52 お約束は?
取り敢えず目的の場所までは到着したので、お屋敷の転移のポイントにしてある工房の部屋に戻って来ましたが、まだお昼過ぎなんですよね。
しかし、サテラをどうやって紹介すれば良いのかな……。
分身体の子供バージョンで一緒に居るのですが、せっかく霊体以外で今の時代が見れるのなら、1枠欲しいと言われたので、戻る前に作りましたが……。
この状態だとマナが一切回復しないのですが、大きな魔法を使わない限りは消えないし、行動すると少しずつ減っていく程度らしいのです。
私に接触すれば、即回復するらしいのですが、どっちの状態でも私からマナの供給が無いとダメなのでは……いいんですけど、私って補給所ですか?
しかも、ちゃんと羽まで出せるとか羨ましいです。
シズクが触ったり包まったりと色々していました。色は黒なのですが、触り心地はすごく良いのですよね。
お姉さんのステラさんは白色らしいのです。羽の色は個人で違うらしいのですが、大人しい人は白色に近い色になって、好戦的な人は黒に近くなる傾向だそうです。
カミラは、ノアの翼の色は黒と言ってましたので私も黒だと思うけど、楽する事しか考えていない私は好戦的なのでしょうか?
きっと、ノアが生き物を排除対象としか思っていないから、黒なんでしょうねー。
取り敢えずレートさんとサラさんに紹介しておけば、この屋敷では自由なので設定をどうしょう……私が既に従妹の設定だから、姉妹とか無理ですよね。
シズクは戻ると工房の自分の部屋に籠ってしまったので、当分は出てこないだろうし、セリスは2人が倒していた魔物をこまめに回収していたから、ギルドに査定にいってしまいました。
よく考えたら、私とカミラだけ何もしていないような?
ただ道だけ教えたら、カミラに難癖を付けてからかいながら、歩いていただけという……まあ、いいか!
普段から、武器のメンテとか色々と雑用をやっているんだから、戦わなくても良い時は、サボっても許されるはずです!
「シノアちゃん、私もどこかに行きたいのだけど、まずはどうしたら良いのかな? 聞いた話だと、ここは貴族のお屋敷で、君はお嬢様の設定なんだよね?」
「まずは、サラさん達に紹介をしておけば問題は全てクリアされるんだけど、サテラをなんて紹介すればいいのか悩んでいます……」
「髪の色も容姿も近いから、生き別れた姉妹はどうですか? 私の方が何故か若干幼いし……胸が完全に無くなってしまったので……妹でいいよ……このツインテールが無かったら、弟でも通じるかもね……」
自分で言ってて悲しくなったのか、段々と声のトーンが落ちて行きます……確か同じ年代になっているから、僅かですが私が勝利したようですが、むなしいですね……。
でも、その設定をすると次にステラさんも同じ事を言ったら、段々と無理が出てきますよね?
どんな人なのか聞いたら、大人しくて騙されやすいので単独行動がさせられないとか言ってましたが、どっちが姉なのかわからないような?
しかし、こうと決めたら真面目に行動するらしいのですが、それでいつも失敗していたとか……なんかダメな人という印象しか受けないのですが?
「めんどいので、森で拾って来た事にします」
「じゃ、森の野生児として振る舞えばいいの?」
嫌とか言わないのは良いのですが、野生児とか何それ?
「私の例もあるので、普通にそのまま紹介しますから、素でいて下さい。後で何かあると面倒なので……」
「じゃ、普通にしますが、確か公爵様なのですよね? 一応は、宮廷作法がいまと同じなら、私の知っている作法でも大丈夫と思うけど?」
えっ……作法とかなに?
私は、普通に話していたけど……もしかしてダメなのかな?
「宮廷作法って何ですか? もしかして、貴族の方にもしないといけなかったのかな?」
「いまは、厳しくないんだね。当時は、不興を買ったりすると左遷とか死罪になる人もいたんだよ? 私に文句を付ける者は居なかったけど、最低限は身に付けないと部族の恥になるからね」
偉い人ぐらいの認識で良いのかなぐらいの接し方しかしてないけど、何も言われてないですよね?
