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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
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63 姉妹の再会

  

 ますは落ち着いて、状況を整理して改めてアルカードを紹介する事にしたのです。当然ですが、みんなからは批判されまくりました。首を刎ねられたセリスは特に気にする事無く受け入れてくれましたが、私が生き返らせたので、黙ってはいますけれどエルナの私の見る追求の目が厳しいです。

 セリスは私の言葉なら、どんな言葉でも従うとの事ですが、戦いなのだから当然の事と言って、一番理解があります。

 シズクはゲームでもそういう設定はあるので、問題無いとの事です。

 カミラは悪魔という事で警戒しまくりです。エルナがサテラを殺したと言っているので、マナを回復をしてから、復活させました。当たり前のように、今度は私にどうして生き返る事が出来るのかを、セリスの件についても説明するように責められています……帰ったら、素直に話すか聞かない代わりに全力の抱擁とかいう体罰の二択を必ず選ぶように言われました……。

 キャロは怯えているだけですが、サテラはなんだか不機嫌です。


「シノアちゃん! どうしてこんな奴と契約などするのですか!」


「だって、お姉ちゃんにも何人か付いているらしいよ? それにこんなに強いんだから、仲間なってくれたら頼もしいではないですか?」


「こいつは悪魔なんですよ! 人間を堕落させて魂を奪うのを目的としている種族なのですから、関わってはいけません!」


「で、でも、絶対の忠誠を誓うと言ってるし、私の知っている知識では悪魔にとって契約は絶対にして不可侵の約束と書物に書いてあったと思ったから……そうですよね?」


「その通りでございます。シノア様のご命令でしたら、どんな事にも従います。それと、一つ訂正しておきますが、堕落させて魂を奪うなんて事は、新米悪魔がやっている事です。私のように長く存在している者は、その程度の魂など欲しいとは思ってはいません」


「ほら! 新米の奴らはやっていると言っているんだから、こいつだって昔はやっていたんだよ! 何年生きているか知らないけど、それだけ……ちょっと、お前どのくらい存在してるんだよ?」


「シノア様に聞かれたわけでもないのに、人形の貴女に答える義務は御座いません」


「ちょっと、こいつムカつくんですけど! シノアちゃん! 私の言う事を聞くように命じて下さい! それと人形呼ばわりされるのは、面白くないです!」


「アルカード、サテラの事を人形扱いは止めて下さい。それを言ったら私も大して変わらないので、ちょっと切なくなります。サテラの事は先輩としての待遇をしてあげてはどうでしょうか? 復活して、遊ぶ事に熱意を注いでいますので、面白いかと思いますよ?」


「ふむ、シノア様がそう仰られるのでしたら、そのようにさせていただきます。確かに私にこれだけ文句を言ってくるのは珍しい存在なので面白いかも知れませんね。では、先ほどの質問なのですがこの世界の始まりからいます」


「はぁ!? お前もしかして……何で、そんな奴がこんな所で門番なんてしているんだよ! シノアちゃん、こいつやばいよ!」


「ふむふむ、始まりからいるとか、すごい長生きですね。それではこの世界の歴史も全て知っているのですか?」


「知っていますが、詰まらない事には興味が無かったので、強そうな者と戦っていました」


「では、この世界の覇権を争っている神達の事も知っているのですよね?」


「神とは、この世界を創造なされた女神様しかいませんが……もしかして、女神様の雑用をしていたあの小間使い達の事でしょうか?」


 神候補から、小間使い扱いが来ましたよ!

 歴史を知っている者に話を聞くと、どんどん扱いが悪くなっていきますね!


