第二話 異世界ライフの始まりだ!
気が付くと、小鳥のさえずりが聞こえてくる、風が俺の体を撫で、そして
木々が風によって少し揺られる、目で見なくても、なんとなく周りの光景が
わかる。俺は少しずつ目を開けていく……
「は?」
周りの景色を凌駕する光景が俺の体にはあった。
「え、ええええええぇぇぇぇぇ!?なんで俺、裸なの!?赤ちゃんかよ!
生まれたばかりの赤ん坊みたいになってんですけど!?」
なんと自分の体が真っ裸なのだ。もちろん男性のアレも丸見えだ
いやほんとなんで?これから股間に葉っぱでもつけて生きていかないといけないのか?
そうしていると目の前にセリフィアさんの顔が写っている、薄く
透明な画面の様な物が現れる。
「もしもし?セリフィアですって何ですかその格好は?もしかして
露出趣味ですか?……うわぁ……」
「勝手に引くなぁ!ていうか俺も分かんないんですよ!何とかしてください!」
「ふふふ、冗談ですよ、その姿は私がやったんです。怒ったのならすみません」
俺はその発言を聞いて驚愕する、ホントに女神か?この人
じゃあ服を出しますね」
そう言うと俺の目の前に日本の物とは違う見た目の
服が現れた。
「見ないでくださいね・・・?」
「見ませんよ。というか女性ですかあなたは、男性はなかなか言いませんよ
そんなセリフ」
と言うとフフッと少し笑う、不思議な女神様だ……
堅苦しくないし、親しみやすくていいけど。
そして俺の着た服は、上は茶色の少し厚めの布の服そして白色のズボンにブーツ
肩に暗い青色の短いマント、といった感じのファンタジー風の
デザインの服である。
「ん、結構合うな・・・」
「サイズ合わせておきましたからね、一応そういう服がこの世界の服装です」
「しかし・・・これからどうすればいいんですかね?」
実際疑問であるいきなり
来たからなぁ……。
「そうですね、じゃあまず「ステイタス」と念じてください」
「分かりました」
ステイタス 頭の中でそう唱えると
セリフィアさんの様な透明な画面が目の前に出てくる。そこには
俺の持つ能力を、RPGの様に数字で表していた。LV HP MP 力 守備力 魔法守備力 知力 素早さ 運 などがあった。
「それに表示されているのがあなたの能力です、この世界の平均能力値は
HPが80 MPが20その他の能力は全部50です」
そう言われ自分の能力値をよく見てみる、なんだこれ!?
そこには凄まじい数字が並んでいた。
LV1 HP 320 MP 276 力230 守備力211 魔法守備力271 知力297 素早さ 246 運 25
運ひっく!、なのにそれ以外のが超たけぇ……。す、すごい能力値だ……
2つの意味で。
「これって高いんですよね?」
「はい、かなり高いですね……、私も驚きました、すごいですねぇ
特に運が……(小声)」
おい、今なんつったこのロリ神
「聞こえてますよーー……(小声)それよりこれって弱い魔物なら
数発で倒せるんじゃないですか?」
もしそうなら危険なところに行かなければ
生きていけるだろう。
「はい、素手で数発殴るだけでも倒せますよ、人間に本気で殴ったら
鍛えてなければ、死んでしまいます。なので人には手加減してくださいね」
こえぇ……、殺人パンチじゃねーか。
「そうだ、ここってどこなんですか?森っぽいですけど、近くに人は?」
「近くには少し大きい村があってここはその近くです
その村はあなたから見て右斜めの方向にあります」
村か、泊めてもらえる所があれば嬉しいけど
「じゃあ、そこに行きますか」
と言って俺は歩みを進める。
俺は周りを見渡しながら歩いていた。そんな時。
「そういえばここの言語って分からないんですけど……マズイんじゃないですか?」
ふと気になり俺はそう言った。
「ああ、そのことを言い忘れてましたね。この世界の言葉
は日本語そのものです……が、文字などが日本語ではない物なんです
ですがここに来るときに、ここの世界の言語についての知識などを頭の中に
