23 名前が……
あれから、2人は私の無理難題な鍛錬を何だかんだ言いながら頑張ってしまいましたよ!
いくら安全面はサポートしているとは言え、スパルタも良い所でしたのにねー。
普通なら、やってられないと音を上げて諦める筈なのに。
シズクの時は、喜々として突撃していくバトルマニアなので、面白かったのですが。
2人の場合は必死でしたからね。
エルナは、どうしても私と一緒に居たいみたいなのですが、何がそこまでさせるのでしょうか?
カミラも理由は分からないのですが、ここに居たみ見たいなのです。
少し複雑な感情を感じるので、知りたい所なのですが……。
エルナはレベル32になったのは良いのですが、魔法戦士なのに魔法を使わないので、ちょっと他にどんな職業があるか調べてみたら……。
ベルセルクという職業が有ったので変更したら、地味に強くなってしまいました!
私が知っている知識だと、正直……脳筋ですよね?
今では、この娘は大剣で斬り込んでいって力押しで倒しまくっています。
職業の恩恵なのか力がやたらと強くなったので、重い物でも普通に持てるし振り回せています。
シズクとは、まったく逆のタイプになりましたが……最初に会った頃のお嬢様はどこに?
あの細い腕にどれだけ力があるか知りませんが、たまに夜中に抱きしめられ過ぎて、酷い目に遭ってます。
今では、一度抱きつかれたら、抜け出すとか私には不可能になってしまいました。
なので、最近は抱きついて寝るのは禁止させてもらっています。
初めは納得しませんでしたが、朝起きた時に折られた腕を見せたらしぶしぶ納得しました。でも、気が付くと抱きつかれているんですよね。
最近は、怒らせると、とんでもないことになるので、違う意味で脅威度が上がってしまいました。
カミラは、サラさんが手を回して、学園を卒業するまではうちで預かりたいと話を持ち掛けたので、一緒に住んでいます。
セイルーン子爵は、最初は何かにつけて断ろうとしていたらしいのですが……サラさんに勝てる訳がありませんよね。
きっと、しっかりと裏から手を回したに違いありません!
ダンジョンに行く関係からも同じ所に居る方が望ましいので私は良いのですが、どうも他にも何かありそうですね。
エルナとサラさんは何か知っていそうなのですが、本人から話が無い以上は聞けません。でも、気になりますね。
初めてのダンジョンから戻った時も自分の屋敷には戻らずそのままでしたからね。
荷物とかあるのでは? と、思ったのですが、自分の収納にあるだけが全てと聞いた時に何となく理解しましたので、詮索は止めておきました。
あの時は、私が渡した矢が半分以上占めていた筈なので、私物がそれだけとか……。
もし困っていることが有ったら、可能な限り力になろうと思いました。
レベルの方は30になったので、職業もスナイパーが有ったので変更致しました。
私にはあまり分からないのですが、何かしら恩恵もあるようです。
3人で寝ているので、疲れて倒れ込んでいる間にカミラをエルナの近くに転がしてしまえば、立派な生贄になってくれます。たまに私の腕を先に掴んでいると、私が生贄なんですが……。
学園から帰ったら即ダンジョン生活なので、2人ともマナを使い切って、ベットに入るともう夢の中ですからね。
しかし……解せないのは、カミラはけしからん物まで少しですが成長しています……ちょっと許せなかったので、寝ている時にエルナに捕まっている間は、しっかりと揉んであげました!
私には足りない物なので、ちょっと感触が良いですね。
たまに目を覚ましますが、エルナにしっかりと拘束されていますのでやりたい放題です。ちょっと癖になっています!
私の女神様は時間とかに干渉出来たので、もしかしたらですが、私にも希望があるのではと思っていますが……。
本人は、邪魔とか贅沢なことを言ってますので、もし吸収とか出来たら半分奪いたいです。
本日は、晴れて5人でパーティーを組んで、40階層に来ています。
シズクは相変わらず硬さとか関係無く、斬鉄剣とか言いながらゴーレムを綺麗に斬っていきますが、どうやったら、あの刀で斬れるんでしょうね?
力で叩き壊しているのは、エルナなんですが……人って変われば変わる物なのですね。
カミラには、各種の属性弓を渡してあるので、矢は同じ物だけで良いので楽になりました。
マナさえ込めればその弓の属性の付与が矢に掛かるという優れものです。
真面目な娘なので、相手はちゃんと研究して持ち替えてます。こういう時に収納持ちは便利ですよね。
セリスには3人が怪我とかした時のサポートを任せていますが、もう一つ内緒で常時発動の魔法を使ってもらっています。
聖魔術に『バトル・インスパイア』というメンバー全員に掛かる魔法が有ったので、こっそりと常に使ってもらってます。マナの消費は自然回復と同じぐらいなので、中々いいです。
効果は術者が使える身体支援系魔法の劣化版を常に常駐出来るという優れものです!
