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20/22

生殺しは厳しい

遅くなりました。

もうなんか内容がまずすぎる気がするw

ごめんなさい。

「ん? フェンネル王様、なにやら外が騒がしいようですぞ?」

「ふ、気にする必要なかろう、フラックス王。どうせ余の崇高な考えの理解できない愚民どもが押しかけてきたのだろう。だが外には余の兵士と貴公が連れてきた兵士が合わせて1万もいるのだ。すぐに静かになろう、ハハハハハ!」

 そう下衆びた高笑いで余裕を決め込むフェンネル王。傍らには怯えきった、あるいは絶望しきった瞳の美少女たちを侍らせている。

「くくく、まことその通りですな」

 同じく下衆びた口調でそれを肯定するフラックス王。

 だがこの者たちは知らない。死者がすでにそこまで迫っていることを。






 王宮の内部に入ったおれたちは、レミアとシア、エミリィ。それからおれとセレナの二手に分かれた。 それというのも、王宮内には腕輪で脅され奴隷にされた美女、美少女たちが命令された仕事を、外でおれがあれだけ暴れたにもかかわらず、必死にやっているようで、その人たちの腕輪を外し、外へと連れだしてもらうためである。

 ただ、本音を言えばおれがその役目をやりたいところだったのだが、生憎とすぐにでもぶっ殺してやりたい下衆がいるため、二手に分かれたのだ。


 え? 敵の本拠地で大切な嫁から目を離して大丈夫かって? 

 確かにおれも一瞬思った、思ったんだが向こうにはエミリィをつけてあるし、そもそもアホなことに内部には兵士1人見回っていないっぽいんだよな。

 ほんとにたかだか3人の進入に全兵が向かってきたらしく、馬鹿というしかない。

 はっきりいってこれならおれがやらなくても勝てたんじゃないかとさえ思う。

 まあどのみちおれを怒らせたんだからおれぶっ殺すけどな。


「アキト? わたくしも向こうへ行った方がよかったのではありませんか? アキトについていても何もできることはないと思いますけど……」


 おれとセレナが下衆王のところへ向かっているとセレナが申し訳なさそうに問いかけてくる。

 いやいや、全然そんなことないぞセレナ! 

 むしろこっちにいなければ意味がないのだ! なんせフェンネル王は書状にセレナを渡せと言ってきたんだからな。


「大丈夫だ。セレナはこっちでやってもらいたいことがある。これはセレナじゃないと意味ないんだ」

 おれはそういうと、こそこそとセレナに耳打ちする。


「……ええっ!? 本気ですかアキト!?」

「あたりまえだろ? どうせならぶっ殺す前にとことん見せつけてやるさ。女性を不当に扱う下衆野郎には一生味わうことのできない愛のすばらしさってやつを!」

「うぅ……わかりました。できるかぎりやってみます。でも、その、あまりやりすぎないように優しくお願いしますよ? 本当に立てなくなってしまうんですから」

 セレナは恥ずかしがりながらも了承し、かわいくお願いしてくる。

 

「はは、心配すんなよ。ちゃんと加減するって」

 よっしゃ! これでつまらない戦いも楽しくなるぜ! やっぱりご褒美がないとな!

 おれは心の中でガッツポーズをし、足早に下衆野郎のところへ向かった。

 

 幸い魔力の気配はすでに分かるようになっているので、魔力だけは高い下衆野郎の位置は特定できている。 

 っていうかそもそもそんな下衆野郎になんで上級精霊が契約したのか。

 精霊にも腐った考えのやつがいるんだろうか? 

 まあいいか。どうせおれの敵じゃないし。もう着いたし。


 と、早々に無駄に装飾の施された扉の前に到着する。


「さぁて、どんな反応するかお楽しみだな」

 そしておれは拳を握りしめ、扉をぶち破った。


「――! な、なにやつだ!? ここは王の間だぞ! どこの礼儀知らずだ!」

 下衆野郎の怒鳴り声が響くなか、おれは破壊した扉をくぐって中へと入る。


「おいおい、そっちが書状送ってきたからわざわざ来てやったのにそれはないだろ? なぁ、フェンネル王さんよ?」

 おれの前には美少女を数人侍らせたいかにも下衆な雰囲気の男が2人、玉座へ腰を下ろしている。

 どっちがフェンネル王かは知らないが、まあどっちもぶっ殺すからどっちでもいい。


「書状? 何のことかな? 余は貴様にそのようなものを送った覚えはないんだがな?」

 左の下衆がそう答える。どうやらこの下衆がフェンネル王のようだ。

 おれがそっちに視線を向けると、おれの後ろからセレナが前へと出てくる。


「お初にお目にかかります。わたくしロイド・ローズマリーが娘、セレナ・ローズマリーと申します」

 セレナがスカートの裾をつまんでお辞儀する。

 ああ、セレナ……こんな下衆にそんなかわいく挨拶しなくてももっと睨みつけてやればいいのに!