埋め込んでおいたので、文字などが出てきても、まるで母国語の様に
わかると思います」
「そうなんですか、なら安心です。英語出来ない人がアメリカ行った
みたいな事になるかと」
と言って俺は軽く笑った
「あ、そうそう、今から行く村の説明でもしましょうか。これから行く
村は獣人と呼ばれる種族と人間が共に共存して暮らしている場所です
獣人とは……まぁファンタジーなどにあるような獣耳や尻尾が生えた
種族だと思ってください。ここに来る前に説明したように、その他には
エルフやドワーフ、竜人そして魔族がいます。魔族はこ存じの通り
敵対している種族です。冒険者と呼ばれるものが度々討伐している
人間にとって害となる種族です。冒険者とは、町にある冒険者ギルド
に加入している者の事で、特定の物の採取や魔物の討伐などの依頼を
請け負っている者たちです。」
「冒険者……RPGとかで出る奴ですか?」
「そうそう、多分それの事です。あ、話が逸れましたね、種族の話ですが
竜人は特定の魔物以外の全種族の中で最強と言われる種族です。
そして魔物たちのように略奪や殺害を楽しむ、危険な種族です。
それ以外の種族は、基本、人と共存している為、人間とは仲がいいです」
「と、まぁこんな感じでしょうか。魔族と竜人以外なら友好関係を築ける
と思うので大丈夫です」
へぇ……、俺はそれを聞いてつくづく日本とは違う
事に驚きとワクワクを感じていた。
「そういえばこの会話というか通信は
切れるんですか?このままだと女神としてまずいんじゃ……」
「それに関してなら大丈夫です「切断」と頭で唱えれば
切れます、また会話をする場合「神との会話」と頭で唱えればできますよ
これは所謂、魔法のようなものなんですが、MPは消費しないので安心して
ください。それと私と二人での会話ならそのことを頭に入れた状態で
唱えてください、他にも周りに聞こえるようにしたり、二人の会話の声が
聞こえないようにしたり、その状況等を頭に入れて唱えれば自然と
そうなります。私から勝手に通信させてもらうこともあると思うので
そのときは用事があるか……、あとは会話したいと思ったらそうしますから」
「分かりました……、って、え!?これからも会話するんですか!?
てっきりある程度説明したらあとは自分で頑張って、みたいになるのかと」
「ふふ、私は暇を持て余している時が結構あるんですよ。あと私と会話できることは信頼できる友人などなら教えてもいいですよ。私も神ですから勝手に言われるのは困りますけどね」
そうだったのか・・・神って意外と仕事少ないのか……?
「分かりました、じゃあ極力話さないようにします。あ、そうだ
村に着いたら連絡するので、切ってもいいですか?」
「ええ、いいですよ、それじゃあ気をつけてくださいね、天界で見ていますから」
「ははは、分かりました、それじゃ」
切断
そう唱えると画面も声も聞こえなくなった。よし、多少はアドバイスとかは
無しでやらないとな。
しばらく歩いていると小さい人影が見えた、あれは……人?
人なのだろうが、体から細長いものが生えているように見える。
「あ、あのー……、すみません」
俺がそう言うと、その人物がこちらを向く
そこには、健康的な褐色肌が目立つ、小学生ほどの見た目の少女だった。
頭には麦わら帽子を被っており、頭頂部にはひと目で人間のものではない
と分かる耳が生えており、尻からは尻尾が生えている、髪と目は真紅の赤
で髪型はロングヘアーこれがセリフィアさんの言っていた獣人だろうか?
その少女は口を開く。
「なんじゃ?そなたは、旅の者か?」
と明らかに見た目に不釣り合いの
喋り方で言った、あ、ダメだわこの子めんどくさいタイプの子だわ。
「え、えーと?この近くに村があると思うんだけど……君、知ってるかな?」
「それなら知っておるぞ、我の住む村がそうじゃ、それと我を「君」
と呼ぶな、我はルースィーじゃ!我を子供扱いするでない」
……アレか?これが俗に言うロリババアってやつか?
なんだかこれから大変な事になりそうだ……。