単体の魔法に比べて、はっきりと強化された感じはしないのですが、精神的に気分が高揚する効果もあるみたいです。
気のせいか、コスプレ忍者娘と脳筋剣士娘はより好戦的になっています。
思わず呟いたら、シズクは褒められたと勘違いしていますが、エルナからは強力な抱擁をいただきました。両腕と背骨が折れましたよ!
なまじに魔法で癒せるから、下手な事を言ってしまうと恐ろしい体罰が待っています。
自力でも治せるけど、不自然だからセリスに治してもらっています。最近の怪我する理由がこればっかしのような……。
私は、基本は魔法専門になっていますが、半前衛の魔術師と言った所ですね。
ようやくバランスの取れたパーティーになってきましたよ。
今回は、シズクがタイラント・ゴーレムと正面から戦いたいと言うので、あの魔法はパスです。
なので、この間使えるようになった新しい魔法のテストにします。
私の火魔術なのですが、やっと上級になってくれたので、威力は知りませんが試したくて仕方なかったのですよね。
ちょっと消費マナが大きいのですが、通常で5回しか使えないので、多分範囲魔法と思います。
詠唱の文章も浮かんでくるのですが、いつも思うのですけど、この口上は一体誰が考えたのでしょうね?
こんな方法で魔法を使う者などいないのですから、詠唱の文が存在する事自体が不思議なのです
大体、我って何よ?
試しに省略すると威力が下がるし、我を私にして使っても威力が落ちます……セリスは、自分で考えた詠唱を唱えても変化無いのに、私だけ別の言葉を使うと駄目とかおかしいよ……。
シズクに頼まれて、某漫画の台詞に置き換えて……シノアちゃんが願う……とか言ったら、威力が上がったのですが……流石にこれは私が嫌なので断念しました。
エルナとシズクには好評でしたが、こんなの羞恥プレイ以外なんでもありませんよ!
なので、今まで通りに素直に使いたいと思います。
「では、私が最初にちょっと範囲魔法のお試しをします。状況によっては総力戦になりますので、セリスから支援をもらっておきましょうか」
「お姉様、ボスにあんまり当てないで下さいよ? 今回は、普通に戦ってみたいのです!」
「効果は知りませんが、火魔術の範囲強化版なので、あれほどの威力というか脅威は無いと思います」
「えー、いつか話していた、戦略魔法とかでは無いのですか? 私は見たいです!」
「エルナお姉ちゃん、あれは範囲が広いからボスまで届いてしまうので、今回は遠慮して欲しいのです。あんなボロボロのと戦っても私は満足できません!」
「うーん……カミラも見たいよね?」
「私は、リーダーであるシノアの指示に従いますので……特に見たいわけではありません」
「仕方ないわね……今夜はシズクちゃんと一緒に寝ることで、妥協します。カミラは、私に味方してくれなかったので、帰ったらお風呂でお仕置きしますからね」
「エルナお姉ちゃん、優しく抱いて下さいね? ご一緒するのは嬉しいのですがあんまり強くされると痛いのです」
「リーダーの指示に従うのにどうしてお仕置きになるのかしら……」
私がリーダーとか言ってますが実質的なリーダーはエルナですよ。
前衛として戦いながらも、私に助言は求めますが、決定はエルナが殆どしていますからね。
私はこれといった方針は言いませんので、むしろお任せしたいです。
最近は、模擬戦も普通に戦ったら勝てないので、私は躱して辛うじて勝ってるぐらいなのですから。
優っているとしたら、速度と戦術面ぐらいなのです。
まあ何にしても、本日の矛先が私に向かないので良い事です。
「そろそろ始めますので、行きますよー」
「我は呼ぶ 大いなる炎よ 集いて吹き荒れる力となりて 我が敵を撃ち滅ぼせ フレイム・ブラスト!」
唱えると私の前方に無数の火球が現れましたが、何か色が薄いというか青みが掛かってますが?
そのまま斜め前方に撃ち出したのですが、敵を貫通して、地面に着弾すると爆発しています。またえぐい魔法ですね。
高温の火球で溶かして貫通でもしたのでしょうが、こんなの対人とかに使えませんよ!
貫いた後に後方で爆発とか嫌がらせですね。
真っすぐに撃ち出さなかったので、ボスは無傷ですが他の雑魚が殆ど居ないです。
「えっと、ボスは残っているから、みんな頑張ってねー」
「すごい魔法ですね! あんなのもらったら、普通の人は死んでしまいますね」
そんな説明は要らないので、戦って下さい!
