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美少女たちの願い聞き届けます

 ああ。セレナ……。

 きみはなんて優しい子なんだ! まさにパーフェクト美少女だ!


 おれはいま、レミアのグーパンによって赤くなった頬を、セレナの治癒魔法で治してもらっている。

 レミアにグーパンでぶっ飛ばされた後、すぐに駆けつけて心配をしてくれ、頬が少し赤くなっているのを見ると、すぐに、治癒魔法をかけますので動かないでください、といって治癒魔法をかけ始めてくれたのだ。なんて優しい。


 そしてセレナはおれの頬に触れるか触れないかの位置にその綺麗な手をかざし、ヒール、と唱えると、ポワンッと優しい光が生まれる。

 その光はまるでセレナの温かい手のぬくもりが伝わってくるかのような、そんな心地よい光で、おれの頬を癒してくれる。


 いやまぁ、実際にはまだセレナに触れたことないからわからないけどな。

 だがそれも近いうちに実現できるだろう。

 

 しかし、これは役得役得。

 セレナの美しいお顔がこんな間近に! しかもなんていい香りなんだ! たまらん!


 おそらくだが、おれはもう治癒魔法は使えるはずだ。どんなものかのイメージはできたからな。

 だがおれは怪我をしても治癒魔法は使わん! 決めた!

 なぜかって? 当然だろう! こんな美少女に治してもらえるのになんで自分で治さないといけないんだ?

 弱った身体を美少女に治療してもらう。それ以上の治療があるわけないだろ!

 だから自分には決して治癒魔法は使わん! 

 もちろん女の子には使う! それはもう、頭のてっぺんから足のつま先までくまなく治療してあげるつもりだ。ぐへへ。


「アキト様。終わりましたわ」


 セレナがそう言ってかざしていた手を下す。

 おれがなにやらよからぬ決心と妄想をしている間に、どうやら治療はに終わってしまったようだ。


 え? もう終わり? はやいよ、セレナ……。もう少しゆっくりでよかったのに!


 おれはがっくりと肩を落とした。


「それにしてもレミア。なにもグーで殴ることないだろ?」

 おれはしくしく、と泣き真似をしつつ、殴られた頬をいたわりながら、傍らで、特に悪くもないのに心配そうにおれを見つめるレミアに言ってやった。

 


「うっ……ですがあれはアキト殿が悪いです! 私はこの口調から普段はよく男性っぽいなどと言われますが、こ、これでも16のか弱き乙女なのです! その乙女の胸を許可なく触れたのですからそのくらいは当然の報いです」

 レミアは頬を真っ赤にして答える。


 おや? 今の反応はなんだ? 今回悪いのは明らかにおれだ。ならさっきまでのレミアならもっときつい言葉が来ると思ったんだが。

 もしかして、こうゆう状況には免疫がないのか? 口調もなにやらあらたまった感じになってるし。

 案外、普段の口調はこういう面を隠すカモフラージュだったりして? 副団長としての立場もあるしな。

 ふ。確かめてみるか。


「なら、許可を取ればいいってことだな? 触らせてください」

 おれは満面の笑みでお願いした。


「なっ! だっ……ダメに決まっているでしょう! そういう意味で言ったのではありません! そ、そもそもなぜ、私のような可愛げのない女の胸が触りたいのですか!」

 レミアは一層、頬を真っ赤に染めて叫ぶ。


 やばいかも……。この反応、めちゃかわいいんですけど! 

 いやいや、まさかレミアがこんな初心うぶな少女だったとは。


「そんなの決まっている! レミアが最高にかわいく、そしてその胸が最高に気持ちよく、柔らかかったからだ!」

 おれはビシッと、レミアの胸をさしながら強く答えた。


 やばい! スイッチ入りそう。止まらん! 


「か……かか、かわいくなどありません! か、からかわないでください! それに私はその……そ、そういうことは、お、夫となるものにしかゆるしません!」

 レミアはなにやらモジモジと、必死に言葉を発するが、もはやその綺麗な顔ははゆでだこ状態である。


 ……ダメだ! これはダメだ! とんだ伏線が存在していた! 

 よもやレミアがこんなにも恥ずかしがり屋の初心美少女だったとは!