「ローズマリーだと? ほう。たしかに噂通りに美しい。しかしずいぶんと早急に書状が届いたようだな。まぁよい。して、そなたが余の下へ参ったということは同盟を受け入れるということであるな?」

 フェンネル王がそう問いかけてくる。

 だがもちろん、


「いいえ、まさか。わたくしはあなたの様な民を道具のようにしか思っていない方のところへ嫁ぐつもりはありません」

 セレナはそう答え、今度こそフェンネル王を睨みつける。


「ほう。断ると申すか? だが断ればそなたの国がどうなるかくらいわかるはずだが?」

「フェンネル王の仰るとおりだぞ!? 我らには1万の兵がいるのだ。たかが3千ほどしかいないローズマリーでは敗戦は確実。取り消すのなら今ぞ? ぐふふ」

 そう下衆な笑みを浮かべセレナを舐めまわすように見る右の下衆。

 間違いなくフラックス王だろう。

 下衆がっ!


「馬鹿かてめぇ? おれらがどうやってここまで来たと思ってる? てめえらが腕輪で無理やり従わせただけの男たちならとっくに全滅してるさ」

「「なっ!」」

 おれがさぞ馬鹿にしたように答えると目の前の下衆たちが驚愕する。


「……は、はははは! これは面白くない冗談だ。たかが2人でどうやれば1万の兵に勝てるというのだ。余の兵らはほとんどのものが中級精霊と契約しているのだぞ? たとえ上級精霊と契約したものでも結果は変わらん」

「別に信じなくていいぞ。どうせてめえらはここでおれが殺すからな」

 おれはそう言い不敵に笑う。


「これはこれは。フェンネル王? どうやらこの無礼者は我々を馬鹿にしているようですぞ? 人間族の中でもっとも高位の精霊と契約している我々を」

「ははは、そのようだな。では貴様を殺し、セレナ王女には余の妾となってもらおうか。そなたもその方が幸せであろう? 人間族で最も力ある余の妾になれるのだからな。よいか? この世は力こそすべてなのだ。力のない愚民どもは大人しく余に従っていればよいのだ。この女たちの様にな! はははは」

 下衆2人がそう高らかに笑ってみせる。


「ふふふ、あなた方がアキトに敵うはずありませんよ。ですが、万が一アキトが敗北したなら大人しくそちらの申し出をお受けします。その方たちのように偽物の愛情でよければですが」

「なに?」

 セレナの言葉に疑問符を浮かべる2人。

 よし、そろそろ分からせてやるか。


「ああ、言い忘れてたな。セレナはおれの嫁だ。誰がてめぇのような下衆に渡すかよ。だいたい幸せを履き違えるなよ下衆! そんな絶望した瞳の女性たちが本気でてめえに愛情があると思っているのか? 相手の気持ちを無視して幸せだと、どの口がいうんだ? いいか? よく見てろ」

 おれはそいうとセレナを抱き寄せその唇を奪った。


「あ、んっ、んんふぁ、アキっ!、んん――!」

 そしておれが唇を解放するとセレナはヘナヘナと崩れ落ち、とろけそうな瞳で頬をほてらせている。


「--っ!?」

 下衆2人が美しすぎるセレナを見て絶句する。

 当然だ。これだけかわいいセレナに心奪われない男はいねぇ。

 だが、これはセレナに限ってのことじゃない。この世のすべての女性に共通することだ。

 愛する男に愛してもらえる。それ以上の幸せがあるわけないだろう!

 惚れてもらうどころか無理やりしばりつけてるような下衆には分からんけどな。

 

「ははは。どうだ? 羨ましいか? てめえらのように無理やり手に入れた女じゃありえないだろう? いいか? 女ってのはこの世の宝だ! その宝を無駄に汚すだけのてめぇらに女に触れる資格はねぇ。生きる意味もねぇ! だからここで殺す」 

 

「よ、余を愚弄するかクズがっ! い、いいだろう。ここまで馬鹿にされた礼として、余じきじきに貴様を葬ってやろう。さあいでよ、ウォータードラゴン!」

 顔を真っ赤にして怒り狂ったフェンネル王が精霊を召喚する。


 ドラゴン!? っと一瞬驚いたが何のことはない。

 現れたのは青い色の、地球で言うコモドドラゴンだった。

 なんだ、トカゲか。ってか色キモ!


