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魔王となった勇者は運命に抗う  作者: 魔王勇者アストラル・サード
第1章 始まり編
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冒険者になる

ラッシュ王国に着いた俺はアリスたちに連れられ、ギルドに向かった。

 

「おぉ!ここがギルドか!」

「あまり、はしゃがないでくれますか?大声出すと周りの人に迷惑ですよ」

「だってだって!こんな大きなギルドは初めてだから····つい」

 

ギルドには行ったことがあるが、俺の村にあるギルドはこんなに大きくはなかった。 


「ここに来た目的を忘れないでください!」

「すいません····」

 

ここに来た目的は2つある。1つ目は冒険者登録のためだ。した方が良いとアリスたちに言われた。2つ目は黒龍の素材の売却をするためだ。金がなきゃ、宿に泊まることができないからな。 


「それじゃあ、とりあえず冒険者登録をしましょうか」 


そう言うとアリスたちが受付まで案内してくれた。

 

 まず最初に職業を聞かれた。


(職業かぁ、自分から「勇者です!」というのも恥ずかしいしなぁ)


とりあえず、「魔法使いです」と答えておいた。

 

 次に出身地を聞かれた。こっちは正直に答えたんだが····どうやらここからめちゃめちゃ遠いらしい。

 

 最後に指紋を冒険者プレートと呼ばれる板に読み込ませて終了らしいが、指紋認証しないと使えないらしい。


(めっちゃ便利だな〜)


受け取った冒険者プレートには職業と名前と「ルーキー」という文字が書かれていた。


「このルーキーっていうのは?」

「それは冒険者で1番下のランクです。ランクが上がったら教えますね」

「分かりました」


勇者がルーキーか、早くランクを上げよう。そうすれば少しはマシになる。

 

「これで終了です。他に何かありますか?」

「素材の売却をしたいんだけど?」

「分かりました。何を売却されるのですか?」

「これなんですけど····」

 

 そう言いながら、俺は黒龍を丸々一体分をアイテムボックスから出した。すると驚いた様子で、

 

「これは!?こ、黒龍ですか!?少々お待ちください。」 


 そう言うと、受付の人は奥の部屋に入っていった。

それからしばらくすると、鑑定士が来て、黒龍の死体をじっと見ていた。

 

「間違いない······これは黒龍だよ····」

 

その言葉を聞いて、周りの人が騒ぎ始めた。 


「マジかよ!」「あの小僧が!」「そんな馬鹿な!」


(おいおい、これは面倒なことになった····)

 

「あの~、ここだとギルドが騒がしくなってしまうので、奥の部屋にお入りください····」

「分かりました...」 


ため息を吐きながら、案内された部屋に入った。

 

「それで、黒龍の素材の値段は金貨80枚と銀貨100枚になりますが、よろしいですか?」 


 ちなみにこの世界では銅貨1000枚で銀貨1枚、銀貨1000枚で金貨1枚と同じ価値があるらしい。 


「ありがとうございました。またお願いします。」

 

 貰った金は冒険者プレートに吸い込まれポイントとして変換されるらしい。

現在のポイントは80,100,000ptと表示されている。

銅貨1枚で1ptだ。


「おめでとうございます!あなたはルーキーからゴールドランクに昇格しました!」

「え?」


説明を受けたが、獲得したptによってランクが上がるらしい。つまりは強くなくてもコツコツ頑張ればランクが上がるっていうことだな。


 部屋の外で待っていたアリスたちと合流した。

そして何か、報酬を独り占めしているようで心が苦しかったのでアリスたちに金貨10枚を冒険者プレートから出して、渡しておいた。

最初は断られたが、無理矢理押し付けた。何故か、みんなの俺を見る目が怖かった。

 

 今度は宿に案内してくれた。どうやら、アリスたちも泊まっている宿らしい。

金額は一泊銅貨5枚、食事は1食銅貨3枚と、とても安い。

そして、部屋がとてもきれいで、設備も最高だ。どうやら、ここはこの辺りでも高い宿らしく、びっくりした。

 気付くともう夜になっていた。アリスたちに別れを告げ、寝ることにした。


◇ ◇ ◇


「仁····仁よ······お前はまだ目覚めてはおらんのだな····」

 

俺に話しかけてくる、この声はいったい···· 


「お前は誰だ!」

「私は····魔族を統べるもの····魔王である」

 

魔王が俺に何の用があるというんだ···· 


「そして····仁····お前の父親でもあるのだ」

「ちょっと待て!俺の父親とはどういうことだ!」


そう問いかけるが魔王と名乗る者は遠ざかっていく。


「いずれ、分かるときが来る····」

「待て!」


◇ ◇ ◇


目を開けると、そこには宿の従業員と、アリスがいた。

 

「目が覚めましたか····」

「ああ····」

 

話を聞くと、俺は自分の部屋で魘されていたところに従業員がたまたま通りかかって、アリスたちに伝えてくれたらしいのだ。

 

「心配をかけたようですまない。でも、もう大丈夫だ」

 

そうして、仁は冒険者になって初めての朝を迎えたのであった。

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