 これは何としてでもセレナとそろって嫁に迎えたいところだ。


 しかし、2人を同時に惚れさすことができるだろうか?

 いやいや、何を弱気になっている! 思い出せ! おれは何のためにここへ来た!

 世界を救い、困っている女性を助け、そして今度こそ童貞を捨てる! そう誓ったはずだ!


 そしてここは日本ではない。王国や国王までいるのだから、ここは一夫多妻制のはずだ!

 それにミルフィだって、結婚した方が早く世界を救えるというようなことを言っていた。

 しかし、たかが1人嫁にしたところで、簡単に救えるはずはない。この世界には人間以外の種族だっているんだしな。

 ならばあれは複数の女性と。という意味だろう。

 ということは一夫多妻制なのは間違いない! 

 したがっておれに、どちらかを諦めるなんて選択肢は存在しないのだ!

 安心しろ。おれにはとっておきの秘技があるじゃないか。

 それを繰り出す絶好の機会までは、無理に焦ることはない。ふふふ。

 

 と、ここまでをおよそ1,5秒で思考し、次の言葉をレミアに向けて発しようとしたところで、セレナが割って入ってきた。


「アキト様。そろそろからかうのをおやめになりませんと、レミアが恥ずかしさのあまり倒れてしまいますよ。大丈夫? レミア? うふふ。それにしてもまさか、わたくしやメイシア以外の方の前でレミアがこのようなことになるなんて。よほど自分よりお強かったアキト様が気に入ってしまったのかしら?」


 だが、おれを止めに入ったセレナの言葉が、結局は止めを刺す結果になってしまった。


「ッ……、あうぅ……」


 と、可愛らしい声を上げるとともに、レミアはパタンと倒れてしまった。





 

 しばらくして、落ち着きを取り戻したレミアが目覚めたところで、ようやく今回の本題に入った。


 ……まいったな……。

 とんでもなく厄介なことになってるぞ。

 まさかここまで大ごとだとは。


 2人がおれに協力してほしいこととはこういうことだ。


 単刀直入にいうと、セレナの国、ローズマリー王国を救ってほしいとのこと。

 なんでも国王陛下の最も信頼していた家臣が謀反を犯し、国王陛下を人質にしているそうだ。

 しかもその家臣はレミアの父親で、さらには騎士団団長だという。

 それ故か、団員からの人望は厚く、全員が、レミアの父親についているのだそうだ。

 

 2人は国王陛下ともう1人、メイシアというレミアの妹で、セレナ専属の侍従である美少女が身代わりとなったおかげでなんとか外へと逃げだし、こうして腕のある協力者を探していたということらしい。


 あっ、ちなみにメイシアという子は、レミアの妹ということで勝手に美少女と決めた。

 まぁ歳も一つしか違わないようなので、レミアほどの美少女の妹なら、間違いなく美少女だろう。


 そして、ことが起きてから今日で五日目。

 おそらく国王陛下やメイシアちゃんは殺されてはいないということで、牢に監禁されているだろうとのこと。しかし、早く助けなければそれもどうなるかはわからない。

 それから最悪なのは、現状が長引いた場合、他国に現状が知れ、一気に攻めてくる可能性もあるらしい。そんなことになれば、いまの状況では間違いなく敗北するとのことだ。 


 とまぁこんな感じなのだが……。

 ……どうすればいい? いやもちろん助けたい。助けたいに決まっている!

 だが冷静に考えてもみろ。相手はこの国の騎士団全員。

 つまりこの国の戦力そのもの。まさに一国を相手にしなければならない。その数は、聞けばおよそ三千らしい。


 いくらおれが最強だといっても、はたして一国を相手に勝利できるのだろうか?

 時間は本当にないらしく、おれが断った場合、2人だけで助けに行くそうだ。

 いや、セレナは戦うことに関しては全く駄目らしく、実質レミア1人でやらねければならない。

 そんな無謀なことをおれがさせるわけがない。

 しかし、このイスディアに来ておれはまだ、自分の最強の力というのがどういうものなのかわかっていない。


 それは1対1であれば絶対負けないものなのか。

 はたまた100対1であっても大丈夫なのか。

 なら3000対1は?