「カミラに聞くけど、私って最初はどうだった?」
「……それに答えると私はどうなるのですか? 変な言い掛かりを付けられるのでしたら、何も知りません」
もう、不敬な事をしていたか田舎者丸出しの行動をしていたと言っているのと変わらない気がするのですが、その口から言わせたいですねー。
「言い掛かりなんて付けないから、偽りの無い正直な感想を言って欲しいかな?」
「本当に約束ですよ? 貴女は、最初はエルナ様の従妹とは思えない振る舞いを学園でしていたので、公爵家の御令嬢としては、はしたない行動をしていると思いました。言葉遣いも、エルナ様のように人前では相応しい対応をしないので、周りが困っていました。ですから、オリビアさんから、公爵家に相応しくないと、ある事ない事噂を広められていたのです」
「言いたい事はそれだけですか?」
「まだありますが……どうしたのですか?」
良いところが1つも無いどころか、はしたないとか言いたい放題です……しかも、まだあるみたいですよ!
正直すぎるのも罪ですね!
「うん、カミラの考えが良く理解出来たのでどうしたものかと……他には何ですか?」
「……もう、忘れましたので、私はちょっと用事を思い出したので、行きますね」
調子に乗ってペラペラと喋っていましたが、私の雰囲気に気付いて逃げようとしています。逃がすわけがありませんよ!
この間、漫画で得た新しい罰を試す時が来ました!
「クリエイト・ウォール!」
私は呪文を唱えて、カミラの体を半端に石で固めてあげました!
体が壁に埋まっているのですが、壁の前には上半身だけ出ていて、壁の後ろには下半身だけ出ています。
必死に抜け出そうとしていますが、腰回りが細くてお尻が大きいのですから、絶対に抜けませんよ!
おまけに胸までけしからんから、どう足掻いても脱出は不可能です!
そして、壁に注意書きを書き込んでこれで完成です。
「ちょっと! これは何ですか! 早く解除して下さい! 約束が違うではありませんか!」
「言いたい事を言ってくれた罰です! 私は言い掛かりは付けないとしか約束はしていませんので、罰は別です!」
そのままパンツとスカートだけ下ろしてこの部屋にしばらく放置しておきましょう。
「後ろで何をしているのですか! これでは、誰かが裏側を見たら、私のお尻が丸見えになってしまいますよ! 馬鹿な事は早く止めて下さい!」
「罰として、しばらくその体勢で反省して下さい。早く解放されたかったら、壁に注意書きを書いておきましたので、それを実行すれば解除される仕組みにしてあります。この部屋に来る人がいればですけどね」
工房の一番奥の使わない部屋で帰還の為の転移してくるだけの部屋なので、キャロがたまに掃除をしに来るだけです。
しかも、部屋の広さを殺して、空間を空けて壁を何枚も作って音を吸収する仕組みも施してあるので、防音の効果もあります。
実は、お仕置き部屋も兼ねているので、内部から出る事は出来るのですが、外からはマスターキーが組み込んである武器が無いと決して入れません。
鍵を持っているのは、私が作った武器を持っている事が条件なので、不本意な名称ですが黒の暴風のメンバーだけになります。
「まさか……私をここに置いて行くつもりですか? 勿論、冗談ですよね?」
「私が冗談を言った事がありますか? 後でエルナに教えておきます。きっと鬱憤が貯まっているので、カミラを可愛がってくれますよ……さぞかし叩きやすい体勢ですからね!」
「ちょっと、シノア! 本当に止めて下さい! エルナ様に叩かれたら、貴女のようにお尻が腫れあがってしまいます! もしかして……書いてある注意書きとは!」
いつかの事をよく覚えていますねー。
あれはとんでもない激痛地獄でしたから、カミラも仲良く私の痛みを知ると良いのですよ!
どうせエルナの八つ当たりを誰かが受けないといけないのですから、生贄になって下さい!
エルナの為に良い事をしました!
私って、頭が良いですねー。
「頑張って、エルナに優しくしてもらう方法でも考えていて下さい。では、後でねー」
「待ちなさい! こんな所に1人で置いて行かれたら……シノアの鬼畜! 悪魔! 覚えていなさいよ!」
また悪魔とか言ってます。どうやって私に仕返しするつもりか知りませんが無駄な事ですよ。
騒いでいるカミラを放置して、取り敢えずサラさんの所に行きましょう。
「あの子の事はあれで良いの? 君の大事な眷属なんでしょ?」
「カミラは大事な友達ですが、からかうのに最適なのですから問題有りません。いつもの事なので、もう諦めているはずです」
「見ている分には面白いんだけど、君の眷属になるのはちょっと避けたいね……流石にあれは理不尽過ぎる」
その内に私の眷属の枠に入れる事が出来たらサテラも入れたいと思っていたけど、悪い印象を与えてしまったみたいです。
サテラが眷属になったら、すごく楽が出来ると思うのです。今でも心強い味方が増えたのですが、マナの消費が痛いので出来れば眷属にしたいです。
レートさんかサラさんを探していたら、お付きの人がいたので、聞いてみたら、サラさんがお庭でお客さんと話をしているらしいです。
サラさんは、庭でお茶をしながら、オリビアと何か話をしています?
