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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
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4 町に行ってみましょう

 あれから、エルナ(お嬢様と呼んだら叱られたので)に道中に色々と聞かせてもらいました。

 世間的な一般常識も面白かったのですが、もっと気になったのはこの世界には国の数だけ神とか魔王が存在するとの事です。

 なので、戦争などをするとその国の象徴を倒す事が必要なようです。

 この国にも魔狼王と呼ばれた魔王が居たそうですが、エルナ達の国の女神に滅ぼされて、国は併合されたそうです。死ぬ寸前に戦場であったあの森に呪いか何かを残したらしく、当時の配下の魔物が発生する様になったそうです。

 食事に関しては、こんな美味しい物があるなんて私は初めて知りましたよ!

 昔は、最低限の栄養しか無い不味いスープと硬くて不味いパンしか食べたことしか無かったし、この体になってからはマナ補給の為に泉の水と果実と焼いただけの魔物だけでしたから。

 料理って、素晴らしいですね。

 確かエルナの技能に料理人があったから、私も何としても手に入れたいです。

 後は休憩の時にエルナがくれたお菓子のクッキーなど最高です!

 私は完全に餌付けされたペット同然になってしまいそうです!

 エルナに報酬はお菓子で良いと言ったら、「私と一緒にいてくれたら、いつでも作ってあげますよ?」と、言われたので二つ返事でおっけいしてしまいました。

 アレンさんは「知らないと思って、騙されているぞ」と言いわれましたが、取り敢えず目的も無いので、気にしない事にしました。

 カイ君も「またお姉様が……」と呟いていましたが、まあ、聞かなかった事に。


 それから暗くなってきたので、野営することになりました。野営出来そうな所で魔物除けの宝珠と呼ばれる道具を発動させてましたね。

 普段から使っていれば良いのでは? と思ったのですが、設置型である程度のマナを供給しなくてはいけないそうです。

 いつもは魔術師の方がするのですが、今回はお亡くなりになっていたので、エルナが頑張っていたそうです。

 教えてくれれば私がやったのに。

 食事の後に寝ましょうかと言われた時に「お風呂に入らないのですか? 」と聞いたら、「入りたいけど、ここでは無理ですよ」と言われたので、私が作りました。

 この体になってからは唯一の楽しみは入浴だけでしたからね。

 泉に浸かっているとマナも回復が早いし何か気持ちよかったのですが飲み水にしてたので、自作していました。

 土魔術で適度な穴を掘って、錬金魔術で周りを固めて、水魔術で適当に水を張ったら、火魔術で弱目の『ファイヤー・ボール』を投げ込めば、お風呂の完成です。

 最初は穴掘って、水入れれば良いと思っていましたが水は泥と混ざるし、しばらくすると減っていくし、火力調節をせずに普通に『フレイム・ランス』とか撃ち込んだら一度死にそうになりました。(多分死んだと思います)

 色々と苦労したお蔭で、そこそこ納得のいく物が出来たのです。

 終わった後は、土魔術で蓋をすれば後始末もおっけいですが、落とし穴が完成したとも言えます。

 勿論忘れていて、自分で落ちた事があるのは、秘密です。

 皆さんは、とても驚いていましたね。

 エルナは「貴女を絶対に手放さないわ!」と言ってましたが、きっとお風呂が好きなのですね。

 そして、いざ入ろうとして、さっさと服を脱いだら……凄く叱られました。

 エルナから、「女性が殿方の前で、素肌を晒すなともってのほかです!」と。仕方ないので、お風呂の周りを『ストーン・ウォール』で囲いましたよ。

 その後、一緒に入りましたが女性のなんたるかを懇々と聞かされました……性別とか初めて理解しましたが面倒ですね。

 まあ、とても喜んでいるので、良しとしましょう。

 他の方達も交代で入って、「久しぶりに疲れが取れたよ」などと感謝されましたがやはりお風呂は大事ですね。

 そろそろ寝ようかと(私は不要なのですが)思っていたら、アレンさん達が武器の手入れなどをしてました。正直、ボロボロでしたね。

 なので、「ちょっと私に貸してもらえますか? 」と言って受け取ると剣の情報が分かります。

 私の切れる棒と大違いでしたが



 名称:バスタード・ソード


 効果:なし


 状態:破損率80%



 これは折れる寸前と言う事なのでしょうか?