「雑用係なのですか?」


「はい、ただの雑用をこなす者達でした。女神様が必要に応じて力を与えて管理職にしていたのですが、力を分配しすぎた為にその者達が反乱を起こして、創造主の女神様を追い落としてしまったのです。仮にも女神様の一部から作られた者達なので、ある程度の力さえ集めれば、取って代わる事が可能となるのでしょうな」


「では、その女神様はどうなったのかわかりますか? この世界を見捨てたみたいな事になっていますが?」


「ふむ……確かに敗北したのですが、殆どの力を失って、まだこの世界のどこかに存在しているはずです。創造主様を殺してしまっては、この世界が維持出来ませんので生きているはずなのですが、それは私にもわかりかねます」


 ふむふむ、そうすると力を失った女神様はどこかに封印とかされているのかも知れませんね。

 もし、見つける事が出来たら面白そうな気がします。

 力を分配しすぎで弱体化して、反乱されるとかアホですね。

 どうせ仕事を全て丸投げして、我が儘でも言いまくって、自分はさぼってばかりいたのですから、部下の者達の怒りでも爆発して、追い落とされたに違いありません。

 しかし、色々と知っているので、カミラに聞くよりこっちの方が楽ですね!


「では……」


「アルカードさん、ちょっと待って下さい。それ以上はシノアに古い知識を与えないで下さい」


 せっかく私の辞書とも言える人材が出来たのに、カミラが物言いをつけてきます。


「私は主の質問に答えているだけですが、それは何故なのですか?」


「私は、シノアのもう一つの人格の方にその手の事はきつく任されているのです。それ以上の行動をすると、人格が入れ替わった時に貴方の存在が消去される可能性がありますよ? 先ほどシノアを殺す事はしなかったのは、その存在の力を理解しているからですよね?」


「ふむ……それは困りますね。では、これからは、カミラ殿の許可を得てから話す事にします」


「そうしていただけると助かります」


 ちょっと!

 カミラのせいで、私の動く書物が封印されました!

 

「カミラに聞きたいのですがシノアのもう一つの人格とは、なんなのでしょうか? ちょっとお話がありますので、聞かせて下さいね?」


「それは……」


 カミラはエルナに腕を掴まれて向こうに連れて行かれました。そのまま上手くエルナに説明して下さいね。

 さっきみたいに質問攻めにされるのは勘弁して欲しいので、私に被害が及ばないようにお願いします。

 まあ、質問は不可能になってしまいましたが、強い味方が出来たので、良しとしましょう。


「知識は無理でも、一緒に戦ってくれたりするのですよね?」


「シノア様が望めば、立ち塞がるゴミなど全て始末致しますので、何なりとご命令して下さい」


 よし!

 これで、一気にダンジョンを突破して、学園も適当に何とかして、他の国に行けますよ!


「シノアちゃん! そんな事はダメですよ! お前もそんな事をして甘やかしたら、楽しめないぞ?」


「ふむ、何故ですか? それとお前呼ばわりは止めて下さいサテラ殿、私にはシノア様にいただいた素晴らしい名前がありますので、そちらでお呼び下さい」


「さっきまで、私を人形呼ばわりしていたのに……まあいいけど、いまのアルカードが力を貸したら、シノアちゃんが成長しないし、絶対に堕落してしまいます。この子はすぐに楽をする事を考えるし、何よりもその過程を見守っている方が面白いと思うんだけど、そう思わない? 私だって、今回はお前みたいな強敵がいると分かっていたから手伝っただけで、普段は我慢して見守りに徹しているのですよ?」


 嘘つき!

 遊びと自由を満喫したいから、自分達で頑張れとか言っていたのに、どの辺が見守っているのですか!


「ふむ、確かに貴女の存在は、マナさえあれば過剰戦力です。主の成長を見守る行動はした事がないので、面白いかも知れませんね」


「今回みたいに、シノアちゃん達だけでは手に余る時だけ手を貸した方が、私達の存在もしっかりとアピール出来るから良いと思わない?」


「ふむ……そう言われると貴女の考えは正しいと思えて来ます。流石は私の先輩になりますね……これからも色々と教えていただけると私としても助かります」


「そうだよ! 理解が早い優秀な後輩が出来て私も助かるね!」


 ああ……せっかく手に入れた私の最強のカードが早くも封印されてしまいました……ここで、反論すると暴君のサテラに何をされるかわかりませんので黙っていますが、取り敢えず強い味方が増えた事だけで満足しておきましょう。


