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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
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186 もちろん観光です

 

 ギルドの待合で、座っているのも飽きた……。

 査定とか直ぐに終わると思っていたのに結構時間が掛かるのですね。

 いつもはセリスに全て任せていましたから、気にしてはいなかったのです。

 知っているか分かりませんが、ライザさんに質問してみますか。


「ライザさん。シズク達が遅いのですが、査定とかって時間が掛かるのですか?」


「確かに普段より遅いと思いますが、シズクさんがギルドの方の予想以上に素材などを持っている場合は何らかの交渉をしているのかもしれませんわ。それにランクAなのですから、ここのギルドマスターが直接話をしている可能性がありますわ」


「交渉ね……勉強しろとかの交渉でしたら、私なら小出しにしますね。私は搾れる相手からは可能な限り搾り取る主義なのです」


「シノアさんって、お若いのに意外と商魂逞しいというかお厳しい考え方をしていますわね」


 儲けられる時はしっかりと稼がないとね。

 それに貴重な物は一度に出してしまうのは良くありませんよ?

 あまり流通してしまうと価値が下がってしまいます。

 それは魔物の討伐で生計を立てている人にとっては痛手になります。

 なので、必要数に抑えることは現状の相場を守りながら、私達の利益を守ることだと私は思っています。

 私やシズクは確かに利益を出していますが、それは他の人に作り出せない物を価値を落とさないように小出しもしくはオーダーメイドの形で、物作りをしているだけです。

 現状の職人の方にも製作可能な物はちゃんと技術提供はしていますので、後は本人の努力次第です。

 私の場合は基本的に料理に関する事が多いのですが、それだってちゃんと材料の情報は提供しています。

 作り方に関しては、教えるつもりはありません。

 努力をしている職人と呼べる人でしたら、食して材料のヒントさえあれば、ちゃんと模倣できる筈です。

 私は、職人というのは技術を盗むものだと思っています。

 そして、武器や防具に関しては、ギムさんに全てを任せています。

 酔っ払いのドワーフですが、物作りの腕は確かです。

 ギムさんが要望する素材は優先的に回していますし、販売の方は商人のカシムさんに全てお任せしています。

 そう考えるとフェリシアさんに頼まれなくても少しづつですが、簡易の魔剣もどきの商品を流通させているのでは?

 後は私が作った武器類は売る気がないので、自分の工房に飾ってあるか、気に入った人に進呈をしてしまいます。

 例外として暴利を貪ったのは偉そうな貴族や資産家とかフェリシアさん達かアイリ先生ぐらいです。

 なので、今回のシズクやセリスにしたって、依頼書に書いてある物以外は出さないと思います。

 流通とか経済に関しては、シズクの方が煩いし、セリスに至っては私の方針を徹底していますので、いくら聞かれても無い物は無いと答えるかと思います。

 それに食材に関わる物は基本的に食べる方に回してしまうからね。

 食文化に関しては、発展した方が良いので、価値を落とさない程度に流通させています。

 恐らくですが、遅い理由はランクAに対する何らかの話だと思います。


「私は基本的には商人系なので、戦闘よりもお金儲けの方が好きなのです」


 公平を謳っていますが、いざという時の為に貯金を貯めておくことは仕方がないのです。

 あって困る物ではありませんからね。

 私の考えを述べるとアイリ先生が余計な事を……。


「シノアさんは、シズクさんに守銭奴と呼ばれています」


 また、これですか……私は貯金をしているだけなのに意味が分らないよ……。


「守銭奴とは何ですか?」


「お金の亡者のことらしいです。シノアさんに借金で完全に拘束されている私からみたら、亡者どころか鬼です!」


 誰が亡者ですか!

 私は正当な方法で資産を作っているのになんという言われ様でしょうか!

 しかも流通を独占しないようにそこそこの情報も流しているし、金持ちとか貯め込んでいる貴族以外にはボッタクッタことはありません!