 でも私の技能の武器創製を使えば作り替えることが可能な様です。

 なので、アレンさんに「ちょっとこの剣を直しても良いですか?」と言ったら。

 半信半疑で、「可能なのか!」と驚いていますが、ちょっとやってみる事にしました。

 自分の持っている剣はまったく知識無しで作ったので、ただ切れるだけなんですが、この剣に触れて初めて剣とはどのような物か理解出来ました。

 ちょっと質量が足りないので、私の収納にある魔物の素材を混ぜて作ってみましたがこんな感じに。


 

 名称:ビースト・キラー


 効果:獣に対して威力上昇


 状態:正常



 足りなかった質量分をさっきのマンティコアの牙を足してみたのですが、別の剣になってしまいました。

 まあ、折れるよりましなので良いかなと考えていると

 アレンさんは、新品になったと喜んでいましたが、武器の鑑定とかしたらばれますよね?

 他の方の武器も色々と素材を変えて作り直したら、全て別の剣になってしまいました。新品になったのだから良いよね。

 皆さんは凄く喜んでいましたが、執事のロイさんはこの技能は秘密にしておいた方が良いと言ってます。

 魔法の力だけで、武器が直せるなんて聞いた事が無いそうです。

 おおっぴらに広まると悪用されるかも知れないので、口外しない方が良いと。

 本当は、直したんじゃなくて、新たに作ったんですけどね。

 しかし、これで初級なのですから、上級とかになったら、どんな武器が作れるのでしょうか?

 ちょっとこの技能を上げる方法が分かりましたら、強い武器とか作ってみたいですね。

 そもそも何でこの技能があるのかも不思議です。

 私の元の種族の分からない、あと一つに関係しているのかな?


 あれから、何回か魔物に襲われましたが、この辺りの魔物なら私には敵ではありませんので、それほど苦戦する事もなく順調です。

 森の奥に行くとあり得ない強さの魔物がいるので、今の私でもあっさりと殺されてしまうけどね!

 町に近付くほど魔物が弱くなるので、正直に言いますと私の護衛など要らないのではと思います。でも、この娘からは色々と今の情勢も聞けるので、まあ良いかな。

 エルナの知らない事でも、執事のロイさんが答えてくれるのでとても助かります。

 ついでに 魔龍王ヴァルザードという魔王はまだ健在なのか聞きますと、3700年前に神王クロノスに滅ぼされて既に居ないそうです。

 その当時に最も恐れられたのがサテラとステラと呼ばれる双子の使徒で、この国も戦う事を避けていたらしいです。

 神王クロノスの方はと聞いたら、魔龍王との戦いで戦力を失い過ぎて魔淵王ディープシーに敗北した、と伝えられているので、もう居ないらしいですね。

 私の中に居るんですけどーとは言えませんね。彼女は戦場では悪魔と言われていたけど、本来は優しい方で、当時は孤児を集めて養っていたと伝えられています。

 姉のステラの方も同時期に姿を消してしまったので、この二人が居なくなってしまったことが勝敗の命運を分けたと言われるそうです。

 神王と魔龍王が同盟を結んでいた時は、次はこちらの国が滅ぼされるとまで言われましたが、サテラの日記が正しければ、真実は神王が裏切っただけなんですけどね。

 一つ気になる事と言えば、泉に私の分身を3体残したままでした。

 一応、湖に入っているから、誰かに見られても水浴びでもしていると見える筈です。

 気付いた時にはもう町が見えてるし、このまま町の中にも入りたいので、また今度で良いかな。

 その後は順調に街に到着しましたが、領主の娘なのにちゃんと順番待ちをするなんて、この子は良い子です。

 順番になると門番の人が声を掛けてきましたね。


「お嬢様、おかえりなさいませ!」


「お爺様はお元気ですか?」


「最近は魔物が活発なので、心配をなさっていました」


「途中から、頼もしいお友達が出来たので安心出来ましたよ」


 いつの間にかお友達になっています。

 なりたいと思っていましたので、助かりますね。


「私たちの命の恩人でもありますので、失礼の無いように取り計らって下さいね」


「初めまして、シノアと申します」


「この娘さんがですか?」


 どう見ても小娘ですからね。

 様子を見ていたアレンさんが近付いて来て。


「おう、言っておくが俺達よりずっと強いから、見た目で判断すると痛い目を見るぞ」


 他の皆さんも私を称えてくれるので、これはこれで悪くは無いですね。


「アレンさん達がそう言われるのであれば間違いないでしょうね」


 あら、あっさりと認めましたよね?

