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ホーリーエピック  作者: シロクマ周介
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決着

すると剣の形が徐に変化し始めた。

細長く伸びる針のような刀身。見た目より少しばかり重みのある両刃。そして強く印象付けるのが金属を手を覆うように湾曲している柄。


まさしくレイピアだ。


ダークゴーレムは異変に気付いたのかすぐさま拳をアルフに向けて飛ばした。一発ではなく、何発も連なる連鎖攻撃にハルは少し心配そうな表情を浮かべる。

しかしアルフは春の心配を裏切ってくれた。


アルフの体の何倍もあろうかという大きな拳を紙一重で交わし、その間を縫うようにゴーレムまでの距離を詰めた。


ある程度近づいてくるとアルフの意思とともに刀身は光を纏いそれを放出するように光でダークゴーレムを包み込んだ。


一瞬。

誰もーーアルフですら予想もしなかった一撃。

その光はその硬い絶壁を穿(うが)ち、崩れ去った後の虚空(こくう)からアイテムらしきものが天からの贈り物のように舞い降りてきた。


「アルフ君・・・・・・僕はとんでもないものを見つけてしまったようです。君は未知の能力を秘めている」


ハルはまじまじとレイピアを見つめた。


すると驚くことにレイピアはまたも異様な光に包まれ始める。


「え!?」


アルフは握っていた剣を地面に落とし眩しい目をした。


しかしその光は息する間も無く消し去られ今まで見ていたものが夢と言わんばかりにもとの長剣に戻っていた。


「ゆめ・・・・・・じゃないですよね?」

「あ、ああ。僕も今混乱していてよく分からないが」





「あーつかれた」


ハルは帰ると同時に走り込み、その勢いのままソファに飛び込んだ。


「お前何もしてねーだろ」

「そうですよ何もしてない」


相太は怒りをあらわにする。それに続き相太の後ろから小さな顔を出した。


「まぁ、それはいいけど問題はアルフ君の方だね」

「ああ、あんな武器今までに見たことないな」

「たしか、形状が変化しましたよね?」


アルフを置き去りにして話が飛び交う。一方アルフはというとただただホケーとしたまま言葉の打ち合いを眺めるだけ。


「どうなんだアルフ」

「あ、えと・・・・・・」

「ん?」

「散歩してきます!」


アルフは扉を押し倒すように開け一目散に駆けた。





「はぁ、逃げてきたはいいもののこれからどうしようか」

「そこの少年」

「・・・・・・」

「君だよ、君」


アルフは慌てて声のほうを向く。


「お、俺ですか!?」

「そう。君の戦いぶりを見せてもらったよ」

「? イーアグルの時ですか?」

「そうだ。君がもつ武器にも興味があるが、それ以上に君自身にも興味がある」


「VCMMO『アリア』の全日本大会の優勝者ホーリウィンドのアッシュさん」



VCMMO=バーチャル・リアリティ空間で実行されるネットゲームのこと(ニコニコ大百科より)

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