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美少女探しの第一歩

予想よりはるかに皆様に読んでいただけているようなので早速投稿しました。


 転生先で目覚めたおれは森の中にいた。

 横たわったまま空を見上げると木の枝や葉の隙間から日差しがこぼれている。

「まぶ!」

 

 おれはゆっくり上体を起こし、周りを見るが、かなり深い森なのか360度、遥か先まで木が生い茂っていた。


「ここはどのへんなんだ? せめて人がいるところに転生させてくれればいいのに」

 そんな愚痴をこぼしていると背後から木の枝が折れたような音がし、何かの気配が感じられる。

 お? もしかして人か?

 という若干の願望を持って恐る恐る振り返ってみたが、そこには人ではなく2本の足で直立する巨大な熊? が上から見下ろすようにがん見していた。


「は? え? えぇぇぇ!」

 ななななな! なんだこれ! でか! ってか熊? うそだろ! 

 そ、そうだ! 熊にあったら死んだふりだ! そうすればほら、やりすごせるはず。

 そう思い立ったおれは早速死んだふりをする。


「グオォォォォ!」


 はい無理ぃぃぃ! だれだよ死んだふりがいいなんて言ったやつ! もろ攻撃してきてんじゃん!


「うわあぁぁぁ!」

 おれは全身全霊で地面を転がりなんとか熊の攻撃を回避する。

 そしておれはすぐさま立ち上がり一目散に逃げた。



「う、うそだろぉぉ! なんであの熊二足歩行なんだよぉ! しかも足早いし! せめて四足で走れよ!」

 走りながら後ろを確認したおれは猛追してくる熊にそんなどうでもいい突込みを入れる。

 そこへ突然、キーンと頭の中に声が響いた。


(はうぅぅ、ごめんなさい! 彰人様。転生先の座標を間違えてしまいましたぁ)

 おれの婚約者、超絶かわいい女神、ミルフィの声が頭に響く。


「間違えてしまいましたじゃねぇぇ! どうすんだこれ! 死ぬぞ! 転生後三分もしずに死ぬとかありえないだろ! カップラーメンもできねーよ!」

(あうう、すみません。でもでも、いまの彰人様ならそんなクマちゃんなんか一撃で倒せますよ?)

 は? いやいや、どう考えても無理でしょ? ってかクマちゃんって……。

 そんなかわいくねえぞ! なんか額に十字傷とかあるし。どこのヤクザだよ!


(お忘れですか? いまの彰人様はその世界、イスディアにおいて最強の存在なんですよ?)


 お、おおお! そういえばそんなこと言ってたな。よし!

「やってやるぜ! こいっ! 熊野郎!」

 

 そしておれは足を止め熊を迎え撃つべく拳を構える。

「グオォォォ!」

 

 熊は強烈な咆哮と共に突進してくる。

(ん? あれ? なんかこの熊さっきより遅くないか? ってかスローモーションに見えるんだけど……)

 

 そして、なぜかはっきり見えてしまう動きに合わせ、おれは熊の鉤爪攻撃を紙一重で余裕をもってかわし、カウンターで懐に突きを打ち込んだ。

 するとありえないことに巨大な熊は後方へと勢いよく吹っ飛んでいき、いくつか木をなぎ倒したところで止まり、そのまま動かなくなった。


 ええぇぇぇ……。


(お見事です。彰人様! かっこよすぎます)


 なにやらミルフィは満足したようで、おれの頭の中でピンクい声をあげている。

 かわいいぞ、このやろ。さすがおれの婚約者。


「うわぁ……ありえねぇ。どんだけ強いんだよおれ」

(それはもう最強ですよ!)


「まぁいいや。強いのはおれにとってもいいことだしな。それでここはどこなんだ?」


(あ、はい。そこはですね、ビッグベアーの森といわれてまして、先ほどのクマちゃんがそのビッグベアーです。一応、森で一番強いモンスターですね)


「はぁ! モンスター? いや確かに普通の熊じゃなかったけどさ。二足歩行だったし」


(はい。モンスターは普通の動物と違って魔力というものを持っています。ですので魔物とも言います。先ほどのクマちゃんはその魔力で身体能力を高めて、おもに肉弾戦を得意とするようです)

 

 なるほどねぇ。

「魔法とかってどうやって使えばいいんだ?」

(それは一度、魔法を使えるものに実際に見せてもらった方が分かりやすいかもしれません。

 どういう具合で発動するのか知っていればイメージしやすいと思いますので)

「イメージね。確かに使ったことないからまったくイメージできないからなぁ」


 まぁ別に魔法なくても十分強いみたいだからとくに急ぐ必要ないか。

 そんなことよりまず人を探そう。とくに美少女を。そして早く童貞を卒業するぞぉ!


(……あの、彰人様? 私への愛も忘れないでくださいね?)

 

 どうやら心を読まれていたようだ。だが安心しろミルフィ。おれは直球ど真ん中を見送るほど甘くわないぜ。

「大丈夫だミルフィ。おれを信じろ。ちゃんと愛してるよ」

(は、はい! 私も愛しております。彰人様!)

 ああ、かわいいぞ。おれの女神様!


「それでミルフィ。どっちへ行けば人に会えるんだ?」

(あっ、はい。ええと、そのまま真っ直ぐでいいはずです)


 そういわれしばらく歩いてみるとようやく森を抜け視界に結構大きな町が見えてきた。


(どうやらここは人間族が住む大陸のようですね。まぁ多種族の方もそれなりにいるようですが)

 人間族? そういえば種族がどうのこうのって言ってたな?


(はい。イスディアには順に、人間族、獣人族、エルフ族、龍人族、堕天使族、天使族の6種族が生活しています)

 すかさず心を読んで答えてくれる。

 できた嫁だ。

 

 それにしても多いな。でも天使族あるのかぁ。早く見てみたいな。やっぱり白い羽があったりするんだろうなぁ。それこそ天使みたいな美少女ばっかりだといいな。



(彰人様。申し訳ないのですが、私はこれからこちらでしなければいけないことがありますので、案内はここまでとさせていただきます。手が空いたときにまたお声をかけますので)

 え? まじ? もっと世界についての説明とかないの?


(大丈夫です。彰人様ならどこへ行っても仲良くできると思いますので。

 イスディアのことは直接聞いてもらった方が分かりやすいと思います。

 それでは彰人様。がんばってください! 愛しています)


 ミルフィがそういうと何やら頭の中でプツンと音がする。 

 どうやら回線のようなものが切られたようだ。

 それ以降、何度呼びかけても反応はなかった。


 


「とりあえず、町に入りますか!」

 


 そしておれは美少女……もとい、情報を求めて、町へと入っていった。


 



最初は彰人も若干真面目に行動しますが、ほんとに最初だけです。

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