 普通でしたら、こんな小娘がですか? とか言いそうなんですが。

 後から聞いたのですがアレンさんはこの街の騎士隊長でもあるし、決して嘘とか吐かないそうです。(私の良心がちょっと痛いです)

 その後、目的の家に着きましたが……はぁ――凄い豪邸ですよ。

 私はすごく場違いな所に来てしまった気がします。

 ちょっと遠慮して逃げようとしたら、エルナがしっかりと手を掴んでますので、諦めて連れ回されています。

 取り敢えず、着替えましょうと、着せ替え人形となっています。

 ここでまたもやお叱りが……下着とか着けてなかったので、またもや懇々と……。

 だって、実験体の時は、ぼろ一枚着てただけだし、生まれ変わった時なんて、全裸だよ?

 一応、裸はまずいとしか思ってなかったですから。

 サテラのが有ったけど、面積が小さいから意味が無いと思って、収納から出していません。

 下は可愛らしいのを頂きましたが、上は私のサイズの物など有りませんでした。

 エルナは「早急に作らせる」とか言ってます。

 私が「動きの邪魔になるからいいよ」と言ったら、またもやお説教の時間です。

 何でも「女性が女性らしさを忘れてはならない」と母親からきつく言われているそうなので、妥協は一切許さないそうです。

 まあ、邪魔になったら、こっそり外して収納に入れておけば良いかな。

 早くこの着せ替えに納得してくれて、美味しい料理とケーキと言われるお菓子を食べてみたいです。

 食べ物に釣られて、来たのが正直本音なので。


 やっと解放されました!

 私は黒のゴシックドレスと言う服装になりました。

 エルナが「貴女の銀髪が良く映える」と言ってましたが、この長いスカートは歩きにくいので、戦闘になったら邪魔ではないのでしょうか?

 町中で襲われるとは思いませんが、メイドさんなども「可愛い」とか言っているので、まあ良いかな。

 そして、お楽しみのご飯の時間ですよ。

 ちょっと、心変わりしましたが、私の目的の8割は美味しい物を食べる為なのですからね。

 とっても良い匂いがしますね。

 着替えを我慢したかいがありましたよ、席に着いてさっそくと思ったら、皆さん何かお祈りをしています。

 これは真似した方が良いのかと思っていたら、エルナがちょっと待ってねと囁いてきましたのでふりだけしました。

 後で聞いたら、お屋敷での食事の時はこの国の女神様に感謝を捧げてからとの事ですが、普段はエルナも無視しているそうです。

 その後にようやく食べれましたが、美味しい物って素晴らしいですね。

 あの時の選択は間違いでは無かったと私は実感しています。

 エルナが私を紹介しながら、道中でのことを語っていましたが、何か脚色されまくっているような。

 大筋では間違っていないので、いざとなっても誤魔化しは可能と考えながら、どんどん食べまくりました。

 皆さん、私のこの小柄な体にどうやって入れているのか不思議に思ったようでしたが、ぶっちゃけ少々のマナに変換されているだけなので、いくらでも食べれます。

 味覚だけは普通にあるので、いくら食べても平気なのは、ある意味で人を辞めて良かったと思っている私が居ますね。

 そして、食後に出されたこのケーキと呼ばれるお菓子は最高です!

 おや?

 何となく料理の事が理解出来ます。

 なんと、料理人の技能が増えています!

 しかも、今まで食べた物のレシピがある程度わかる様になりました。

 これはもしかしたら、食事など食べまくれば育つ技能なのでしょうか?

 取り敢えず私の中では、お風呂より食事の優先度が上になりましたよ。

 この技能が増えたのは素晴らしいことです!

 私の数少ない願望が叶ったと思って喜んでおきましょう!


 しばらくするとおじいさんが私とお話しがしたいと言ってきましたが、何でしょうか。

 優しそうな感じのする方なのですが、目は何かを見通すような鋭い眼差しなんですよね。

 最初の紹介で見つめられた時は、まるで私の全てを見られている感覚がしたのが気になりました。

 エルナが「私のシノアに何かしたら、例え御爺様でも絶対に許しません!」とか言ってましたが。

 私は、いつからエルナの物になってしまったのでしょうか?

 まあ、しばらくは変な事にならなければ、私は気にしません。

 1つだけ困るのが私を抱き枕にするのは止めて欲しいのです。

 いざという時に即反応が出来ないのですよ。

 それから、おじいさんに連れられて書斎に来たのですが。 

 開口一番の言葉が。


「お嬢さんは何者かね? 人ではないようだが」


 はい?

 何でばれたのでしょうか?

 これはちょっと食べ過ぎたのでしょうか?

 考えて見れば私の摂取量は異常だったでしょうか?

 私が返答に困っていると


「見た目は人となっているので、こんな種族は初めて見たのでな」


 ちょっと、この人は、私の鑑定が出来たのですか?