「フェンネル王様、私もこやつだけは許せませんぞ。共によろしいですかな? いでよ、ファイアドラゴン!」

 今度はフラックス王が精霊を召喚する。

 当然ドラゴンじゃないが。

 こっちは赤いトカゲだ。下衆がそろいもそろって色違いのトカゲと契約してるとか。

 

「ふはははは、そうだな。こやつは徹底的に痛めつけてから処分してやるとしようか、フラックス王」

「もちろんですぞ、フェンネル王様。くくくく」

 下衆王2人はこれで終わりだ、とでもいうような笑いでおれを見てきた。

 

「馬鹿かてめえら? そんな気色悪いトカゲを召喚しただけで何粋がってやがる? おいでエミリィ」

 おれはエミリィを呼ぶ。


「向こうは全員外に出たか?」

「はい。王宮内はこの場にいる方しか残っていません」

 そう笑顔で答えるエミリィ。

 

「オーケー。ありがとなエミリィ。じゃあエミリィ、あのトカゲの相手をよろしく。おれはそこの下衆を片づけるから」

「わかりました、ご主人様!」

 返事をしてエミリィがトカゲを見る。


「はっ! そんな小さな精霊になにができるというのだ? 舐めるのもいい加減にしたまえ! 『ウォーターカノン!』」

 フェンネル王の精霊が口を開けそこから巨大な水鉄砲のように魔法が発射される。


「クス、どうやらそこのトカゲさんには調教が必要のようですね。いいですよ。『フリーズ』」

 調教とか恐ろしいことを言ってエミリィは氷魔法を発動。

 すると向かってきていた水が先端から一気に凍り付き、そのまま伝わるようにして青いトカゲをも氷漬けにする。

「な――!? ばかな! そんな。余の精霊は水の上級精霊でもっとも高位の精霊なのだぞ! 氷魔法だって使えるのだ! なぜ格下の魔法で返り討ちになる!」

「クス、さあ、なぜでしょうね。もっとも高位の精霊の中で最も下位の精霊だったのではありませんか?」

「おのれ! 『ファイアカノン!』」

 フラックス王が氷を溶かそうと火炎放射のような魔法を放った。


「な、なぜだ!? なぜ溶けん?」

 結果を目の前に疑問符を浮かべる。


「当然ですよ。たかが上級精霊のたかがあなた方の魔力で放った魔法で私が放った魔法を上回るわけないでしょう? 『アクアドラゴン』」

 エミリィは驚愕するフラックス王の精霊に容赦なく次の魔法を放つ。

 伸ばされた小さな腕からありえないほど巨大な水龍が生まれ、グオォオ! と咆哮の様な唸りをあげ、赤いトカゲを襲った。 

 赤いトカゲは一撃で、シューと消える。

 よわっ! え? 一応上級精霊なんだからもっと頑張れよ。

 ああ、火だから水に弱いとかか?


 すると横でバリン、と氷が砕ける。ついでに青いトカゲも砕け散って消える。

 ちなみに精霊は死んだりはしないらしい。こうした多大なダメージを受けて消えた場合、下級精霊まで落ちるらしい。


「な……なんなのだその精霊は!?」

 フェンネル王がたじたじと後ずさりながら震える声で投げ掛けてくる。


「これから死ぬ奴に教える必要あるか? さあて、覚悟はいいか? てめぇらはおれが一番許ねぇことを、女を悲しまることをした。そして何よりおれの女、セレナを実力でなく卑怯な手で奪おうとした……。それがそういう意味か分かるか?」

 おれはゆっくりと下衆王たちに歩み寄りながら、魔力を溢れさせ睨みつけながらそういう。


「ひっ!? わわわわわ私はフェンネル王に無理やり従わられていたのだ! だから、だから助けてくれ!」

「き、貴様! 余を裏切るのかっ!」

 フラックス王が泣き叫びながら言った言葉にフェンネル王が激昂する。


「は! 安心しろよ。せっかくだ命は取らないでおいてやるさ。てめぇらみたいな下衆、最早殺す価値もないしな。その代り徹底的に生き地獄を味わわせてやるからよ……。『永久凍結フリーズ・エンドレス


「「や、やめ――うわぁ――!……」」

 


 


 静まり返った空間に、下衆の氷漬けが完成する。

 もちろんこの状態でも死なないように作った魔法なので殺してはいない。それどころか意識もあるだろう。

 ただし、どこもかしこも微塵も動いたりはしないけどな。


「さて、んじゃこいつを海に捨てようか。たしか海にも魔獣っているんだったよな?」

「え? はい。海蛇やシャークといった巨大な魔獣など多々生息しているようですけど」

 セレナが少し驚きながらも答える。ちなみにセレナの足元はフラフラだ。

 ちょっとやりすぎたか? いやでもちゃんと加減したし。


「そうか、ならちょうどいいな。たかが氷漬けじゃ甘すぎるからな。たっぷり生き地獄を味わってもらうさ。文字通りの生殺し状態でな!」

 おれはそういうと海の方目掛けて氷漬けになった2人をドン! ドン! とおもっきり殴る。

 氷は天井を突き破ってはるかかなたへとぶっ飛んで行った。


 ははは、男にとって生殺しはきついぞ? 各ゆうおれも昨夜味わったからな! グスンw


「よし、じゃあ外に出るぞ」

 そういって隅っこに避難していた美女、美少女たちの腕輪を外し、全員で外へと向かっていった。

 



 




  

 




 

+ 

さて、第1章も次回のエピローグで無事終わりを迎えます。やった~!

ということで今後登場するヒロインの特徴を次々回くらいで紹介がてら名前を募集します。皆さんその時にはご協力を!


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