6 絡まれましたね
やっと解放されましたよ。
まったく、しつこい男は嫌われますよ。
部屋を出る時に「気が変わりましたらいつでも待ってます」とか言ってましたが永遠にありませんよ。
職業を聞かれた時も無いですと答えたら、職業だけでも付けましょうかと言ってきましたが……。
見られたら、私の職業が不要なのがばれてしまうじゃないですか!
それにカードに書き込むのに渡したら、ランクを上げられてしまうに決まってます。
あの人は、親切そうに見えますがで、何か油断のならない気配がするのです。
なんと言うか酷い言い方をすると詐欺師のような?
後で聞いたのですが、職業はギルドでは無くても神殿に行けば出来るそうです。
一般の方やエルナ達はこちらのようですね。
そうで無かったら、全ての方がギルドの冒険者にならないといけませんよね?
でも可能なら私も何か職業があると、その恩恵を受けられるのは大きいみたいです。
さて、いくらになったのでしょうね?
倒すのに苦労したのや滅多に出会えない魔物は止めておいて数の多いのだけにしましたが、学費の足しになると良いですね。
受付のお姉さんが私を見つけると、査定が終わったと言ってきました。
私を見る目が何かを訴えている感じなので、ラースさんに何か言われてそうですね。
どうでも良いので、もう早くここから去りたいです。
「査定の方なのですが大金貨3枚と金貨68枚と銀貨7枚と銅貨5枚になります」
お金の価値観なのですが。
銅貨10枚→銀貨1枚 銀貨10枚→金貨1枚 金貨100枚→大金貨1枚 大金貨100枚→オリハルコン硬貨となっているそうです。
そう考えると結構な金額になりましたね。
あの森で、ほぼ不眠不休で狩り続けた成果ですが、出して無い魔物を出すといくら増えるのでしょうか?
あと、魔石が有れば状態と大きさと純度に応じて高く買い取ってくれるそうですが……。
魔石は、私が触れると何故か消えてしまうのですよね?
武器で触れてもダメですし、魔法を使って体に触れずに苦労して収納にしまったはずなのに探ると何故か消滅している現象が……。
錬金魔術とか武器の素材に混ぜてみたかったのですが、どうしても手に入れることが出来なかったのです。
一般的には魔石は魔術触媒としてかなり需要があるみたいなので、多分ですが私の場合は最優先でマナか何かに変換されているのではないかと推測しています。
貨幣価値は知りませんが、これで当分は大丈夫かと思っていたら、変な人達が……。
「譲ちゃんよ、そんな大金どうしたんだ?」
「子供にそんな物は不要だから、俺達に渡しな」
「素直に渡せば痛い思いをしなくてもいいんだぜ? 」
何でしょうこの人達は?
知らない人が突然、私のような小娘から、お金を巻き上げようとしています。
嫌ですね……関わり合いたくないので、さっさと帰りましょうと思って収納にしまったら、意味不明なことを言ってます。
「お前、収納持ちか丁度良い俺たちの荷物持ちにしてやるよ」
「よく見れば中々の上玉じゃねーか」
「しっかりと面倒もみてやるぜ?」
……何を言っているのでしょうか?
丁度良いとか、頭にカビでも生えているのでしょうか?
何となく、私の心の中で、このゴミを始末しょうと囁いています。
私には、感覚的に害意のある者は魔物と変わらない認識があるのですよね?
ちょっとうっとおしいので、狩っても良いのかな?
ここでは、ダメですよね。
「済みませんが関わりたくないので、私は帰らせてもらいますね」
取り敢えず平和的に答えたつもりだったのですが。
「なんだと! 優しく言ってやっているのに俺達のいうことが聞けないのか!」
「ちょっと躾が必要みたいだな」
ふむふむ、良く分かりませんが世間では、あれが優しく言っているのでしょうか?
さて、どうしましょうか?
他の方達は見て見ぬ振りをしてます。
あっ、先ほど戦ったミシェルさんは笑ってますね。
相手の者達を「馬鹿な奴らだ」と言ってますが、どうなるのか楽しんでるみたいですね。
正直に言って、私は敵意がある者は魔物と変わらないと思うのですが、一応ですが相手は人間なので、仕方ないから受付のお姉さんに聞いて見ますか。
「お姉さん、この人達を狩っても良いですか?」
お姉さんは困りながら、「出来れば殺傷沙汰は控えて欲しいのですが……」とか言っています。
「もしかして、俺達に勝てると思っているのか?」
「これはしっかりと教育をしてやらんといけないな」
そう言って剣を抜きましたよ?
