プロローグ
負けるか。くそっ……息が。
「イニエ........」
まだだ。まだ終わっちゃいない。
「イニエ君........」
ここで諦めたら一生後悔する。だから........!!!
「戦闘が不能になりました。まもなく脱出モードに移行します。」
だめだ!まだ!これか…ら…だ........ぞ......。
「イニエー、聞いてる?」
「えっ?」
「えっ、じゃないよ〜。今日はついに入隊だね!ってもう3回は言ったよっ」
「ごめん、ボーッとしてた」
「しっかりしてよ〜?」
"みどり混じり"の金髪、いわゆる「電脳染め」って呼ばれるちょっと奇抜な色で、鎖骨あたりで切りそろえてある髪を結びながら話してるのは姉のソフィだ。姉はちょっとマヌケなところがあったりするんだけど、すごい真面目であの『Sea-lane』の分隊長なんてやってる。俺も今日からその『Sea-lane』に入隊するわけで──────────────
「まさか、イニエが適正あるなんてね〜」
今人間が管理できて、ともに思考ができるコンピュータを「電脳」って呼んでいて、数ははっきり言って少ない。なんかちゃんした装備して電脳使うと色々できるらしいんだけど、よく分からない。ま、今日分かるけど。とにかく、その「電脳」の絶対数が少ないからその利用できる人は限定されるんだって。
ちなみに、俺も髪色は姉と同じ「電脳染め」。最初は派手で嫌だったけど、『Sea-lane』の人達のほとんどの人はこの色らしい。
「早速、今日から姉さんより活躍しちゃうぞー」
窓から見えるタンポポは激しく揺れてる。風が強いらしい。
「初日から怪我しないでね」
姉の目はタンポポの方を向いている。
「えっ」
胸がざわつく。興奮とは違うものだ。
「初日から怪我するようなことするの?」
「それは言えない」姉がふざけた顔をする。
「そろそろいくよー」
制服を着た姉に連れられ、『Sea-lane』本部アイワに向かう。
結局胸のざわつきは取れなかった。
改めまして、はじめまして!
OSAX217です。拙い文章ですが、これからどんどん書いていきたいのでよろしくお願いします!




