プロローグ2
そう、本当、なら
異世界転生ものの中には転生者は必ずしも善人として登場する訳ではない
神を僭称する何者かの尖兵として、使い捨ての駒にされることもあるのだ
『そんなことしませんよ〜』
他にも転生して得たチート能力を使ってやりたい放題する転生者を倒す話もあるがこちらは自分の行動次第だと思う
しかし過去の転生者がやりたい放題したせいで転生者自体がその世界では疎まれているケースもある。そんな世界に送り込まれるだけで詰んでしまう
『ご褒美でそんなところには送りませんよ〜』
そもそもそのご褒美って言うのが胡散臭い。子供一人庇って死んだくらいでそんな破格な待遇があるはずない
『疑り深いですね〜』
何より神様が緩すぎる。人当たり良さそうにしてるけど実はなにか企んでるって方が説得力があるくらいだ
『疑り深い上になかなか失礼なこと言いますね〜』
じゃあ何も企んではいないと?下心は無いと???
『う〜ん、全く無いと言えば嘘になりますね〜』
ほらぁ!!
『でも貴方になにかして貰おうとかそういうのでは無いんですよ〜』
???どういうこと???
『貴方が転生してくれるだけで目的は達していることになりますね〜』
????????????
『あまり詳しく説明してもアレだと思うので簡単に説明すると貴方に転生して貰う世界は他の世界に比べて未成熟なんです。特に魂が足りてなくて自力で魂を循環する事も出来ないんです』
宗教学は詳しくないけど輪廻転生的なやつかな?
『そこで既に成熟している世界から魂を持ってきて総量を増やし、いずれ自力で循環できるようにしたいのですよ』
だから向こうの世界に私の魂を連れていった時点で目的は果たすことになるのか
『そういうことです〜』
でもなんで私?
『せっかく送るなら善人の魂の方がいいですから〜』
いやいやいやいや。さっきから問答して分かってると思うけど私疑り深い上にめんどくさい性格よ?とても善人とは呼べないよ?
『それは後付けの性格ですから〜。咄嗟に幼い子を自身の犠牲を省みず助けられる人は悪人とは呼べません〜』
うーーーん。なんか納得出来ない
『ひねくれてますね〜』
・・・私も大概失礼だけど神様も結構ズケズケ言うな・・・