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ブラック・マジシャン  作者: 東雲 修
第一章 転生
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第三話 刻阪真人

三話です

「えっと……じゃあ、ルースィー……さん?出来ればその村に

連れて行って欲しいんですけど」

   

「構わないぞ、このあたりの道は熟知しておる、付いてくるが良い」


そう言うと俺から見て左の方向に歩き出す。

しばらくすると森から抜けて村が見えてくる、見る限りでは

数十軒の建物が建っている村で獣人と思われる人々と人間が

道を歩いている。


「ここが、ルースィーさんが住んでいる村ですか?」


「うむ、ここが「ソーア村」じゃ、数は少ないが、皆優しい者ばかりじゃ」


俺はなんとなく道行く人に、笑顔で頭を下げる。すると相手も笑顔で

返してくれた。

  

「たしかにみんないい人そうですね」


「そうであろう?」


とルースィーさんは嬉しそうに言った、歩いていると村の建物の中で一番大きい

建物にたどり着く。


「ここが我の家じゃ、さぁ入るが良い」


結構大きいな……。あれ?結構この子お金持ち?


「父上ーーー今帰ったぞーーー」


そう言うと

奥から大体30代から40代の男性が姿を現す、この男性もルースィーさんと

同じ耳と尻尾がある。


「おーー帰ったかルースィーもうすぐご飯出来るからな」

 

「分かった、それと、この者が先ほど森に居て

おそらく旅人だと思うのだが、村に連れて行って欲しいと頼まれての」


ルースィーさんが言うと男性はこちらを向いて口を開く。


「おお、旅人さんか?こんなへんぴな村ですが、ごゆっくりしていってください

さぁさぁ中に入ってくださいな」


そう言って客間のような部屋に案内される。


「さぁどうぞお掛け下さい」


ソファ座らされて男性は向かいのソファに座る。

ルースィーさんは別の部屋に行った、ソファはふかふかしていてとても座り心地がいい。


「さてと、突然ですが、ここに来た理由を聞かせてもらってもいいですか?」


男性はそう切り出す。


「えっと……遠いとこから旅に来ていて……村があることを知っていたので、それでたまたまルースィーさんを見かけたので、この近くの人かなと。

それで、とりあえず泊まれる所があればと」


「なるほど……と言うより、娘はあなたにさん付けで呼ばせたんですか?」


「ええ、まぁ」


俺は苦笑いをして答える。


「すみませんねー……あの子も本当は可愛くて、いい子なんですが

何分立場があって、少し偉ぶりたいんでしょう」


「立場?」


「ええ、私はこの村の村長なんです。それで、あの子は私の娘

つまり村長の娘ですからね。家族や仲のいい友人に対しては子供らしい

所もいっぱい見せるんですよ」


「そ、村長!?えっと、随分お若く見えますが……」


世辞ではない、実際村長にしては若く見える。


「ははは、お世辞がお上手な人だ、私もあなたたち人間から見れば老いぼれですよ、獣人って知ってますよね?」


「はい、まぁ基本的なことなら多分」


「獣人は人間よりかなり長生きするんですよ。私もこれでいて歳は

数字の三桁ぐらい、いってるんですよ」


男性は笑いながら言った。


「三桁ァ!?つまり100歳はいってるんですか?じ、獣人って凄いですね……」


そんな風に話していると横からルースィーさんと

この男性の様に頭頂部に耳が生え、

尻尾の生えた女性が2つのコップを持って歩いて来た。


「あなたがお客さん?ルースィーから聞きましたよ、二人共、はい紅茶」


そう言うと、入れたばかりと分かる湯気が立っている紅茶が手元に置かれる


「あ、ありがとうございます」


「いいんですよ、あなた、私はあの子の所に行ってる

からお客さんのこと、頼むわね」


男性にそう言い残して去っていった。


「さて、気になっていたんですけど……なんで持ち物を持ってないんです?

服だけで……旅をするには軽装すぎる」


ギクッ、これはまずい

たしかにそうだよな!服だけなんて無謀ってレベルじゃねーもん。


「え・・・・・・えっとー・・・そのーー」


かなりキョドっている。


「そ、そうそう!あえて無謀なことにもチャレンジしてみようかと

思いまして・・・・・それで・・・えっと、それだけです」


すこし怪しげな目で見ている、まぁ、当たり前である。馬鹿でも疑うもん。


「まぁ、いいでしょう、ところで今夜泊まる場所は決まってないんですよね?」


「え?ええ、はい、来たばかりだったので」


「それなら、家に泊まりませんか?部屋は一部屋空いているので」


「え!?い、いいんですか?そんな、悪いですよ。それに疑わないんですか?俺のこと」


「武器もないんじゃ略奪に来たとは思えませんし……それにそんなに

規模の大きい場所でも無いですし。

この村は助けあいの精神を大事にしているので」


この人が神か……マジで聖人過ぎる、こんな怪しい奴を泊めてくれるなんて。


「あ、ありがとうございます!本当に、迷惑は掛けないようにするので

よろしくお願いします!」


深々と頭を下げた。


「ははは、いいんですよ」


俺は飲んでいなかったやや、ぬるくなった紅茶を飲み干す。


「じゃあ、困ったことが有ったら言ってください、力仕事でもいいですから」




「はい、困ったことが有ったら頼らせてもらいますそうだまだ名前を伺って

なかったですよね、私の名前はバルキッド、あなたの名前は?」


「俺は



              



              「刻阪真人」です」


主人公最強というキーワードがありながら、未だに戦闘要素の欠片も

無いという……(汗)

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