「話が纏まったのでしたら、そろそろ次の部屋に行きたいのです。どこにも扉が無いのですが、どこにあるのですか?」


「シノア様、この先に扉はありません。私が管理を任されている部屋に、転移陣から行く事が出来ますが、そこに行きますか?」


「行きますが、そこにはどんな敵がいるのですか? 正直、アルカードと同じとか上の存在がいたら、もうお手上げなのですが? その場合は勿論手伝ってくれますよね?」


「その部屋には、天魔族の娘の魂が保管されているだけですから、障害は何もありません。私が倒されるか、ここに現れる者が望んだ時にだけ通すように命じられています」


「そこに姉さんがいるのですね! では早く行きましょ!」


「そういう事なので、頼めるかな?」


「畏まりました。ではこちらに」


 そう言うと足元に魔法陣が現れて、小部屋にいます。サテラの時と同じように綺麗な鏡があって中に人が眠っています。

 双子と聞いていましたが、サテラは綺麗なお姉さんなのに、こちらは可愛いお姉さんです。

 髪の色はサテラが銀髪なのにお姉さんは金髪です。圧倒的に違うのは胸の大きさです。

 サテラはあるかないかなのに、ステラさんは全ての養分が偏ったように大きいです……背後で、サテラが胸を見て、いつ見てもおかしいとか呟いています。

 一応、能力を見て見ると……。




 名称:ステラ


 種族:天魔族


 年齢:3921


 職業:ロイヤル・ガーディアン


 レベル:3282


 技能:上級槍術 最上級水魔術 光の支配者 中級樹木魔術 中級体術 中級物理耐性 最上級魔術耐性 中級魔術完全無効 気配感知 危険感知 痛覚遮断 気配遮断 並列思考 魔術並列起動 魔力索敵 魔力操作


 固有能力:英霊召喚 収納 神王クロノスの加護 神王クロノスの使徒

 


 はぁ!?

 レベルがサテラよりも、ぶっ飛んでいます!

 初めて見ましたが樹木魔術って、何?

 サテラはどうやってこんな強いお姉さんと相打ちにまで持ち込んだのでしょう?

 レベルの差って、本当にどうなっているのですか?

 カミラも見ているので、当然驚いています。


「レベルがすごいのですが……過去の使徒の人達はこれが普通だったのですか?」


「あー、いまの姉さんのレベルはきっと最後にいた奴らの力も全て吸収したんじやないのかな? 使徒同士なら、同意さえあれば力の移譲は可能なので、そのまま渡す事が出来ます。例え主が違っていてもね。奪ってやろうと思ったのに、核を貫く寸前に無くなっていたから、全部姉さんに移していたのですね」


「それにしてもよく戦う事が出来ましたね……レベルもそうですが、当時の使徒を4人も相手に1人で互角に渡り合えるなんて……」


「なんでそんな事を知っているのですか! 日記が無いと思っていましたが。シノアちゃん! 乙女の秘密を読みましたね! これは絶対に許されませんよ!」


「だって、サテラがくれた物に入っていたから。悪いとは思ったけど、あの時はこの世界の知識がまったく無かったから、仕方なく読んでしまったのですよ!」


「結構長い日記だったと思ったのですが、どれだけ読んだのですか?」


「最初の方と最後の方だけです……決して、幼なじみと胸の大きさがどうのこうのとか、ステラさんと比べていた事など知りませんよ!」


 気が付くと既に私のお腹に槍が突き刺さっています!

 めっちゃ痛いし、マナが吸われていく感覚がありますよ、これ!


「乙女の秘密を知るとは犯罪です! 刺しますよ?」


「もう刺してから言うのは止めて下さい! しかも、これマナを吸い取っているので、何だか立つのが辛くなって来ましたよ!」


「反省して、私の言う事はこれから全て『はい』と素直に頷く事を誓いなさい!」


 私が主なのに、主導権が全て握られてしまうではないですか!


「日記は返しますから、もう許して下さい! 心から反省はしますので、それだけは勘弁して下さい!」


「それは当然返してもらいますが全てと言うのは可哀想なので、私に対して素直になる事で許してあげます!」


 あんまり変わってないと思いますが、仕方ありません。

 私のお腹が刺されているのにどうして、誰も助けてくれないのですか?

 サテラが許してくれると、すかさずセリスが治してくれましたが、恐ろしい虐待をする英霊さんですよ!