これは脅しと呼ばれる物ですよね?
鑑定してみましたら、レベルは私と変わりませんが能力がショボいので全く脅威を感じません。
正直に言うと雑魚です。
さくっと首を刎ねて黙らせたいのですが殺すと、不味そうなので手足でも落としますか。
この人達なら、私の真似事の剣術でも余裕ですね。
構えて向かって来ましたが、魔物より動きが遅いです。
あっさり躱して、剣を構えてる腕を3人とも落としてやりましたよ。
勿論、血が飛び散らない様に切り口はしっかりと焼き切って上げました。
初めて使いましたが中々使える剣ですね。
ちなみにこんな感じですが
名称:オーラブレイド
登録者:シノア
効果:使用者の魔術を通せる 登録された者以外使用不可能 所有者の認めた者以外に災いを与える
状態:正常
森で一番強かった魔物とミスリルゴーレムの素材と私の血で作成したのですが、面白い剣になりましたよ。
火魔術を剣に通したのですが魔法が込めれるのが良いですね。
こういう物を魔剣と思います。
勝手に付いた名前だけど、ちょっとかっこいいし護身用に丁度いいです。
いい仕事をしましたよ。
しかし、登録者とか付きましたが、これはなんでしょうね?
しかも、災いとかありますがどうなるのでしょう?
ちょっとそこの転がっているゴミに持たせて試したいけど、ダメかな?
しかし、うるさいですね……。
何か「俺の腕が!」とか「痛てぇ――」とか喚いてますが、この世界には蘇生があるので、このぐらい治るでしょうが!
しかも仮にも冒険者とかしてるのですから、この程度日常茶飯事なのでは?
私も手足とか食いちぎられたことはありますが、転がって叫んでいるだけだったら、確実に次の攻撃で死に戻りしてしまいますからね。
不死身なのですが、死に戻りするとしばらくは体が動きませんから、即死とかだけは避けているのですよね。
おや?
他の皆さん驚いてますがどうしましょうか?
ミシェルさんは「剣も使えるじゃねぇか……」とか呟いています。
受付のお姉さんは、一瞬動揺しましたが、知らないふりをしています。
中々いい性格してると思います。
無視して、去ろうとしたら……。
「君、中々いい腕をしてるね、君を僕のパーティーに入れてあげるよ」とか言ってくる人が。何ですかこの人?
「済みませんが結構なので、通して下さいませんか?」
何か驚いていますが、驚くのは私です!
それにこの上から目線の言い方何なのですか?
この意味の分からない人を見て見ると……。
名称:ハインツ
種族:人間
年齢:25
職業:騎士
レベル:32
技能:中級剣術 中級槍術 中級護身術 初級物理耐性 中級体術 気配感知 威圧 異性魅力
固有能力:
そこそこの強さですが、感覚的に私の脅威ではありませんね。
「僕の誘いを断る女性がいるなんて信じられないよ、もしかして君は男の子かい?」
なんて失礼な人なのでしょう!
どう見ても私は可愛い美少女のはずなのに……もしかして、屋敷の人達が私に気を使って褒めてくれただけで、実は大したことはないのでしょうか?
エルナからは、女性の何たるかを懇々と説教をされているので、男の子では無いはずですが、ちょっと自分に自信を無くしそうです……。
「申し訳有りませんが、私はれっきとした女の子です。貴方は何なのですか? 失礼な人ですね」
「僕はこの通り顔も良いし、騎士としての実力もあるので、今まで断られたことはないのだよ」
「そうなのですか?」
「女性は皆喜んで、僕の誘いを受けるからね」
この人は痛い人ですね……自分を賛美してますよ?
技能に異性魅力なんて物がありますので、きっとこれでしょうね。
ただ、私は何も感じないのですが、きっと相手に少しでも気があると発動する能力ではないのでしょうか?
確かに作りのいい顔をしていますが、世の女性はこういう顔がきっと良いのですね。
そういった知識の無い私には何も魅力を感じません。
むしろ不快だし気持ち悪いです。
カイくんの方が可愛いと思いますね。
取り敢えず、私にとっては道端の石ころ程度です。
「どうでも良いので、遠慮しておきますので、どいてくれないと始末しますよ?」
「君のその自信は、その魔剣から来るのかな? 中々強力な剣と見たが」
この人の目は節穴決定です、ミシェルさんなどはめっちゃ笑ってます。
当てにはしていませんが、あの人は傍観してるだけで、楽しんでいますね。
同じようなことがあったら、絶対に見捨てましょう。
そうだ!
