? あーいえっ、別に、その・・、ごめんなさい。 未練がましいですよね。。」

そう、彼が、天宮と言う人がいれば、また会えるかもというのは気づく事だった。

「ーー。 申し訳ない。気持ちは分かります。でもそれは、あまり好ましくない事です。 それに、お互いに元気で幸せにと約束したのですから、その信頼に応えて守ってあげなくては。ね?」

「ー・・・はい。 すみません。」

「いえいえ、いいんですよ。そういう事は口に出したほうが良いのです。溜め込んでおくよりずっと。 では。」

正堂はそう言ってお暇しようとするが、その前に。


「あぁ、そうそう。 我が親友も大概、お人好しなんですよ?」

と言い添えて、今度こそ立ち去った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 月日が経って、桜の咲く頃。

異世界のある地にて、菜奈子の声と共に桜の花が舞い、黄色い花をつけた菜の花が4人の下に届いたという。


” 桜、皆に見せたかったの。お花見したかったんだぁ。花びらが舞うとね、とっても綺麗なんだよ。離れていても一緒に観てくれると嬉しいな。 あ。因みに黄色い花はね、前に話した私の名前で、菜の花だよ。  私、元気だからねっ。  エディさん、ウナさん、クロートさん、アッサム君。   私ね、皆のこと・・ だーい好きっ ですっ! ”




        ≪ おわり ≫




読んで下さってありがとうございました。

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他の作品も良ければ読んで頂けると幸いです。

よろしくお願いいたします。


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