 特に料理に関しては、ちゃんとヒントを与えていますので、向上心のある職人と呼ばれる方達はちゃんと再現ができています。

 私にしか作れない物に関してはどうすることもできませんが、私は一応は公平を基準としています。

 しかし、ライザさんがそんなことを知っているわけがないので、悲しいお言葉が……。


「シノアさん……まだお若いのにそのような考え方は宜しくないと思いますわ……」


 アイリ先生がどうして借金をすることになったのか教えたら、絶対に同情しないと思うんだけどね。

 何しろ、自分のお馬鹿さんなお金の使い方をして、結婚詐欺に引っかかって全てを失ったとかアホでしょ?

 公平な判断をしてもらう為に、ここでライザさんに教えてしまおうかな?


「ライザさん。片方の言い分だけで、判断をするのは良くないと思いますよ? 宜しければアイちゃんの借金を肩代わりをした詳細をお話しをしましょうか?」


「借金の肩代わりをしたのですか?」


 ライザさんが疑問に思った所で、アイリ先生が私の肩を掴んでお願いをしてきました。

 いつもなら、大事なお願いをしてくる時は自主的に土下座をしてくるのですが、流石に公衆の面前では無理のようです。

 しかし、主の肩を掴んでくるとか……まあ、私は寛大なので、ペットがじゃれてきていると思うことにします。

 セリスが私の背後に控えていたら、めっちゃ睨まれて、ひたすら頭を下げているはずです。

 取り敢えずは、言い分を聞いてみましょう。


「シノアさん……それだけは止めて下さい……」


 しっかりと思いだしたようですね。

 仕方がないので、もう一度自覚をさせないとね。 


「では、私はアイちゃんのなんなのですか?」


「……シノアさんは、私を助けてくれた方です……」


 あのまま放置していたら、行き付く先は娼婦になっていたかもしれませんね。

 アイリ先生はスタイルは良い方だし、着やせしていますが胸も大き目な方です。

 最初に出会った時は地味な教師としか見えませんでしたが、ちゃんとお化粧をして着飾れば綺麗な部類に入ります。

 浮き沈みが激しいのですが、私の予想ではよく喋るし愛想もいいので、人気が出るかもしれませんね。

 そして、教師の仕事を続けていても教師の給金では、返済をしていても多くの利息を払う羽目になっていたのですから、今のほぼ自由な暮らしを考えたら、私は救世主と呼ばれてもおかしくないよね?