試しにこの人に渡したらどうなるかテストして見ましょう!
どんな災いなのかちょっと面白そうですので。
「それなら、どうぞ使ってみて下さい」
そう言って投げ渡しましたら、急に顔色が悪くなりましたよ?
「なんだ! この剣はマナが吸われるぞ! しかも、離せない!」
ふむふむ、どうも私が良いと思う人以外の人が持つとマナを吸い上げるのですか。
頑張って、離そうとしてますがダメなようですね。
あっ倒れましたよ。
見るからに衰弱してますね、手間が省けましたね。
「貴方にはこの剣を持つ資格が無かったようですね、お疲れ様です」
さっさと帰ろうとしたら、今度は連れ女性の方達が……このアホ騎士の取り巻きでしょうか?
「貴女、ハインツに何をしたの!」
えらい剣幕ですが見ていなかったのでしょうか?
「何もしていませんよ? 剣がどうのこうとうるさいから貸してあげただけですが?」
「その剣に何か細工をしたのでしょう!」
もう……勝手に絡んできて倒れただけなのにめんどくさいな。
一応は生きているので殺されるよりはましだと思うのですが、私の考えは間違っているのでしょうか?
仕方ありませんね、適当に説明でもしますか。
「この剣は持つ者を選びますし、悪意がある者には天罰を与えるのです。なので、その人は悪意を持って私に接してきたのですから、罰が下っただけです」
「そんなの嘘よ! 彼はとても良い人なのよ!」
えっ……この人が良い人なのですか?
最初の人達と大して変わらないような気がするのですが?
それならば。
「受付のおねーさん、ちょっとこの剣を持ってみて下さいよ」
「えっ! 私は剣とか使えませんし……万が一あのようになるのは怖いんですけど……」
なんか泣きそうですが、この人は良い人です。
小娘の私にもちゃんと丁寧に対応してくれましたので、私は認めます!
先ほどの3人組の時にスルーしたのは忘れますので、問題はありません。
てか、まだあの人達転がって叫んでいるんだけど、誰も助けないとか薄情な人達ですね。
まあ、多分これで、何も起きないはずです……多分……。
「大丈夫ですよ、お姉さんは良い人です! 自信を持ってください!」
そう言って、半泣きのお姉さんに無理やり握らせましたが、何も起こりません。良かった。
「ぐす、あ……これは、羽のように軽い剣ですね、私にも簡単に振れます」
良かったですね。
これで、他の皆さんにも良い人だと証明されましたので、きっと明日からは好印象を持たれますよ。
「そんなことは……ちょっと貸して!」
あっ、今度はどうなるのでしょう?
ちょっと期待感が。
「あっ――――――!」
あら、今度はいきなり気絶して、倒れてしまいましたよ?
しかも、失禁しています。
ちょっと私の剣に尿が付いたら嫌ですね……いい年して、お漏らしとかこの人は痴女ですか?
「もう一人の貴女も持ってみますか?」
何か人それぞれの様なので、面白くなってきました。
ぜひ持って欲しいのですが、全力で拒否してます。
つまらないですね……当然ですか。
「では、二人の後始末とお掃除はやって下さいね? 私はこれで失礼致しますので」
全力で頷いています。
最初の勢いはどこにいったのでしょう。
これで、ようやく解放してくれますよね?
次に止められたら足でも切って無視して行きましょう。
第一、私は被害者なのに……こんなか弱い少女が困っているのに誰も助けないなんて、やっぱりランクなど上げなくて正解でしたね。
私の中の冒険者の印象は一部を除き、ろくでもない人達と認識が確定されました。
次は武器屋に行ってみたいのですよね。
世の中にはどんな武器があるかぜひ調べておきたいのです。
ただ、その辺りのありふれた物は興味が無いので、この町一番の所に行ってみましょう。
道行く人に聞き込みしてみると、街外れにある偏屈なドワーフの方がやっているお店がここで一番良いらしいのですが、完成品は気に入った人にしか売らないし、店頭には失敗品らしき物しか置いてないらしく、やる気があるのか分からないお店だそうです。
私にとってはむしろその方が面白そうですね。
しばらく歩くと着きましたが……これはなんと言うか、ぼろい看板があるだけで、言われなければ営業しているのかも怪しいですよ?
