第1話「勇者として覚醒して速攻に魔王倒したんですけど仲間殺されました」
そこは閉ざされた祠。
俺が今いるこの部屋は、先代の勇者が残したとされる、聖剣が鎮座している。
重々しい祠に祀られたそれは一目見るだけで、何か神々しいものだと予感をさせる。
「ほら、抜きなさいよ」
長耳の少女が俺の背中を押す。
俺が躊躇っているのをみて、後押しをしてくれたようだ。
俺は剣の柄を握りしめる。 触れた途端、力がみなぎってくるのを感じた。
こうして俺は、勇者レオンとして覚醒した。
聖剣を手にした後は順調に魔王までの道のりを歩み、魔王を倒した。
そして、俺が魔王になったのだ。
魔王討伐の報告をしに王国に俺は帰った。
しかし、門前払いされ、魔王討伐の暁に貰うはずだった、姫神との結婚は破断。俺は英雄から恐怖の対象へと認識が変わっていた。
なんでだよ... ...。俺は世界を救ったんだぞ? 少しくらい、感謝してくれたっていいじゃないか。
俺のパーティメンバーの男戦士、女神官、女魔法使いはそれぞれ、拷問にかけられ殺された。
食事に睡眠薬を混ぜられ、そのまま拘束されてあとは想像ができる通りの流れだ。
王国広場に仲間3人の生首が並んだ時、俺は思ったんだよ。
こんな国 滅べばいいって
続く