 どちらにしても、その前に教師の仕事を続ける事が不可能になって、いつかは奴隷墜ちするかと思います。

 さて、理解してくれた所で、こういう躾は大事なので、ちゃんと言わせないといけませんね。


「ん? 助けてくれた方とは? 私はアイちゃんのなんなのですか?」


「……騙された私を救ってくれた、ご主人様です……お願いですから、今回は許して下さい……」


 改めて自覚をしたようです。

 普段は私が友達感覚で接するので、立場や関係などを気にしないように仕向けていますからね。

 落ち込んで余所余所しくなると私が意図的にまた調子に乗るように甘やかしているので、単純なアイリ先生は直ぐに調子に乗ってきます。

 お屋敷に居る他のメイドさん達は、最初から公爵家で働く為に徹底されていますので、簡単には落ちません。

 他の方からは、アイリ先生の私への態度は異常に映っているか私の特別と見られています。

 まあ……エルナが若い娘に手を付けまくっているので、私と同年齢かそれ以下の娘は、そんなに堅くないけどね。

 なので、そこそこ歳もいっているアイリ先生が私のメイドなのに馴れ馴れしいのを年配の先輩方に見られると注意をされている時もあるとか。

 たまに私も本人が注意されている所を見ますが……本人は、その場だけやり過ごして反省をした様子もみられません。

 私としては、そこがアイリ先生の可愛いところだと思っているので、普段は好きにさせています。

 従順なメイドさんは、セリスとキャロだけで十分です。

 アイリ先生は、私の癒し担当なのですから、私が不幸な目に遭った時に不幸を分かち合いたいのですよね。

 さて、自覚をした所で、私もいつもの言葉で催促でもしますか。

 昨晩は酷い目に遭いましたから、不幸は共有をしたいと思っています。


「よく言えましたね。ですが、ご主人様を鬼呼ばわりしたのですから、宿屋に帰ったら、いつものお仕置きをしたいと思いますので、自分から進んで行動をして下さいね?」


「そ、それは……。シノアさんの工房でしたら、いいのですが……宿屋では皆さんに見られてしまうので許して欲しいのです……」


「まあ、今回は大目に見ますが、後で別の誠意ある行動をして下さい」


「わかりました……」


 お屋敷の工房で私だけに見られるのは問題は無いようですが、他のみんなにお仕置きをされている姿を見られるのは嫌みたいですね。

 宿屋に戻ったら、アイリ先生の誠意ある行動を楽しみにしていますよ。


「事情は深く聞きませんが、シノアさんがアイリさんを助けたのは分かりました。ですが、このぐらいでアイリさんに何かしらの仕打ちをするのは可哀想かと思いますので、許してあげて下さい」


 ライザさんは優しいですねー。

 私達の身内にアイリ先生を弁護する人なんて、1人もいないのに別の国でようやく現れましたよ。

 真実を話して呆れられたら、果たして同情をしてくれるかは不明です。

 私の身近な一部の者達はアイリ先生がメイドになってしまった事情を知っていますが、同情をしてくれたのは唯一カミラだけです。

 後は、仕方がないとか天罰とか騙される方が悪いとか散々言われていました。

 そして、同じ私のメイドさんのセリスはともかく先輩メイドのキャロも同情なんてしませんでした。

 キャロは自分の生い立ちもありますが、お金を自分の贅沢に使うなんて許されないと思っていますからね。

 私がいくら無償でプレゼントしても他の人にどのくらいの価値があるのかをちゃんと調べて私に対して、それだけの支払いをしょうとします。

 ダンジョンでの報酬をセリスが管理していますので、それで十分に清算ができていると諭していますが、絶対に心の帳簿を付けていると思います。

 それに比べて、アイリ先生は何も考えずに借金を増やしまくっています。

 押し付けた物もありますが、余計な衣服に関しては、問題外です。

 特にシズクから回ってくる請求書にある意味が分らない下着とか、いつ着るのか知らないドレスとか……生きていく為の生活必需品に関しては私に養う義務があると思って出していますが、趣味に関しては払う気はありません。

 アイリ先生は、お金にだらしないから、私としては見ていて飽きないんですよね。

 そして、落ち込んでいたのにすぐこれですよ。

 

「ライザさん……私を気遣ってくれるなんて嬉しいです! シノアさんにもっと言ってあげて下さい!」


 このペットは……少し優しくされたら、調子に乗っています。

 まあ、めんどくさいので無視します。

 今、この場で恥をかせてもいいんですが、それが原因で目立つのは宜しくないので、この程度は勘弁してあげます。

 ただし、私は復讐を忘れないので、どこかでお仕置きをしてあげますので、楽しみにしていて下さい。

 取り敢えず暇なので、今後の王都までのルートをどうするか考えますか。

 幸いなことにギルドの掲示板の横に、この国の地図がご丁寧にありますので、ライザさんに確認を取りながら思案したいと思います。

 王都を目指すルートは大きく分けて3つあります。

 1つは中央を直進するルート。

 もう1つは南東の海沿いのルート。

 そして、北東のロードザイン帝国に隣接するルートです。

 中央のルートを通れば最短距離で到達ができますが、やけに都市のマークが少ないのです。

 広大な平原らしき表記がしてありますが、この国境の都市と王都の間に同じような間隔で都市が2つしかありません。

 南東のルートは適度な間隔でいくつかの都市の表記があります。

 北東のルートに関しては、魔狼王の森が両国の間に掛かっている部分に1つと森の範囲が終わると、この城塞都市と同じ表記がしてあるので、帝国に対して城壁が続いているのかも知れませんね。

 こうして見ると普通に旅をするなら南東のルート一択になります。

 私の考えと答え合わせをする為にもライザさんに質問をしてみましょう。

 軍事に関する事は答えてくれないと思いますが、予想はできますからね。


「ライザさんに聞きたいのですが、王都に行くのにお勧めのルートはありますか?」


「いくつかのルートがありますが、観光をする為でしたら、海岸沿いのルートが良いと思いますわ。魔物にもあまり襲われないし、食料に関しても海で魚を調達する方が魔物と戦うよりは安全です。ただし一定の範囲を越えると好戦的な魔物がいますので、お勧め致しません」