「ぐす……誰も助けてくれないとか、ちょっと酷くありませんか?」


「シノア、人の日記を無断で読むのは許されないと思いますよ? それにセリスさんがいるので、そのぐらいでしたら問題無いと判断しました」


 これが問題無いのですか?

 エルナがまさかのジャッジをするとは、このパーティーは感覚が狂っているのかも知れません……シズクなんて、私の怪我よりも「大事な衣装に大きな穴が……」とか言っています。

 アルカードは、先輩のする事だから、問題は無いと判断して傍観に徹しています。使えない執事です!


「さあ、おふざけはこの辺にして、早く鏡に触れなさい!」


 まだ怒っているらしく、サテラが命令して来ますよ……私の主としての立場が……。

 私が鏡に触れるとステラさんが目を覚ましますが、何だか眠そうです……早くも頼りない印象が……。


「あ……おはようございます……もう起きないと思っていたのですが……あれ!? 可愛かった頃のサテラちゃんがいるよ!」


「ちょっと、姉さん……目覚めて最初の言葉がそれなのですか? 私はいつでも可愛いのに過去形で表現するのは止めて下さい!」


「だって……大きくなったサテラちゃんは、いつも説教ばかりするから。うちは、いつもあの頃は素直だったのに……と、怒られている時は、瞼を閉じて思い浮かべていたのですよ?」


「それは、姉さんがいつもだらしないからでしょ! しかも、お説教の最中にそんな事を考えていたとは、罰が必要ですね! 胸ばっかし無駄に大きくなるから、頭の栄養が足りないのですよ!」


「酷いです……うちだって、好きで大きくなったわけじゃないのに……こんなの戦いの邪魔だし肩が凝るから、サテラちゃんと換えて欲しいぐらいですよ……」


 はい、私の威厳回復は不可能になりました……どう見てもダメな姉と出来る妹です。

 ステラさんはお姉さんなのに、完全に主導権がサテラに握られています。


「まあ、今はそんな事より、このシノアちゃんが私達の魂を受け継ぐ事が可能なので、早くお願いしなさい」


「うちを起こした子ですね……すごく可愛いです……まるで昔のサテラちゃんみたいな子ですね……サテラちゃんが顕現しているのですから、この子はアバターが作れるのですね?」


「そうだから、早く取り込まれて、私の前に来なさい。私を倒した後の話をきっちりと聞かないといけません」


「話してもいいけど……絶対に怒らないと約束してくれますか?」


「もう過ぎた事なので、怒らないと約束します」


「じゃ……もう1つだけお願いを聞いてくれるのでしたら……シノアちゃんでしたよね? うちのお願いを聞いてくれますか?」


 何のお願いをされるのか知りませんが、取り敢えずおっけいしておけば、後で何とでもなります。後ろからサテラが早くしなさいと言いながら私のお尻を手加減無しでつねっているので、まじで痛いのです。


「どんなお願か知りませんが、私に可能な事でしたら、おっけいですよ?」


「本当ですね!……えへへ……それでしたら、私は喜んで貴女の心に住まわせて下さい!」


 あ……すごく見た事がある表情をしています……まるで、エルナが妄想している時の表情です。

 何となくですがエルナの同類の予感がします。どのレベルまで壊れている人なのでしょう……。


「ついでに姉さんの力を先にシノアちゃんに譲渡しておいてね。そのままだと消えてしまうから。シノアちゃん、以前に私が教えたように姉さんから受け取ってね」


 言われるままにステラさんから、力を貰ったのですが……使えないレベルが2800も増えました!