 もしかして、あの見られている感じの時の感覚がそうなのかも?

 ちょっと迷いましたが正直に聞く事にしました。


「おじいさんは鑑定持ちなのですか? 私にはおじいさんの能力が見えなかったのですが?」


「ふむ、お嬢さんも鑑定持ちだったな、これで見えるのではないかな?」


 そう言っておじいさんは指輪を外すと見れたけど……。



 名称:アリオス・バレンタイン


 種族:人間


 年齢:78


 職業:ロイヤル・ナイト


 レベル:102


 技能:最上級剣術 上級槍術 上級風魔術 上級物理耐性  中級魔術耐性 上級体術 初級魔術無効 鑑定 見切り 邪気感知 急所感知 気配感知 魔力感知 危険感知 威圧


 固有能力:大地の女神アストレイアの加護 



 まじですか……これ私より強いですよ!

 サテラさんは過去の英雄らしいので、納得しましたが……。

 レベル102とか、確か女神様は鍛錬した者でレベル30ぐらいとか言っていたのに3倍以上ですよ。

 女神様は嘘つきです!

 こんな事でしたら、最低でもレベル100になるまで森に籠っていれば良かったのかも。

 しかも、女神アストレイアの加護とは、この国の女神様なのでしょうか?

 はっきり言って、戦ったら絶対に勝てないです。

 いくら私が不死身でも、運が良ければ逃げ切るか相手のマナ切れまで耐えるかしか出来なさそうです。そもそもマナ切れで動けなくなるのは私だけと思うし。

 マナが切れたら、そのまま倒れてしまうので、回復とかしたいけど魔物じゃあるまいし、隙なんてないから、ポーションなんて飲めるわけがないですね。

 ちょっと強くなって、何があっても私は何とかなるなんて思っていた私を叱って上げたい所ですよ。


「それで、私をどうしたいのですか?」


 怖いけど聞いて見ました。

 さよなら……まだ見ぬ料理達よ……。


「お前さんには邪気などもないし、どうもせんよ。これはただの好奇心じゃよ、お前さんのような存在は初めて見たからな」


 この見た目は人とかが一番いけないんだと思います。

 女神様は何を考えて付けたんでしょうね?


「それにもう歳なので、お前さんが見えている能力ほどの力は無いよ」


 どうしましょう、素直に話をしてしまっても良いのでしょうか?


「お前さんにも事情があるだろうから、無理はしないよ。孫娘も気に入っているようじゃしな」


「一つ、いえ、二つだけ教えて下さい」


「わしの答えられる範囲なら」


「一つはその指輪は何でしょうか? もう一つは、先ほど私のような存在は初めてと言いましたよね?」


「この指輪は虚像の指輪と言って、己を欺くもしくは見えないようにする指輪だ。ある所に潜入する時に女神様から頂いた物だ」


「女神様ですか?」


「昔、女神様と関わりが有ったので、使徒については知っているつもりだったのだが、お嬢さんの主が分からないので、気になったのだよ」


 これは、ほとんど正解を言われているも同然なのではないでしょうか?

 どうしましょう?

 別に自分の正体を明かしてはならないとか言われていませんし、もしかしたらおじいさんに聞けば、私の正体が分かるのではないでしょうか。

 それに何となくですがこの人は良い人です。

 私にはよく分からないのですが、善意とか悪意とかが意識すると分かるのですよね。


「今からお話しする事は、決して他人に言わないと約束してくれますか?」


「ならば、わしの騎士の誇りにかけて約束するし、誓約魔術で誓ってもよいぞ?」


「いえ、そこまでして頂かなくても。私にはおじいさんの言葉に嘘は無いと何となくわかるので」


 誓約魔術とかもあるんですね。

 確かサテラにもありましたが、約束などを守らせる魔術のようですね。

 神や魔王が普通に降臨しているのですから、気を付けないとやばいですね。

 それこそ、私が下手に誓約などしょうものなら、永遠に拘束とか悪夢です。

 ここは、すぱっと話してすっきりさせてしまいましょう。

 自分の事がわかった方が後々にきっといいはずです。

 それから、私は最初の施設に居た頃から、死にそうになった所を通りすがりの女神様に助けてもらって、いまに至るまでを正直話してしまいました。

 サテラさんの事は内緒です。

 私の心のどこかで、誰かに聞いてもらいたかったのがきっと本当の所なんでしょうね。

 おじいさんは何やら涙ぐんで、私に励ましの言葉をかけてくれるのですが?

 今のお話に感動する内容が有ったのでしょうか?