 弱っちい頃に海で散々な目に遭っていますので、とても理解ができます。

 一定のラインを越えると陸上の生物を襲ってくる魚類の魔物がいますからね。

 今なら大した敵とは思いませんが、もっと沖に出ると魔物のレベルが上がって強敵がいるかもしれませんね。

 タコの魔物に拘束されて深海に引き込まれそうになった時に深海部に大きなマナの反応がありましたので、自滅覚悟で当時は全力で逃げました。

 海底のことは分かりませんが、この大陸を囲む海にも何か秘密があると思うのです。

 いずれ機会があったら、海底探索がしてみたいですね。

 それはともかく、この国は肉より魚が好きなのかな?


「この国では、魚料理がメインなのですか?」


「そういう訳ではありませんが、道具さえあれば食料調達が容易なので、比較的安全なルートとなっているのです。中央の平原を越えるルートは強力な魔物が生息していますので、ある程度の実力が必要とされますが……ランクAのシノアさん達には、問題はないかも知れませんわ」


「それで、最短コースの中央ルートは都市の表記が少ないのですか?」


「それは……そうです。この国の中央部には魔物が多く生息していますので、必要最低限の中継都市のみとなっています」


「ふーん、なるほど……ライザさんは中央のルートは利用しないのですか?」


「部隊で移動する時以外は、あまり通りません。基本的には南東のルートを通るのが一般的となっています」


 はい、ライザさんは正直に答えませんでした。

 こういう時に相手の感情が分るのは便利なのですよ。

 セリスみたいに心は読めなくても後は答え合わせをすれば想定ができます。

 後は北東のルートですが、これは軍隊が駐留している都市しかないと予想します。

 なんといってもロードザイン帝国は、最大の軍事国家のはずですから、平時とはいえ警戒する必要があるのは当然ですからね。

 兵力を殆ど持たないフェリス王国は魔狼王の森の結界で気休め程度に防壁があるだけです。

 この辺りはグラント王国の方がしっかりと備えているのだと思います。

 まあ、一応は聞いてみますか。


「では、北東のルートはどうですか? ロードザイン帝国に隣接しているので、あの大きな都市の表記はここと同じ城塞都市と同じような都市があると思うのですが?」


「……シノアさんは観光に来たのですよね?」


「そうですよ?」


「では、観光に向かないルートなので、除外して下さい」


 せっかくフレンドリーな感じに戻ったのに目が真剣になりましたよ。

 きっと軍事的な事は、上司に話さないようにきつく言われているのかもね。


「そんな真剣な表情にならなくても、ただの好奇心です。私としては、美味しい物が食べれてのんびりとした旅を希望しています」


「それでしたら、南東のルートから行きませんか? シズクさんが参加したい大会の開催までには十分に王都に着けると思いますわ!」


 私がまったり旅を希望すると笑顔に戻りました。

 興味はありますが、私は基本的にみんなの安全優先です。

 危険な所に突撃して行くのは、某忍者だけです。


「シズクが賛成したら、ライザさんのお勧めルートで向かいたいと思います。どの道を進むかはシズクが決めていますので、実は私には決定権はないのですよ。ただシズクは戦闘が大好きですから、強い魔物がいるなんて聞いたら、中央ルートを選ぶかもしれませんよ?」


「妹さんのシズクさんが決めていたのですね。先程のやり取りを見ていると魔物を倒しながら進むことを選びそうですわ。それにしても姉妹揃ってAランクなのもすごいのですが、シズクさんの方に主導権があるのですか?」