 そのまま私に使いたいのですが……最初にアルカードから知識を引き出しておけば、私に使えたかも知れませんが……カミラが余計な事を言わなければ……。

 その後は同じように鏡から出して、私に取り込んでから出してあげると、ロリ巨乳の少女がサテラに抱き着いています。


「またサテラちゃんと会えるなんて、うちは嬉しいですよ! 今度は同じ英霊ですから、二度と離れませんからね!」


「ちょっと、その駄肉を押し付けるのは止めて下さい! 若返ったんだから、もっと駄肉が減れば良かったのに。かなりムカつきます!」


「サテラちゃん、酷いよ! どうしたら、昔のようにしてくれるのですか!」


「その駄肉が私より減ったら、考えます」


「うちは、身体操作は出来ないから無理だよ! それにサテラちゃんより減らすのなら、あと半分は小さくならないとダメじゃないですか……」


 そんな小さい時から既に格差があるとは恐ろしいですね……サテラが日記にしつこく書いている気持ちが何となくわかります。


「もう姉さんは喋らないで下さい! 今ので、もっとムカつきました! 下らない事まで話してしまいそうなので、次に胸の話題に触れたら、握りつぶしますからね!」


「サテラちゃん、痛いです! 揉むのは構いませんがもっと優しくして下さい! いつも警告より先に既に行動しているのはおかしいと思います!」


 2人でじゃれ合って、姉妹の感動の再会を確かめ合っているみたいです。

 多分ですが、あんな事をして揉んでいるから、余計に大きくなったと推測します。

 カミラは、伝説の英雄がこんなのだったと再確認したのか、溜息をついています。失礼ですね……シズクは、いつも通りに服のサイズ確認する為にサテラと一緒に触りまくっています。


「あれがサテラちゃんのお姉さんのステラちゃんなのですか……すごく可愛い小動物みたいな子ですね……いまは、姉妹の再会をしているので、邪魔は致しませんが帰ったら、しっかりと確かめたいと思います……はぁ……」


 もう1人の同類が、新しい子を手籠めにしょうと考えているみたいです。

 エルナのステラさんを物欲しそうに見る目がちょっと怖いですよ……どうしたら、この歪んだ性癖を治す事が出来るのか誰かに相談したいのですが。私の周りにはどうして普通の人がいないのでしょうか?


「それで、シノア様。これからどうなされますか?」


 アルカードから、これからの事を聞かれましたが取り敢えずは、お屋敷に戻ってから、エレーンさんに報告すれば良いかな?


「まずは、お屋敷に戻りますので、転移します。アルカードもパーティーに入れれば一緒に移動出来ますよね?」


「それでしたら、私はシノア様の痕跡を辿って付いて行きますので問題はありません。シノア様とは契約で繋がっておりますので、お呼びいただければ直ぐに参上いたします」


 それは、なんと便利なのでしょうか!

 何かあったら、すぐに呼べば厄介事も押し付ける事が出来るかも知れません……私用に使ってはいけないとは言われていないので、他の事で使わせていただきます!


「それでは、そろそろお屋敷に戻りますが……キャロ、どうしたのですか? 何か顔が赤いし荒い息などして、大丈夫ですか? 心もすごく揺れているみたいなのですが……」


「申し訳ありません……シノア様にお仕えする身なのですが……その……アルカード様を見ていると私はどうしても心が抑えられないのです……はしたないとは十分に承知していますが、私の体の熱くなってくるのです……」