一体なんのお話をしているのでしょうか?
いつもの2人からは感じられないような感情を読み取れるのですが、気になりますね……。
「シノアさん、お戻りになったのですね。そちらの方はどなたなのでしょうか?」
オリビアが聞いて来ると、サテラが、ここに来る前に着替えた私服のドレスの裾を摘んで挨拶をしています!
私と違って、言葉遣いも先ほどまでの口調とは違い、化けているエルナより上品な言葉で自己紹介をしています。
森で、行方不明の姉を捜索中に私と出会って一緒に探す事になったので、共に行動していると説明しています。
サラさんに、その若さで1人で探索していた事を聞かれたので、武術はシズクより上と私が説明したので驚いていましたが、私達という良い例がいるので、あっさりと納得してくれました。
軽くお話しをした後に、サラさんが恒例の抱かせて欲しいとか言ってサテラを堪能していましたので、これで問題はないでしょう。
オリビアがサテラの着ているドレスの質問をした時は、両親から受け継いできた古い物と説明しましたが何か心当たりでもあるのかな?
後で、オリビアが私と話がしたいというので約束をしてから、エルナの所に向かいました。ちゃんと勉強しているのかな?
部屋の前まで来るとなんかドロドロとした空気が……。
ノックをしてから入ると、申し訳なさそうに教えているアイリ先生と嫌々に勉強をしているエルナがいます。
そして、背後には笑顔のリンさんがずっと見ていますが、何が楽しいのでしょうね?
「いま帰ったんだけど、調子はどうかな?」
「……苦痛です……シノアが私を見捨てるから、息が詰まる日々を過ごしています……」
はい、とっても不貞腐れています。
「そんな事を言われると……先生は悲しいのですが……」
「アイリ先生は、自分が助かる為に私を売ったのに、更に酷い仕打ちをしているのですから、裏切り者です……」
これは、重症ですね。
そもそも自業自得なのに、勉強を教えてくれる教師を裏切り者扱いですか……背後にリンさんがいるので、状況に逆らえないといったところですね。
取り敢えず、後ろの監視している人を何とかしないと話が出来ませんね。
「リンさんにお願いがあります。ちょっと休憩を兼ねてエルナとお話がしたいので、いつもの紅茶を入れて欲しいのですが。お願いできますか?」
リンさんは、紅茶とコーヒーには拘りがあるので、こう言えば必ず自分で用意した物を作って来てくれます。
私としては物足りないのですが、これを褒めておけば多少の融通が利くので便利なのですよね。
エルナは、もっと甘い方がいいとかケチを付けるので、逆に説教をされています。長い付き合いなのですから、煽てる事も覚えないとね!
「私の淹れた物をご所望されたからには、満足いただける物を用意して来ますね。エルナ様には、心が落ち着く物でも用意しますね」
これで、しばらくは監視する人が居なくなりましたよ。
リンさんが部屋から居なくなると椅子から立ち上がって、ベットに転がり始めました……学園のみんなに見せてあげたいですね。
「エルナさん……まだ途中なのですから、もう少し進めないと……」
「学園から真っすぐに帰ってずっと机に向かっていたので、もう体が痛いので眠りたいのです。既に4日も続けているのですから、そろそろ解放して下さい」
相手が公爵家のお嬢様なので、強く言えなくて、アイリ先生は困っていますね。
サラさんから、しっかりと教えるように言われているのですから、強く言えばいいのにね。
「アイリ先生、エルナの調子はどうなのですか?」
「一応、現在の授業の範囲には追い付いていますので、問題はないかと思います……元々ちゃんとやれば優秀なのですが……本来はBクラスにいるのがおかしいのですから……」
「それはどう言う事なのですか?」
「最初の学力テストをわざと何か所か回答せずに提出したので、どうしてもBクラスにしか出来なかったのです……その後すぐに実施した学年の模試は、10位でしたから……」
中間のクラスに居れば、そこそこ勉強をして緩く生活でも出来ると思っていたのでしょうね。
いまの会話も聞こえているのに聞こえないふりをして、ベットに埋もれていますよ。
仕方ないので、餌とお土産をあげてご機嫌を取っておきましょう。
「エルナが頑張っていると思って、お土産があるんだけど……きっとエルナは喜ぶと思うんだけどねー」
「お土産ですか? 私を見捨てたのですから、食べ物では納得しませんよ?」
向こうを見て枕に話しかけています。重症ですが、これなら絶対に喰い付いて来るはずです。
「紹介するね。新しく友達になったので、連れて来たサテラというんだ。エルナの好みの子だと思うんだけど、お話ししてくれないかな?」
私の背後に居たので、気付かなかったみたいですが、やっとこっちを向きましたね。
「初めまして、私の名前はサテラと申します。良かったら、仲良くしてくれると嬉しいです!」
サテラを見ると一気に雰囲気が変わりましたね。
可愛い子が御馳走な残念なお嬢様には、幼く見えるサテラは抱きたいと思っているはずです!