 施設から逃亡して、失敗したけど運よく助かったのに、人を辞めたという内容なんですが?

 これは私の感性がおかしいのでしょうか?

 女神様にもおかしいとか言われてましたので、多分そうなんでしょう。

 感情などは知識としてはあるのですが、どうしても実感出来ないのですよね。

 私としては、体一つで森に放置されていた事など、かなりのネタでは無いかと思うのですが。

 それから、いくつか分かる事だけ教えてもらいました。


 神や魔王は自分の力を分け与えた強力な眷属を従えているそうです。

 与えれる力は限られているので、複数作り出せばそれなりの強者を作れますが少数にすれば少ない分だけ個の強さが増すそうです。

 サテラは元々が強かったのですがさらにレベルを700ほどもらっていて、恐れられていたと言う事はそれだけ沢山の力だったと言う事になりますね。

 もう何千年以上も覇権をかけて争っているそうです。

 この世界を去った創造神様が、最後に勝ち残った者にこの世界の全権を委ねると言ったのが始まりらしいのですが、なんて迷惑な神様なのでしょうか。

 そして、この使徒同士で戦って、勝つとその者の力を取り込めるそうです。

 これは、私も負けたりするとまたもや終了の可能性が出てきましたね。

 取り込まれる前に主が滅びたりすると使徒としての力を全て失ってしまうので、取り込まれたりはしなくなるそうです。

 あれ?

 確か魔龍王は滅ぼされたと伝えられているのにサテラさんは本体こそ失っていましたが力は持ったままでした。

 これはまだ魔龍王が生存している可能性が出てきましたよ。

 私の女神様は、干渉は出来ないと言っていたので、力を失う事はありませんが、同種の人に出会ったら……忘れましょう。

 でも、おじいさんが言うには、使徒は力を与えられているので成長はしないとのことです。

 そうなると私は、それほど強くは無いし成長もしますので、どうなのでしょう? 

 成長をするなら、体も成長したいです

 なので、おじいさんは私のレベルが低い事を不思議に思ったのだそうです。

 どうも(+700)には、気付かなかったみたいです?

 サテラさんは見えたのですが、これは人によって見える範囲に違いがあるのでしょうか?

 いくら使徒が強くても数に限りがあるので。

 ゴーレムなどの魔術兵器とか精霊を利用したり、人間や亜人などをかけ合わせたりするなどの非合法も当たり前だそうです。

 他にも融合魔術などで、魔物と融合させたり精霊と融合させたりとかしているそうです。

 中には異世界より召喚をして、呼び出した者に枷を掛けて色々としている国もあるそうです。

 呼び出した者の中には強力な者やまったく未知の知識を持つ者がいるので、可能なら召喚しているそうなのですが呼ばれた方はすごく迷惑な話ですよね。

 この国は自ら強く鍛錬する者に力を与えるに留めているそうです。

 他の国よりも多くの使徒が作り出せるので、命の実験などは禁止しているそうです。

 昔、おじいさんが現役の頃に娘を魔道兵器とやらの実験にされた事があって、その機関を殲滅してしまったそうです。

 制御不能になってしまった娘まで自分で処理してしまった為に、そのまま現役を退いて、領地に隠居しているそうです。

 気の毒にと思う一方で、私は他に何も感じないのは感性がおかしいのかも知れません。

 悲しいとか可哀想などの感情がまったく沸いてこないのですが、不幸なお話しだとは理解は出来ます。

 なので、私の居た所の組織もどこかの国の機関だと思いますが、そうなるとあそこにはまだ他に沢山の子供とかいるのかも知れませんね。

 場所に関しては、どうも私はまったく違う場所で目覚めたようです。この国ではないと思うし、あの森はほぼ平地で、あのような崖は見当たりませんでしたので。

 まあ、最後に見た私の先生はレベル3桁だったはずなので、当分会いたくはありません。

 名前や技能などの詳細は覚えていないのか思い出せないのですが、現状では確実に勝てないし進化した素材が手に入ると考えるでしょうね。

 取り敢えず私は死んだ事になっていて、生きているとは思っていないだろうと思うので、当分は安泰かな?

 エルナ達と話していてわかったのですが、私のいた環境って、かなり酷い扱いですよね。

 まあ、いつか私が受けたことをそっくり返してあげたいとは思ってます。

 おじいさんにレベル3桁の人はどのくらい居るのか聞いてみたら、そんなのは長い年月を生きる者か使徒ぐらいしか居ないそうです。

 なので、私のお礼参りは当分……いえ遥か先になりそうです。



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