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魔法使ってみました

 町を出て森に入ったおれは、最初に倒した熊、ビッグベアーのとこまで向かってみることにした。

 

「ん~確かこの辺だった気がするけど……。お? あそこだ」

 おれはなぎ倒された木があるのを見つけると小走りで駆け寄る。

 ビッグベアーやはり絶命していたらしく、あの時のままだ。

 放置してほかの魔物に食われるくらいなら一度オッサンに持って行って食べれるか聞いてみよう。

 ということでどうやって運ぼうか? 


「絶対1人じゃ無理だよなぁ」

 おれはそんなことを思いながらも一応、試しにおぶってみることにした。

 おぶるといっても、ビッグベアーは軽く3メートルはありそうな巨体のためほとんど覆いかぶさるといった具合だ。


「せぇの! ……?」


 結果は拍子抜けなほどあまりにも簡単に持ち上がった。

 結構力を入れたのにまるで綿でも背負ったような軽さだった。


「なんでこんなに軽いんだ?」

 疑問に思ったおれだったか、自分の身体になにやら変化があることに気付く。


「なんだこれ? そういやこいつぶっ倒した時もこんな感じだったような?」

 おれの身体はなぜか無色に光っていた。いや、無色なので光っているように見えるといった感じだ。

 それも力を込めているところの方が輝きが強いような気がする。

 つまりこいつのおかげで、この巨体を背負うことができたのだろう。

 ということはこれが魔力を使った身体強化ということだろう。

 

 とりあえずおれはビッグベアーを下していろいろ試してみることにした。


「さてと、まずは……」

 おれは輝きを維持したまま大木の前に立った。

 どうやらこの輝きは集中していれば維持できるらしい。

 おれはそのまま大木に正拳突きを放った。もちろん拳が当たる瞬間力を込める。痛かったらいやだし。 そして力を入れた瞬間、拳の輝きが激しくなるのを感じた。それから拳が当たり、大きな音を立てて、大木が折れた。


 うわぁぁ……まじかよ。結構手加減したはずなのに……。

 おれは今更ながら自分の強さに衝撃を受ける。 

「これで魔法まで最強とかえげつないだろ。弱点ねえじゃんおれ。まぁいいか。これならどんなくそ野郎が相手でも女の子を守れるしな」


 そうだ! そうして助けた女の子と仲良くなり、今度こそ童貞を卒業してみせる! 

 おれはグッと拳を握り気合を入れた。 



 その他いろいろ試した後、ビッグベアーを、担いでというより最早頭で支えて引きずるようにして、ひとまず町へ戻ろうとしたおれだったが、森を抜けるあたりで依頼のリストにあった豚っぽい全身真っ赤な魔物3匹と遭遇した。

 豚はどうやらおれを標的にしたようで、一斉に突進してくる。


 おれはジャンプでかわす。もちろんビッグベアーは背負ったままだ。

 足に力を入れれば背負ったままでも軽く10メートルは飛べた。これはさっき確認しておいた。

 

 おれを見失った豚どものうち1匹をを上からそのまま踏みつける。

 激しい振動と共に豚の頭が地面にめり込んだ。


「まず1匹!」

 おれは残りの2匹を見やる。

 だが驚いたことに2匹の豚は口を大きく開けたかと思うと、そこから火の球が飛び出してきた。


「うお! これが魔法か? ファイヤーボールって感じだな」

 魔法を使ってきたことには少々驚いたが、なぜか脅威に感じることがなかったため、2つのファイヤーボールに向かって蹴りを繰り出した。

 すると風圧で難なく消滅した。


 あちゃ。蹴り返せないのか……。まぁ火だしな。でもあれって魔法だから魔力でもあるんじゃないか?

 なら火じゃなくて魔力を蹴るイメージでやらないとだめか?


 しかし魔法かぁ。やっぱ使ってみたいよな。 よし、やってみよう! 実際にファイヤーボールは見たわけだし、あんな感じでイメージすればできるんじゃないか? ミルフィもイメージできれば大丈夫みたいなこと言ってたしな。

 ああ、でも火を使う魔物に同じ火の魔法じゃ意味ないかもな。

 火の弱点はやっぱり水だよな? ということは今のイメージで火を水に変えればできるんじゃないか?

 うん。なんかいける気がする。


 おれはそう思い、なんとなく試してみた。

 片手を2匹の豚に向けて構え、そしてなるべくかっこよく魔法名を口にする。


「いくぜ! ウォーターボォール!」

 まぁ、魔法名はそのまんまだ。


 するとおれの手のひらから奇跡的にも、イメージ通りに水の球が飛び出て、豚どもに直撃する。

 水の球はなぜか異常に大きかったため、激しい水柱が立ち、しぶきが雨のように降り注いだ。

 

「おお! できた。ってか威力強すぎじゃね? こんなもん?」

 被弾した個所には大きな穴が開いており、そこには水が溜まっていて、2匹の豚がプカプカ浮いている。はやり弱点だったようだ。

 まぁ弱点じゃなくてもこの威力なら一撃で終わったと思うが。

 しかしこいつらどうするかな?