「おい! アルカード! 魅了の能力を押さえないと普通の人間はお前に魅了されてしまうぞ!」


「これは、申し訳ありませんでした。いますぐに止めておきますね」


「いま何かキャロが困る事をしていたのですか?」


「こいつの魅了の固有能力が原因で、キャロちゃんはアルカードに重傷なぐらいに惚れてしまっていたのですよ」


「そうなのですか……でも、私もそうですが、エルナやシズクは平気みたいでしたよ?」


「シノアちゃんは主だから掛からないけど、エルナちゃんとシズクちゃんは虜になっていてもおかしくないのですが……」


「私は、シノア以外は愛していませんので。失礼とは思いますが、アルカードさんは、シノアに仕える従者としか感じなかったですよ?」


「私もお姉様一筋なので。他には新しい衣装の事しか考えられないので、何も感じませんでした」


「それでも普通は年齢や性別に関わらずに効果があるのですが、精神力だけで無効に出来るのでしょうか?」


 同じく影響の無かったカミラが質問していますが、そんなの簡単ですよ。


「2人は歪んだ愛と趣味に対する熱意が強すぎるから、効果が無かったのですよ」


 この2人はある意味おかしいので、固有能力すら弾く事がきっと可能なんですよ。


「ちょっと、シノア! 歪んだ愛とは何ですか! 帰ったら、お仕置きをしますので、覚悟して下さいよ?」


「私の場合は熱意は間違っていないので、お姉様がそれを認めてくれるなんて、やっと私の趣味を理解してくれたとので、すごく嬉しいです!」


 つい思っている事を口にしたので、理不尽な罰と認めて欲しくない同類の眼差しを向けられています。

 一体、どんな罰を押し付けるか知りませんが、出来れば体罰である事を祈ります……礼儀作法の罰の方が地味に精神的にきついので嫌なんですよね。

 これ以上ここにいるとろくでも無い事が増えそうなので、さっさと戻る事にしました。私達が転移したら、アルカードが先に着いているのに気が付きました。最初からそこにいたように挨拶をしてくるのですが、どうなっているのですか?

 工房の私の部屋には何故かオリビアとカチュアが居ました。何か話でもしていたみたいですが、どうやってこの部屋に入ったのでしょうね?


「お帰りなさい、シノアさん。今日は戻らないと思っていたのですが。人が増えていますが、どちら様でしょうか?」


「私の新しい友達と優秀な執事さんを雇ってきました。それよりもこの部屋には入る事は出来ないはずなのですが、どうやって入ったのですか?」


「それでしたら、今朝作って頂いた指輪にシズクさんが出掛ける前に認証のキーを付与して、入れるようにしてくれました。ここは完全防音と聞いたので、誰にも聞かれないと思って、カチュアとお話をしていたのです」


「シズク……私に黙って、付与をしているのですか? まさかとは思いますがキーの付与を他に沢山していませんよね?」


「他にはしていません! オリビアお姉ちゃんには、私達しか入れない秘密の部屋の事を以前に話した事がありました。どうしてもお姉様と同じ秘密を持ちたいとお願いされたので、あの指輪が丁度それに耐えれる物でしたから、施したのです」


 収納にしまうのがめんどいから、ここには私の試作品があちこちに転がっているので、普通に持ち出されたりすると困る物があるんですよね。

 魔法を籠めた習得スクロールもある程度保管してあるから、魔法も外部に漏れるかも知れませんよ。

 もし、オリビアの指輪が盗まれたりしたら、どうするんですか?


「それは、オリビアの指輪を誰かが使えばここに入れるという事ですよね?」


「それは、大丈夫です! オリビアお姉ちゃんが付けていて、本人の意思で入りたいと思わない限りは開かないようにしています。もし他の人が開けようとすると、指輪に付与しておいたもう一つの呪いが発動するので、安心です!」


「はぁ……それなら良いのですが、呪いとは何ですか?」


「オリビアお姉ちゃん以外が身に付けて開けようとしたら、扉も開きませんが、全裸になって死ぬまで踊り続ける呪いが細工してあります。もし身に付けても、どうしても服を脱ぎたくなるように思考誘導されますので、犯人も見つけやすいですよ!」


「絶対に外したりはしませんが、これにはそんな呪いが付与されているのですか!? これは、絶対に他の者には触れさせてはいけませんね……」


 オリビアも驚いています。どうして、脱衣の呪いなのですか?


「それは酷い呪いですね……服を脱がせなくても、腹痛になるとか頭痛になるでも良いのではないですか?」


「以前にオリビアお姉ちゃんが痴女扱いされていたので、オリビアお姉ちゃんの物を盗んだら同じ罰が下ると面白いかと思って付与してみました」


 オリビアが忘れようとしていた黒歴史を思い出して、蹲ってしまいました……独り言で「私はまだそのイメージが強いのですね……」とか言っています。

 笑顔で、人の心の過去を抉るとは、中々シズクもやりますね……流石はあの拷問漫画の狂信者は伊達ではありません。


「試しに誰か付けて開けて見ませんか? ちょっと面白そうなので、効果を見てみたいのですが……カミラで良いから、付けてみて下さい」


「何を馬鹿な事を言っているのですか! それに私にはその効果は適用されないと思います」


「じゃ、付与したシズクで、試してみましょうか?」


「嫌です! 少しだけテストで試しましたが、付けると服を脱ぎたくなる衝動に駆られるので絶対に嫌です! お姉様と2人きりの時でしたら、構いませんが……死ぬ前に外してくれるのでしたら……」