いつかと違って無傷なので、結構速くこっちに来ます。
「では、行きます!」
シズクは楽しそうに突撃して行きますが、巨体なのに動きが早いんだけど、大丈夫なのかな?
エルナも続いて突撃していくのですが、何かカミラが震えてますがどうしたのかな?
この感じは……あっ……ちょっとお漏らししていますね。
カミラはちっと怯えたりすると失禁癖がありますからね。
本人は隠しているつもりなのですが、矢の補充の時に収納同士で移すので、下着だけやたらと沢山持っているのがばれてます。休憩の時にこっそり履き替えてますしね。
普通は、本人の意識した物の譲渡だけしか出来ないのですが、私には相手の持ち物が全てわかってしまうようです。
帰りに私が洗浄魔法を使う時にこっそり取り出しているのもバレバレなのです。
「カミラ、どうしたの? 援護して上げないとシズクはともかくエルナはまずいかと」
「は、はい。ちょっと今の魔法がすごかったので、驚いていたのです。炎で溶かされるとか恐ろしいですね……」
「また、普通に使えない魔法ですよー。私としては模擬戦とかに使える普通の魔法が欲しいのですけどね。単純に爆破の衝撃とかだけの魔法が良いですね」
そんな会話をしながら単発の魔法を撃ち込んでますが、カミラも牽制で援護を始めました。
それにしてもエルナもよく頑張りますね。
身体強化しているお蔭かゴーレムの打撃を大剣で耐えています。
シズクは全て躱していますが、今回は中々斬り落とせないみたいですね。
あの4本の腕から繰り出されるパンチは意外と速いです。
まともに私が戦ったら、確実に吹き飛ばされていますよ。
耐えているエルナの足元が沈んでいるのですが……相当重い攻撃なのでしょうね。
それにあの細身で耐えれるお嬢様って……益々怖くなりました!
それにしても魔法の効きが悪いですね。
久しぶりに投擲用の槍にマナを込めて投げています。こちらの方が一応ダメージは与えているみたいですが、魔法抵抗力の高い相手の対策を考えないといけませんね。
今の私は、魔術が使えなかったら、少し動きの良いだけの槍術士なので、よく考えたら、いつの間にかパーティー最弱の存在になっています。
相手の攻撃が躱せるのは、マナの流れが見えるから、少しだけ相手の動きが予測できるのです。
この事をみんなに話したら、マナの流れなんてどうして見えるのかを逆に突っ込まれました。どうも普通の人には見えないみたいです。
「エルナお姉ちゃん、もう少しだけ耐えててくださいね!」
「良いのですが、身体強化が切れてしまったら、ちょっと耐えられないと思います」
「取り敢えず、一本減らします。必殺! 斬魔剣!」
相変わらず意味の無い台詞なのですが、同じ所をずっと斬り続けていた所に強力な一撃を入れることで、ついに腕を一つ落としてしまいましたよ。
よくあんな正確に同じ所を集中して狙えるのか、すごい娘ですよね。
そのまま残り1本にしてから、エルナが耐えている間に頭を撃破してしまいました。
うん、正面から戦うとか私には無理ですね。
私には、近付く前に遠距離からの攻撃が合っています。
これは2組ぐらいの高レベルパーティーが必要ですよね。
「やりました! 久しぶりの強敵でしたが、すごく達成感があります!」
「私は、ぼろぼろになりましたよ。攻撃が重くて体がすごく痛いです」
「エルナ様、済みません……私はあまりお役には立てなかったみたいです」
「そんなことはありませんよ? 同時に他の腕から攻撃をもらっていたら私も耐えれませんでしたから、攻撃を逸らしてくれたので助かりましたよ」
「まあ、みんなで協力して倒したので良いと思いますよ。むしろ私がボス戦ではいまいちでしたね」
「シノアは魔法が強力ですから。それに加えて格闘とかも出来るので、他の人が聞いたら嫉妬しますよ?」
「シノア様、こんな物を回収しましたが何でしょう? 」
ふむふむ、アダマンタインと呼ばれる鉱物資源ですね。
そのうちに何か武器に使うとしますか。
「武器に使う鉱物なので、そのうちに私達の武器に使いましょうか。休憩したら、今日は戻りますよ」
「帰ったら、お風呂に入りたいですね。カミラにどんなお仕置きをしようかな!」
「まだ、覚えていらっしゃったのですか……何をされるのでしょう……」
入り口の広間に戻ると何か騒がしいですね?
何となく、私達を見る目が……あれからしばらくは記録などは更新をしていないので忘れられていると思うのですが?
おや?
受付のお姉さんがこちらに来ます。嫌な予感がしますよ。
「あの……またお願いがあるのですが……」
「私にでしたら、お断りしますからね?」
「はぅ……でしたら、そちらのエルナ様とカミラ様は更新して貰えないでしょうか?」
2人は好きにすればいいと思うので止めませんが?