 さすがに手が足りないなぁ。一度放置してオッサンを呼びに行くか。

 

 そしてちょうどそのとき、タイミングよく町の方からオッサンが5人の武器を持った男たちを引き連れてやってきた。


「おーい、兄ちゃん。無事かぁ? ってなんじゃこりゃあ!」

 来て早々オッサンはひっくり返ったような声を上げる。一緒にやってきたオッサンたちもみんなびっくりしていた。


「ああオッサンちょうどいいところに。運ぶの手伝ってくれよ。

 それとこいつって食える? 食えないなら捨ててくるけど」

 おれはオッサンに、地面にズシンと下したビッグベアーが食えるのか確認する。


「お、おい兄ちゃん。こいつは兄ちゃんが倒したのか?」

「ん? そうだけど? もしかして食べれなかった?」

 おれは無駄足だったかなと若干気を落とすが、おれがそう聞くと一瞬固まった後慌てたようにそれを否定する。


「いやいやいや、食えるぞ! そいつはここいらじゃ最高級の食材だ! なにせ数が少ないからな。

 その上、凶暴で見つけてもなかなか手出しのできん、この森のボスみたいなやつだ。

 それをいったいどうやって倒したんだ?」


「どうって、ただ殴ってぶっ飛ばしただけだけど? でもよかったよ。リストになかったから食えないのかと思ってたんだよ」


 おれがあっさりと倒したことを話すとオッサンたちは完全に固まってしまった。

 しかし、おれのとらえた獲物はこいつだけぢゃないので、そのまま続ける。

 

「オッサン。こいつは確かリストにあった、なんとかピッグってやつだろ? 見た目豚だし」

 そう言っておれは頭がめり込んだままの豚を引っ張り出してオッサンの前にドサッと置く。


「え……? いや……こいつはリストにあるやつじゃないな……いやまて! こいつはファイヤーピッグじゃないか! それも3匹も……」

 オッサンの言葉に他のものが再び驚愕する。


「なんだ。絶対リストのやつだと思ったのに」

 んじゃ捨ててくるか。

「まてまてまて! どこへ持っていく?」

「え? リストのやつじゃなかったし、いらないかと思ったから捨ててこようかと」

 何やら慌てておれを呼び止めるオッサンに、首をかしげながら答える。

 

「はぁ。兄ちゃん、ほんとに何も知らないのか? いいか? 魔物のってのは肉のついている奴なら大抵はおいしく食える。そんで今回おれたちが狙っていたのは、魔物の中でも比較的おとなしい、危害を加えなければ安全な魔物だ。そして、兄ちゃんが捕ってきたのは人を視認したら襲ってくるような凶暴な魔物たちだ。リストに入れてないのは、おれたち程度では殺されるだけだからだ。

 だがそういった凶暴性が高い、討伐が難しい奴ほど美味いんだ。

 だから兄ちゃん! よくやってくれた!  こんだけいれば今日の狩りは必要ねぇ。それよりせっかくこんな高級食材が手に入ったんだ。今夜はみんなで宴だ!」

 オッサンの言葉に皆が嬉しそうに同意する。


 おお! なるほどそうだったのか! ってか宴! 面白そうだな。

 かわいい姉ちゃんとかいるかな? いたらいいなぁ! 酔いつぶれたお姉さまを優しく介抱なんて展開があれば最高だ!

 ちなみに自分が酔いつぶれると介抱できなくなるからおれは飲まん。まぁどのみち二十歳過ぎてないから飲めないがな。


 ということでファイヤーピッグはオッサンたちに任せて、おれはビッグベアーを背負って皆意気揚々と町へ戻っていった。 

 


簡単魔法ですが使ってみました。

これからどんどん使っていけたらと思います。

ちなみにこの作品の魔法は特に決まった魔法を使っていくことはないのす。

なにせ主人公に出来ないことはほとんどありませんので。

もちろん今回のように定番の魔法も使いますが、変わった魔法の使い方、つまりオリジナル魔法をバンバンあみだせたらなぁと思っています。

なにか面白そうな魔法の使い方などあったらぜひ教えてもらえるとたすかります。あっそのまま使うつもりはありませんよ?


さて次回はいよいよヒロインの登場です。

皆様ぜひよんでくだいさい!

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