 

 力を貸すなら、おれは2人を戦わすわけにはいかない。

 レミアには悪いが、確実に守れる保証がない以上、やはり戦わせることはできない。

 おれは女の子が傷付く姿など見たくはないのだ。もう二度と……。


 日本でおれが殺されたとき、結局おれは元カノを悲しませてしまった。

 あんな思いはもうしたくはない。


 おれの身体が震える。

 怖いんだから仕方がない。

 おれはどうすればいい? どうすれば――


(震えているのですか? 彰人様)


 ッ……


 突然、頭に優しい声が響く。

 

 ああ、そうか。ははっ。

 ……遅ぇよ、ミルフィ。


 おれは頭の中で言葉を返す。


(申し訳ありません! ですが、もうこちらの用事は終わりましたので、これからはずっとおそばにいられますわ。それで彰人様はいったい何に怯えているのですか?)


 ん? ああ。怖いんだ……、大切なものを守れなかった時のことを考えると。


 おれはミルフィにその気持ちを素直に打ち明ける。

 だが、ミルフィから帰ってきた言葉は、おれの恐怖を根本から吹き飛ばす、とんでもないものだった。


(そうですか……。それはそうですよね。まだあれから一日も経っていないのですから……。ですがご安心ください。私が、愛する彰人様にほんの少しだけ勇気を差し上げます。よく聞いていてくださいね)


 おれは今だ震える身体を抑え付け、ミルフィの言葉に集中する。


(いいですか? 私が彰人様にさし上げた力は、たとえその世界、イスディアに存在する、生きとし生けるものすべてを敵に回しても、決して負けない、そんな力ですよ。ですからほら、いつもの私の大好きな彰人様に戻ってください)


 その言葉を聞き遂げた瞬間、身体の震えが嘘のように掻き消える。

 まるで金縛りからようやく解き放たれたような、そんな感じだ。



 ぷっ、ふはははははは。

 すべてを敵にしても勝てるって、どんなけ最強なんだよおれ!

 あははははは、たかが3000人にビビってたのがバカみたいじゃねぇか。

 でも、サンキューな、ミルフィ。さすがおれの婚約者! 最高の嫁だよ、ミルフィは。


(あう! そんな、一番だなんて……。彰人様の力になれて嬉しいです! 愛してます!)


 ミルフィが照れた口調でいう。


 やっぱりかわいいなぁ。

 ん? でもおれ一番なんて言ったか? そもそもおれは惚れた女の子に順位なんてものはつけないんだけどな。まぁいいか。ミルフィが特別なのは事実だしな。

 

 おれも愛してるぞ!


 おれはそう一言返す。

 ミルフィはどうやら悶えているようだ。

 大丈夫か?

 

「アキト様?」

「アキト殿、どうしたのだ?」


 なにも喋らなくなったおれを心配したのか、2人が尋ねてくる。


「アキト殿。無理を言っているのは分かっている。だが私はどうしても王宮へ行き、父上を止めたい。そして、あの厳しくも優しい父上が、なぜ謀反など起こしたのか、私は知りたい。だから……この通りだ……。アキト殿の力を貸してくれ……」


 そういって、レミアは深く、おれへと頭を下げる。


「レミア……わたくしからもお願いします。どうかアキト様の力をお貸しください。無事ことを済ますことができた際には、わたくしにできることならなんでも致します」


 セレナも頭を下げてくる。

 

「……2人とも頭を上げてくれ」


 そして2人は同時に頭を上げ、おれを見据える。

 その表情は狂おしいほど儚く、愛くるしいほどに美しかった。


 あぁ。そんな悲しい顔するなよ。惚れちゃうだろ。命賭けて守りたくなるほどに。

 まぁ最初から惚れてるけどな!


 だからおれは一言だけ、2人に答えた。



「おれにまかせろ!」


 

 

 

 




 




 

 

   

 


 


 


 


 



 

 

ちょっとずつ3人のヒロインたちがどんなタイプなのか決まりつつあります。

 う~んはたしてこのまま行っていいのだろうか……。

今回は久々、ミルフィ登場しました。

いったい用事とはなんだったのでしょうね?笑


次回は作戦のようなものと、王宮内の状況の予定ですが、どうなるかわかりません。


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