「そういう……まあ、似たようなものなので、そう思ってくれても構いません。聞きたいことは聞けましたので、どのルートから行くのかは、ライザさんとシズクに任せますよ」


 私の見解では、姉よりも妹の方が優れている確率が高いのです。

 私の理解を覆す為にも優れた姉と素直な妹という姉妹と出会ってみたいですね。


「では、シズクさんを私が説得しますわ! 久しぶりに海に行きたいと思っていたので、丁度いいですわ!」


「頑張って下さいねー」


 結局は自分が海に遊びに行きたかったのか中央ルートを通るのを避けたいのかです。

 私は海というと気が重い記憶しかないのですが……まあ、あの時と違って余程の事がない限りは対処ができると思っていますので、楽しいことでも期待しています。

 後は、シズクと相談することにして、クッキーでも空中に投げながら口で上手く受け止めて食べるという暇つぶしをしています。

 カミラに見られたら、お説教が確実です。

 はしたないとか、公爵令嬢にあるまじき行為とか煩いのです。

 私の偽りの立場なので、エルナと違って本物の令嬢様ではありません。

 ですが、偽りでも立場を利用して自分のしたい事しているのなら、最低限のマナーぐらいは身に付けなさいとか、相応しくない行動をすると毎回のように言われています。

 教育係と言うよりも、私のお母さんみたいなんですが……私には母親の記憶がありませんので、これが普通なのかな?

 一度だけ、寝ているエルナに抱き枕として拘束されている時、子供らしい行動をして乳が出ないとか言ったら、翌日に滅茶苦茶に叱らましたね。

 ここにエルナがいたら、一枚づつ差し出されて餌付けされることになるけどね。

 たまに口にくわえて、それを食べるように要求をしてきますが、そのまま押し倒されるんですよね。

 今は、自分の妹分にした可愛いメイドさんのナオちゃんを教育?していますが……何も知らない幼女に間違った知識を植え付けているとしか思えません。

 母親のナリアさんは何も言わないし、私のことはエルナの本妻と教えられているので、自分は2号さんと思っているみたいですが……意味を知っているのでしょうか?

 このまま行くとエルナに対して従順なのか忠誠心の高い娘さんが育ちますね。

 学業を優先という建前で、置いて来ましたが……エルナと離れていると心が物足りない気分になるのです。

 今頃は何をしているのか……今晩は一度自分だけ戻るつもりなので、カミラの様子をみて、時間的に起きていたら、エルナとも話でもしましょう。

 何故かちょっとナオちゃんが羨ましいと考えてしまうとは、私にもエルナの愛が理解ができてきたのかな?

 そんな事を考えているとシズク達が戻って来ましたので、どこかで昼食でも取りながら、今後の方針でも決めたいと思います。

 それにしても、随分と長い話し合いをしていたのですね……遅めの朝食を取ったのにもう昼食とは……。

 こんなに時間が掛かるは、私のことまで暴露されるのでしたら、宿屋で待っていれば良かったです。

 そうすれば内職もできたしね。

 内職……あっ!

 そういえば、ライザさんがいるから、仕事なんて、できないよ!

 フェリシアさんに頼まれている量産型の剣なんて、目の前で作れないからダメじゃん!

 それに今晩から、ライザさんって、夜はどうするのかな?

 私達は、出発するまではあの宿屋に泊まる予定なのです。

 別に部屋は広いので、もう1人ぐらい増えても問題はありませんけど……宿屋にライザさんの荷物らしき物を置いて来ましたが、あの宿屋に泊まるつもりなのかな?

 監視の意味もあるから、同じ宿にするのは分かるけど、あの宿屋の宿泊費は高めの筈ですが、きっと経費で落ちるのでしょう。

 同じ部屋を要望されたら仕事ができないけど、ここにいる間は部屋が別でしたら、製作は可能です。

 後は気になるのが携帯している剣かな。

 今も腰に剣はあるけど、中身は折れているから、武器として使うにはね。

 一応は、刃の部分は残っていますから、ちょっと長いナイフぐらいにはなるかな?

 私が作り直してもいいのですが……私の能力がまた知られてしまうから、シズクが言っていた便利の意味を理解してしまうでしょうね。

 どちらにしても私達と行動を供にすると約束をしたので、あらかた知られてしまうと思います。

 私の家事能力を知られるのは構わないのですが、この国の武器や錬金術系の範囲を知っておきたいところです。

 道案内に便利としか考えていなかったので、すっかりと忘れていました……こういう所が抜けているとか言われるんですよね。

 どちらにしても次に見て回るお店は確定です。

 余計な配慮が増えたかもね……。

 

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