気を取り直して、中に入ってみると……。
おおっ、中はそれらしく陳列されてますよ、外見とは大違いです。
「なんだ、わしに何か用か?」
お店の中は几帳面に整っているのに、やる気のなさそうなおっちゃんですね。
「ちょっと、お店の物が見たいのですが良いですか?」
おっちゃんはじっと見て「好きにしな」とだけ言ってくれました。
思ったのですが、このおっちゃんの方がさっきの変態騎士より強そうに感じますよ。
ちょっと鑑定してみたいのですが、このおっちゃんは私をずっと見ているのですよ……まさかいたいけな少女を襲うつもりなのでしょうか?
意識して、相手を見ないと見れないので、他のことに気を回してくれないかなーと考えつつ色々と触れてみることにしました。
結構そこそこの物もありますが、ミシェルさんが持っていた剣みたいなのもありますね、もしかしたらここで買ったのかな?
まあ、お陰様で剣以外の武器の情報も手に入りましたので、これで大体の物が作れますね。
特に槍系統は私に合う物を作って見たいと思っていましたので、助かります。
剣は接近戦の保険にして、なるべくなら槍とかで離れて突くとか弓に魔力の特化した矢で攻撃するとかの方が絶対に楽だと思います。
この体が痛みを感じなければ良いのですが、痛覚だけはまったく緩和されないのですよ。
マナを多く消費すれば、失った部位も再生出来るのに痛みだけそのままとか、ちょっと半端ですよね。
しかも、あれだけ痛い思いをしているのに耐性すら付きません。
治さないとずっと痛いので、実験をされていた時の方がましな欠点が出来てしまいましたが、手足の欠損ぐらいならもう慣れてしまいましたよ。
今では、叫ばないぐらいに耐えれますが、こんな事に慣れるなんて……。
出来るだけ痛い思いはしたくないので、卑怯とか言われても遠距離から瞬殺とかが望ましいですね。
「あちらのケースに入っているのは持ってみても良いですか?」
あの触れられないのはちょっと力を感じますので、ぜひ検証してみたいです。
「嬢ちゃんの剣をよく見せてくれたら、いいぜ? 変な呪いとかは、勘弁してくれよ」
なんと!
もしかして、見ただけでこの剣が分かるのでしょうか?
もしかしたら、ずっとこちらを見ていたのはこの剣だったのですね、失礼な事を考えてごめんなさい。
「もしかして、これがどういった物か分かるのですか?」
「余り見ない物だし、何となく、その剣が嬢ちゃんと繋がっている気がするんだよな……」
ぼろですが伊達に武器屋とか経営していませんね。
「昔、その手の武器で呪われた奴とかいるのだが、一応本人に許可が取れれば問題無いのもあったのでな」
なるほど、あれに触らせてもらえるのでしたら、おっけいですね。
「では、多分大丈夫なのでどうぞ」
「では、ちょっと見せてもらうな……ほぉ? これは中々の剣だな。滅多に見ないが、嬢ちゃんはこれをどこで手に入れたんだい?」
自作ですが拾ったとでも言いましょうか?
「この手の武器を作れる者は限られてくるんだが」
ふむふむ、これが中々の剣と言うことは、このおっちゃんはもっと凄い武器とか知ってそうですね。ぜひお話がしたいです。
さて、どこまで話しましょうか?
私が作ったと言っても信用してもらえるかですね?
「わしはこれでも口は堅いので、決して口外はせんと約束するぞ、どうしてもダメなら諦めるが」
うーん、話してみると中々良い人ですね、私の感覚が信用出来ると言っています。
取り敢えず正直に話して信じる信じないはあちらに任せましょう。
おっちゃんに私が魔術で作ったと話したら、驚きはしましたが信じてくれたのです。
なので、私には魔法で武器が作れる技能があるとを教えたら、おっちゃんはえらい興奮をして色々と語ってくれましたよ。
その技能は最上級種族のエルダー・ドワーフが使えたみたいです。
遥か昔に神か魔王の側近に居たらしいのですが、いまは居ないらしいです。
古の戦争で、神や魔王すらも倒す神剣や魔剣の類を作り出せたらしいのですが、危険な存在なので根絶やしにされたそうです。
まあ、そんな危険な物を作れるのなら、いつ寝首を掻かれるか分かりませんからね。
ちょっと、私の死亡率が高まったかも知れませんね……死なないけど、嫌すぎます。
ついでにおっちゃんの能力を見ると。
名称:ギム
種族:ドワーフ・スミス
年齢:187歳
職業:上級鍛冶師
レベル:115
技能:中級槌術 上級斧術 上級火魔術 上級土魔術 中級錬金魔術 上級火耐性 上級武器作成 上級防具作成 上級裁縫 中級体術 痛覚遮断 気配感知 アイテム鑑定
固有能力:収納
おっちゃん……その辺の冒険者より強いよ!