「2人に用事みたいだけど、どうする?」
「シノアが更新しないのでしたら、私もしませんよ?」
「私も特にする必要は無いのでお断りさせて頂きます」
「どうしてなのですか! 普通は皆さん上のランクを目指しているのに……本日、貴女達『黒の暴風』が最低ランクで、40階層を突破してしまったので、上司に何とか説得する様に言われたのです!」
黒の暴風って、何?
私は、名前とか付けた覚えは無いのですが?
しかも、ちょっと痛い名前ではないですか……どうせ付けるのでしたら、もっとかっこいいのにして下さいよ!
「済みませんがその『黒の暴風』とは、何でしょうか? 私には、パーティー名とか付けた覚えは無いのですが?」
「随分と前に登録をさせてもらっていますよ?」
「していないし、私は受付にはめったに行きませんが……エルナ達は知っていましたか?」
「えっ!? シノアは知っていると思っていたのですが?」
「一体、誰がそんな痛い名称を付けたのですか……」
「確か……そこのお嬢さんが申請しましたので、受け付けましたが?」
「私も知っていましたが、シノア様が了承したと思ってました」
シズクですか!
黒は良いとして、暴風って何!
以前から登録されていたとか……たまに痛い名称のパーティーがいるのですねーとか思っていたのが、まさか自分達だったなんて!
そういえば、以前に何かよそよそしいことをしていたことがありましたね。
「シズク! これはどういうことなのですか!」
いつの間にかシズクが居ません!
視点を変えればすぐに分かりますよ!
また、天井にへばり付いてこちらを窺がっています!
この子は、やましいことをすると必ず天井にくっついているのですが……。
「シズク! 私の前に降りて来て、正座をしなさい!」
「はい……」
私がシズクの居る方に声を掛けると、素直に降りて私の前で正座をしています。
シズクの知識には、こういう時には、正座と呼ばれる姿勢で反省させるとありましたので、最近はこればっかりです。
先に言わないと、直ぐに叩いてもらう体勢を取るので……。
「言うことは何かありますか?」
「名無しより、何か付けた方がかっこいいかと思って……」
「私がいつ許可しましたか? あと、黒はともかく暴風とは何ですか?」
「ここの皆さんが私達を嵐とか暴風と噂をしていたので……」
私達は、そんな噂をされていたのですか……。
ここに居る人達が私をどのように見ているのかが良く分かりました!
しかし……なんて、安直な名前なのですか……せめてかっこよく疾風とかにして下さいよ。
めんどくさがらずに何か付けておけば良かったですね。
「シノア、そのぐらいで良いではありませんか? 私はかっこいいと思いますよ?」
「えっ? これ、かっこいいの!?」
「強そうで私も良いと思いますわよ?」
「私もかっこいいと思います!」
「シズクにはもう聞いていません! まったく反省をしていませんね?」
「ごめんなさい……おふたりがかっこいいと言ってくれたのでつい……」
2人には好評みたいなのですが……これは私の感性がおかしいのでしょうか?
セリスは何も言いませんし、気にして無い見たいですがシズクは先ほどから、どんなお仕置きをされてしまうのかと沈んでいますが期待もしています……はぁ……。
この娘に体罰は逆効果なので、違う罰も追加します。
「シズク、今回は2人が良いと言っているみたいなので軽い罰にしておきますが、私が許可するまでは、甘い物を口にすることは禁止します。わかりましたね?」
「えっ――――! お姉様酷いです! いつものお仕置きにして下さい!」
それだとあまりお仕置きにならないでしょ!
先ほど、少し期待していたので、裏切らないとね!
最近、わざと何かしでかして、そっちに持って行こうとしていますからね……どうして、こんな子に……。
「あの……それで、私のお願いはどうなるのでしょうか……」
受付のお姉さんは、まだ居たのですか……この状況で、その気になるわけがないでしょ!
「お断り致します! セリスに後のことは任せますので、先に戻りますね」
「そんな!」
「畏まりました。換金だけ済まして私も戻ります」
「こうなったら……セリスさんだけでも私のお話を聞いて下さい! お願いします!」
セリスに任せておけば、問題はありません。
縋りついてくる受付のお姉さんを無視して行ってしまいました。
ちょっと可哀想ですが、そんなことを命令する上司が悪いので諦めて下さい。
ちょっと、帰りにどこかのお店に立ち寄って行こうかな?
何となく、シズクの目の前に何か置いてお預けとかしたい気分です。
絶望感が漂うシズクを連れて帰ろうとすると声を掛けられたのですが、こんな所で会うとは思っても居ませんでした。