「じゃ……カチュアにでも……」


「私ですか!? ……シノア様には制約も誓っておりますし、私は既に一度死んだ身なので、構いませんが……絶対に外部に知られないようにしてもらえるのでしたら……」


「シノアちゃん! 馬鹿な事を言い出すのは止めなさい! 次に女の子を辱める事を言い出したら、みんなの前で鞭でお仕置きしますからね!」


「ただの冗談ですよ! ちょっと面白いなーと思っただけですから、本気にしないで下さい」


「好奇心そのものの目で見ていたので信用できません。最初に出会った時は、純粋な良い子の印象だったのに、どうしてそんな性格になってしまったのですか? いまのシノアちゃんは面白いのですが、すごく性格が歪んでいますよ?」


 サテラから、お叱りがきました。いまでも素直でとても良い子なのに酷い言われようです。

 歪んでるとか、サテラが暴君なので、見る目がおかしいのですよ?

 ただ、ちょっとだけ楽がしたいとか人が堕落していくのが見たいとかとにかく面白そうな事に興味が行ってしまうのが止められないだけの普通の考えなのですから、残念なエルナや思考がおかしいシズクに比べたら、無害そのものだと思うのですか?

 それから、各自解散して、ステラさんとの親睦にと、落ち込んでいるオリビアを誘ってお風呂に来ているのですが、当たり前のようにアルカードが付いて来るから、また問題が発生しています。


「なんで、お前まで付いて来るんだよ? 男のお前は外で待っているのが常識だろ!」


 何も考えずに来ましたが、アルカードは男性の執事です。よく考えたら、初めて男性の仲間がギムさん以外に増えた事になります。

 サテラは相変わらずアルカードには厳しいですね。

 まあ、他の面々も当然との反応ですが、私は気にならないのですが?


「私はシノア様の従者ですから、当然かと思います。先ほど親睦会と仰ったので、私にも参加する権利があると思います。私には性別などありませんので、問題は無いかと思います」


「とにかく、男が一緒に入るとか世間ではありえないんだから、お前はそこで待っていればいいんだよ!」


「ふむ……シノア様からいただいた姿なのですが。要するに女性の姿なら問題無いのですね。では、これで良いですか?」


 すると、髪の長いカッコいいお兄さんの姿から、更に髪の長い黒髪の美女の姿になりました。どことなくサテラの元の姿に近くて、服装までメイドさんになっています。


「ふーん。じゃ、言葉遣いもそれらしくしろよ? しかし、どこかで見た事があるような……」


「この姿は英霊の時の貴女の姿を模した物です。先輩を見習うのは当然かと思いましたが、宜しいでしょうか? 私の知る限り理想的な体型と認識していますので、どこか変更した方が宜しければ、ご指摘くだされば直します」


「その姿が理想的なのか……お前は素晴らしい後輩だ! うんうん、すごく綺麗なスタイルなので、許可します! その姿の時は女性らしくアルカと呼ぶのはどうかな? シノアちゃんもそう思うでしょ?」


「良いのではないですか? 丁度使い分けれる名前みたいなので、その姿には似合っていると思いますよ」


「では、この姿の時は、アルカと名乗らせていただきます。口調と声色もそのように致します」


 サテラの姿を理想的とか言って、胸も同じぐらいにしています。

 人間を堕落させるとか言ってましたが、流石は悪魔です。

 よく状況をわかっているので、サテラの気に入る姿を持ち上げています。

 まあ、一番反対していたサテラさえ味方に付けてしまえば、誰も文句など言いませんよ……だけど、私の主としての威厳はどこに?

 仲良くお湯に浸かって、まったりするのは素晴らしいですね。

 湯船で泳いでいるシズクと体を絡ませてくるエルナさえ大人しくしてくれたら、静かに楽しめるのですが。

 アルカが私の体を洗いたいなどと言うと、エルナが訳のわからない主導権を言い出しました。上手く唆して、エルナのサポートに回るなどと言って一緒に洗ってくれるのですが、はっきり言って、さらにうざい状況になりました。

 まあ、今晩はまったりして、明日はエレーンさんに会いに行きますか。


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