痛覚遮断の技能があります!
欲しいです、奪えないかな……。
思わずラースさんに匹敵するとか呟いてしまったので、私が鑑定持ちなのもばれてしまいました。
あのクソエルフには気を付けた方が良いと忠告されましたが、そこはしっかりと同意しておきました。
昔、一緒にパーティーとか組んでいたみたいですが、結構騙されたので詐欺師の技能があるに違いないと言ってますよ。
確かそんな技能は無かったのですが、そうなると元々の才能とか恐ろしいですね。絶対に信用しない様にしましょう。
ケースの中の武器に触れてみたのですが、私のレベルが足りないのかまったく情報が流れてこないのです。
ちょっと良いくらいのは理解出来たのですが、おっちゃんの自信作などはまったく分かりません。
作れなくても良いから、情報だけでも欲しかったです。
私ががっかりしてたら、「どうしたんだ?」と聞かれたので、つい「この剣の詳細が読めない」と口走ってしまったのです。
さらに私の武器の鑑定能力がばれて、どこまで詳細にわかるのか問い詰められてしまったので、触れると持った武器の詳細が理解出来ると言ったら、またもや驚いていました。
おっちゃんの技能では、名前と多少の効果ぐらいしか分からないそうなのです。
材料から製作方法までわかる技能など聞いたことがないそうですが、多分この武器創製の技能を持っていた人達も隠していたのかな?
おっちゃんはとっても乗り気で私の技能を上げようとか言ってますが……実は結構作ったりしてるのですがまったく中級にならないのですよね。
それに、私は3日後にはエルナと一緒に王都の学園に行くので、余り時間が無いと伝えると……。
おっちゃんは「わしも付いて行くぞ」と言います。
まさか学生になるつもりじゃ……どう見ても無理があります
私が失礼なことを考えていると、どうもアリオスおじいさんとは昔よくパーティーを組んでいて、たまに一緒に飲んでるから、今回の護衛として付いて行けば問題ないみたいです。
今でもたまに酒代がなくなると魔物を狩って稼いでいるそうなので、この辺りの魔物など敵ではないそうです。
このおっちゃんのレベルなら、森の奥の強敵も倒せそうですね。
結構な数の商品が並んでいるのだから売れれば問題無いと思うのですが、良い物は気に入った人にしか売らずに失敗品だけ適当に売っているらしいので、あんまり売れないそうですが当たり前です!
どうしょうか悩んでいると、私は50年振りの新しい発見なので、自分には無理でも私に最高の武器を作らせてみたいそうなのです。
もうずっと自分の限界に行き詰って、酒を飲むぐらいしか生きがいが無くなっていたそうです。
おっちゃんは良い人なので、私としては素晴らしい申し出なのですが、お店はどうするのかと聞くと、おじいさんに店番を回してもらうとか言ってますが……ここに回される人は貧乏くじなのでは?
まあ、本人が良いのでしたら、私には問題はありません。
ついでに私の防具を作って欲しいと依頼しましたら、出発までに今出来る最高の防具を作ってくれると約束してくれました。
なるべく怪我をしたくないので、肌が出なくて硬くて軽いのと無理そうな注文も付けておきました。
いまの防具も良いのですが、実はあれ、結構マナを自然に使っているのです。
ずっと着ているとマナの回復率が半分ぐらいになるんですよね。
検証したので、回復に時間が掛かるのだけは間違いありません。
おっちゃんは「わしに任せろ!」と言って、用意して3日後に屋敷に行くと言って奥に行ってしまいました。
私の採寸とかしていないのですがいいのでしょうか?
まあ、もう呼んでも反応が無いので、もう少し散策してから、戻りましょう。