先ほど、サラさんが名残惜しそうに堪能していたので、好みのはずです。
「とても可愛い子ですね! 私はエルナと申します! シノアのお友達でしたら、私にとっても大事な友達ですので、仲良くしましょうね!」
「まずは仲良くなる為にも抱擁を交わした方が良いと思うので、エルナの好きにすると良いよ」
「良いのですか? 私はシノアの事を疑っていましたが、やっぱり私の事を一番わかってくれていますね! そういう事でしたら、全て水に流します!」
ちょっとサテラが驚いているというか引いています。
私にだけ聞こえるように小声で何か聞いて来ますが?
「ねえ? さっきの奥様もそうなんだけど、この子もすごく危ない子だね……戦時中の使徒とは違った身の危険を感じるんだけど……」
「さっきみたいに素直に抱かれてあげて下さい。サラさんとは親子なんだけど、この子は重症なだけですよ」
「別にいいんだけど、お土産が私というのがちょっとね……」
そのまま嬉しそうに抱き着いて堪能しています。いつ見ても私には理解が出来ないのですが、何が楽しいのでしょうね?
今晩、お風呂でまた色々とすると思いますが、いつ見ても将来が心配になって来ます。
その後、リンさん達も交えて軽くお話しをしましたが、何か忘れているような?
リンさんは仕事が残っているので退出しましたが、アイリ先生もそろそろ食堂の方に行くと思っているのに何故か残っています?
「そろそろアイリ先生は、騎士団の人達の食堂に行かないのですか? なんか人気者になっているとか言ってましたよね?」
「そうなのですが、呪いの解除をして欲しいのです……テストの結果が出るまではダメなのでしょうか? もうワインが飲めなくて悲しいのです……」
「頭痛になるだけだから、耐えて飲んでいるかと思ってましたよ?」
「鐘が……飲むと頭の中で、鐘を定期的に突かれている音が鳴り響くのです……最初の日に一杯だけ飲んだら、朝まで頭が痛くて眠れませんでした……以前のお腹の痛みよりはましなのですが、拷問ですよ……」
やっぱり飲んでいましたか。
どうなるかわかっているのに、一度は痛い目に遭わないと本当にわからない人ですよね。
頭痛のイメージが浮かばなかったのでシズクに聞いたら、二日酔いになると頭に鐘が鳴り響くとおじさんが言っていたということなので、酔いが覚めるまで鐘の音が鳴るようにしただけなんですよね。
殴られたり斬られたりとかの痛みはわかるけど、頭痛になった事が実は無いのです。
酔えるように調整をして失敗した時に、吐き気とか気持ち悪くなるのは、体験しましたけどね!
「明日のテストが早く掲示板に貼り出されれば、そこで結果がわかるから、それまではダメという約束でしたよね?」
「そこを何とか今日までにして下さい! 目の前にあるのに飲めないのは酷すぎます! 解除してくれるのでしたら、何でもしますから、お願いします!」
必殺技の土下座をしながら、私を拝み倒しています。大人としての威厳は、どこにいったのでしょう?
こないだ私も土下座をしましたが、こんな屈辱的な事は二度としたくありません!
アイリ先生は毎回必ず実行しますが、小娘の私にしているのですから、もっと屈辱的なはずなのに、ある意味素晴らしい人です。
「シノアちゃん、この先生に誓約魔術でも掛けたのですか?」
サテラも誓約魔術が使えるので、理解しているという事は、正しい使い方を知っているのでしょうね。
「私に勉強という酷い仕打ちをするアイリ先生の誓約魔術を解く必要はありません。申請可能なギリギリの結果を出して見せますので、当分の間は禁酒でもして下さい」
心が荒んでいるので、いつもなら許してあげればとか言うのに、優しさが消えてしまいましたね。
しかし、勉強が酷い仕打ちとか言っていますが、何の為に学園に通っているのでしょうね?
