第十話 ルーレット
運の悪さを能力でねじ伏せるスタイル
「さて、と」
俺は荷物をまとめ、必要なものを袋に入れた。
「準備できたよー」
「OK、じゃあ、いくか」
俺たちは、冒険者ギルドの方へと向かった。
「ここか?」
「そうです、今はもう開いているので入れるでしょう」
俺たちは扉の方へ向かい、ギルドの中に入る。
そこには、明らかに武器と、見て取れる物を持っているものが
多数いる、それらしい場所だった。
「いらっしゃいませ、食事や飲み物の注文はあちらのカウンターまで
冒険者関連のことでしたら、あちらにある受付の方へどうぞ」
女性店員が、そう言って飲食物をテーブルへと運ぶ。
「なんか……すごい場所だねぇ……」
「そうだな、ここにいる客のうち一人は荒くれみたいなのでもいそうだ」
そう呟いて先ほどの女性店員の言っていた受付の方へと行く。
「あの~、すみません冒険者関係の受付でいいですよね?」
「はい、そうですよ、ご要件は、冒険者登録の事でしょうか?」
「ええ、まぁはい、冒険者のことについてよく知らなくて……説明を
受けに来たんです、場合によってはなろうかと」
「そうなんですか、では冒険者登録の件ですが
登録には、登録料が必要なんですが、いくらお持ちでしょうか?」
俺はルースィーの体を肘でちょんちょんと突く。
「これぐらいだよ(小声)」
「あるぇ?す、少なくね?(汗)」
「元々そこまでなかったから……宿代でほとんど……(小声)」
「仕方あるまい……(小声)」
財布を掴んで受付の人に見せる。
「これは……申し訳ございません、少々足りませんね……」
ですよね~~
「は、はは、そうですか」
そう言って苦笑し、財布を返してもらう。
「じゃあ、また改めて用意してから来させてもらいます」
そう言って受付から離れ、近くのテーブルに座り、テーブルに頭を乗せ
項垂れる。
「どうしよう……」
「どうしようね…………」
俺はそう言って顔を上げ周りを見渡す。
「なにか、金増やせる物でもあれば……」
そう言って、なんとか、金を用意できないものかと周囲見る。
「お、ルーレットか」
そこにはカジノなどにある様なルーレットがあった。
「ん、あれやるの?当たらないよ、そうそう」
「まぁ……機械的な賭けなら……ね」
「やったことあるの?」
「いいや、全然、あっちには実物ルーレットなんてなかったし」
「やめた方がいいんじゃ……」
「大丈夫だ、そんなに全額は使わない、一回やって無理だったらやめるよ」
「必勝法でもあるの?」
「まぁ、ね」
そう言ってルーレットのある方へと向かう。
「お、あなたも参加しますか?」
「はい、一回試しに……」
そう言って少額の金を渡す。
するとディーラーは横にある機械に金を入れてチップに変える。
ある程度はルールは知っている……大丈夫なはずだ。
ディーラーがベルを鳴らす。
俺は適当な場所にベットする。
すると、ディーラーはノブを捻ってホイールを回し、ボールを入れた。
よし……来た……。
俺はじっくりとホイールを見つめる。
ホイールの回転速度、ボールの速度を計算し、結果を導き出す。
14……。
俺は14に全チップのベットを変更する。
「それまで」
そう言うと周囲がベットの変更、追加を止める。
ボールが止まった場所は………
14だ。
「14です」
「おお、ツイてるな、兄ちゃん」
「すごい、すごい!マサト、運いいんだね」
なるほど、こういう方法でもいけるわけね。
「ルースィー、やっぱあと何回かやるわ、待ってろ、ちょっと稼いでみる」
その後、同じ方法で幾度となく勝ち続け、周囲の注目を浴びていた。
「いやぁ、稼いだ稼いだ、意外とうまくいくもんだな」
「凄いよ、マサト、どうやったの?」
「うん?いや、ただ計算しただけだよ、止まる所をね」
「……もしかして……凄い頭良い?」
「多分ね、さて、もう一回登録しにいくか」
俺たちは冒険者の受付の方へと向かった
頭脳プレイ(ギャンブル)