私の記憶が確かでしたら、貴族の若い子達との繋がりも作る為とか聞いたような……。
「エルナはこう言っていますが、どうしましょうね?」
「わ……私は、シノアさんに言われた通りにエルナさんに勉強を教えていただけなのですよ! エルナさんには、お土産があるのに私には何も無いのですか……ちゃんと言われた事をしているのに酷いです! まだ我慢しないといけないなんて……うぅ……」
なんか言いながら泣いてしまいましたよ……からかう分には面白いのですが、2人の前で泣かれるのは、追い打ちが出来ないので困りますね。
いつもなら、ここで甘い条件で誑かして、さらに追い込んで行くのですが、サテラの視線がちょっと痛いから出来ません!
エルナもまさか泣いてしまうとは思っていなかったらしく、困っています。
「アイリ先生、泣かないで下さい。私もちょっと言い過ぎましたので、明日のテストは真面目に受けると約束します。シノア、私からもお願いしますので、禁酒の誓約を解除してあげて下さい」
非難される前に話しかけようとしたら、先にエルナに言われてしまったので、私だけが悪者みたいになっています。
「シノアちゃん、状況がよくわからないんだけど、解除してあげたら?」
サテラからも、追撃の言葉が……仕方ありませんね。
「仕方ありませんので、今回はもう解除しますが、次からは誤魔化したりしてはいけませんよ?」
泣いているアイリ先生の額に手を当てて解除してあげると……。
「ありがとうございます! これで、今日の晩御飯から、飲む事が出来ます! 早速キャロさんに頼んで、貯蔵庫に行きたいのですが行っても良いですか!」
「ええっ……構いませんが食堂の仕事は良いのですか?」
先ほどまで、悲壮感が漂って泣き崩れていたとは思えない変わり身です。
エルナとサテラも余りの変化に驚いていますが、段々と許して貰う為の行動が上手くなって来ましたね。
これ、絶対に演技が入っていたとしか思えないのですが……まあ、どうせすぐに何かしでかすのですから、すぐにまた罰ゲームをする事になります。
教師なのに反省という事を知らないから、楽しい人です。
「つい嬉しかったので、済みません! それでは、仕事に行ってきますね! ポイントは貯まっているので何にしょうかな!」
飲む努力だけはしっかりとこなしているようです。呆れてきますね。
キャロにこまめに報告をしているので、真面目なキャロはちゃんと記録でもしていると思います。
どちらにしても、私かキャロしか貯蔵庫の扉が開けれないように扉の代わりに鉱石の壁にしてあるので、私が作った鍵を嵌め込んでから、土魔術が使えないと開けれません。
以前にアイリ先生が隠れて入り浸っていたので、普通の扉は無くしたのです。
最初に見つけた時にきついお仕置きをしてあげたのですが、それでもしばらくしてまた入ろうとして、仕掛けておいた罠に引っかかって、扉に手が吸い込まれて手首まで埋まって泣いていた所をキャロに見つかって。更にお仕置きをした時は笑えましたよ。
転移部屋の隣なのですから、あの通路に用事があるのは、私達だけとお酒を持って来る業者の人しか行きません。
掃除と業者の方の案内をしているキャロが一番通りますが、一応、地下室なので、1人で行くには結構不気味な場所なのです。キャロは平気で掃除とかしてくるので、結構精神面が強いです。
その後に食事をしてたら、エルナからカミラが居ない事を聞かれたので、転移部屋でお仕置き中と教えてあげました。
実は、すっかり忘れていたので、今頃は暗闇の中で、怯えてお漏らしとかしてるかも知れません。
戻った時は私のマナに反応してしばらくは部屋が発光しているのですが、私が居なくなると真っ暗になってしまいます。
入り口の宝玉にマナを流すと明るくなりますが、今のカミラは入り口にお尻丸出しで動けないから、当然マナを宝玉に流す事は不可能です。
何をしたのか聞かれましたが、そこには触れずに、エルナのストレス発散の為に用意したから、後で迎えに行ってあげてと言っておきました。
私から鍵となる大剣を受け取ると、厨房で軽い食事をもらって行ってしまいました。後から、一応監視の為に部屋に仕込んである魔法陣から情報を読み取って、どうしていたか確認しないとね!
あの拷問漫画を参考にした物を用意しておいたので、カミラには申し訳ないんだけど、使ってくれると面白そうなのです。エルナはそこまでしないと思うけど、反応が楽しみですね。




