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フェンネル王からの書状

なんだか寝不足で頭回らずすごい適当になってしまったかもしれません。

適当に書いてるわけじゃないんですが……w



 初夜失敗から一夜明け、おれはひとまず元気になった。

 それもこれもエミリィが等身大姿になって一晩中添い寝で励ましてくれたからだ。

 ああ、なんて優しいだエミリィ! 


 それから侍従長が部屋へ訪ねてきて「なぜ自室に戻っているのですか?」とかいわれたが、陛下がおれを呼んでいるらしく、事情を聞かれることはなかった。

 ってかどのみち話せないけどな!

 

 そしておれはいま陛下の前にいる。その場にはラナードとマルク爺もいた。

 3人はまだ寝ているのだろうか? もぉ起きていてもいいころだが。


「ふむ、アキト殿。自室に居ったそうだが昨夜は娘たちと一緒ではなかったのか?」

 陛下がそう言ってきたのでおれは「いえ、まぁいろいろと事情がありまして……」とあやふやに返す。

 まあおれは話してもいいんだけど、3人がどういうか分からないし、ってか普通は嫌だろ!?

 

「ふむ、まあ若人の事情に深入りをするつもりはないのでな。仲良く過ごしてくれればよい。さて本題に入ろう。アキト殿の呼んだ理由だが1つ頼みがあるのだ」

 どうやら陛下は気を使ってくれたようだ。

 ん? 頼み?

 

「なんですか?」

「実はだな、アキト殿には使者としてこれから一度フェンネル王国へと行ってもらいたいのだ」

 陛下は何やら真剣な趣きでそう話す。


 ええ~、せっかく新婚生活を満喫しようと思ってなのに……。昨日のリベンジだってやらないといけないしさぁ。

 作戦だって考えたのに……。


「使者っておれじゃないとダメなんですか? そういうのってよくわからないんですけど……」

 おれはあまり乗り気ではない口調で答えた。しかし次の陛下の返答でそんなこと言ってられなくなった。


「別に強制ではない。ただアキト殿が断るというならセレナをフェンネル王の元へ引き渡さなければならんぞ?」


 は……? 今なんて言った? セレナをなんだって? 

 ってかフェンネルって敵じゃなかったか? たしかフラックスって国になったところと同盟を組んだとか? なんでそんなところにおれのセレナが!?


「えっと、よく聞こえなかったんですけど!?」

 おれは少しだけこめかみをピクつかせながらもう一度聞き返した。


「ふむ。ならもう少しわかりやすく説明しようか。今朝方、フェンネル王のもとから使者が来てな。書状を受け取ったのだ。ラナード、読んでくれ」

 そういうとラナードが持っていた書状を広げた。


「うむ、では読み上げるぞアキト。【ローズマリー王殿に告ぐ。余のフェンネルと、オレガノ王国が争っていることは知っていよう? しかし安心してもらいたい。争いは終わった、同盟という形でな。オレガノ改め、フラックス王国は余の意に深く賛同し、同盟を快く受け入れてくれた。よって、貴公の国もぜひ同盟国となってもらいたい。共に世界を平和にしようではないか。ああ、それと。貴公の娘は噂ではとても美しいと聞いている。同盟を受け入れるのであれば意思表示として姫君を余の元へよこすがいい。ただし、受け入れられないのであればフェンネル、フラックス両国でローズマリーへの進軍を開始するつもりでいるので、できれば利口な返事を待っているぞ】だそうだ」

 ラナードは読み終わると様子を窺うようにおれを見てくる。


 なん、だと!? これはあれか? おれに喧嘩売ってるよな? セレナをよこせだと!?

 なに様なんだそいつは!? セレナはもぉおれの嫁だ! だれにも渡すつもりはねぇ!

 そしておれは溢れる怒りをぶちまけた。


「ざけんじゃねぇ! なんだそれは! おれは認めねぇ! セレナはおれのだっ!」

 おれがそう叫んだところへセレナたち3人がこの場へとやってきた。


「どうしたんですか? アキトさ……いえアキト。何かあったのですか?」

 セレナがそう問うと、陛下が経緯を説明した。ちなみにセレナとレミアは昨夜からおれのことはアキトと呼ぶようにお願いした。メイシア……いや、シアは、気が向いたらお呼びします、らしい。



「……そうですか」

「姫様をそんな形で妾にしようとは、下衆王め。陛下、まさかこれを受け入れるおつもりですか?」

 レミアが陛下にそう問いかける。


「まさか、といいたいところだが、正直我々だけでは両国の進軍を受けてはひとたまりもない。ゆえにラナードは謀反を起こしたのだしな。よってアキト殿次第だな。どうだ? 使者としてフェンネルへ行ってくれんか?」

 陛下は今一度おれに問いかける。

 

「そんなの聞くまでもないでしょう。行くに決まっています! そんでフェンネル王とかいうくそ野郎をぶん殴って戻ってきますよ。おれの女に手を出そうとしやがって!」


 おれは当然のようにそう答え、部屋でまだ寝ているだろうエミリィのところへ一度戻った。

 



 その後、おれはさっさと済ませるために早速フェンネル王国へ向かうことにした。

 ちなみになぜかは知らないがセレナたちもついてくるらしい。どうも陛下が3人になにかしら言い寄られてしぶしぶ了承したらしい。

 セレナをよこせとか言われてんのに本人がついてくるとか……と思ったが、いいことを思いついたので反対はしなかった。


「それでフェンネルってどこにあるんだ?」

 おれは王宮から出たところで今更だがそんなことをセレナに尋ねた。


「北です。ここからだと馬で丸2日ほどでしょうか。途中宿をとることになりますから3日はみておいた方がいいでしょう」

「げっ! そんなにかかるのかよ!?」

 最悪だ……さっさと帰ってきてリベンジするつもりだったのに!


「海を渡れば半日ほどで行くことはできるがな。ただ天候が荒れやすく危険なのだ」

 レミアがそう付け足す。

 

 う~ん海か……って海!? そうか、その手があったじゃん! 

 一応目的があるわけだが、これって冷静に考えれば向こうに着くまではデートだろ!? 

 うん。いいこと思いついたわ。


「よしっ! 海へ行くぞ!」

 おれがそういうとセレナとレミアは「は?」と疑問符を浮かべるが、シアだけは「クスクス」と笑っている。なんだかすべてを見透かされているような気がするんだが気のせいだろう。


 おれは「まぁいいからいいから」と海の方角を聞いてそっちに向かうことにした。

 


 そして海辺へ到着。

 近くにいた漁師っぽい人に手漕ぎボートっぽい、木でできた舟を借り、3人を乗せる。


「あの……アキト? 本当にこれで行くのですか?」

「これでは高波が来たときあっという間にひっくり返ってしまうぞ」

 「いいではないですか姫様、姉様。アキト様がこれでいいと仰っているのですから。クスクス、楽しみですね。いったいどうやってこれで行くんでしょうか」


 2人の心配を一掃し、何やら楽しんでいるシア。

 ふっふっふ。シアの言うとおり。もちろんこのまま舟を漕いでいくわけではない。

 フェンネルの方角は頭に入っている。ならあとは……。


「3人ともちょっと掴まっててくれよ。そんじゃ行くぜ? なずけて、風のヴィンド・ロード!」

 そういっておれは風魔法を発動した。

 するとまるで道のように目的地の方角目指して流れる風に乗って、舟は勢いよく空を飛んだ。


「す、すごいです。風魔法でこんなことが……」

「うむ、しかしアキト? これだけの重量を浮かせているのだ、魔力の方はもつのか?」

「おいおい、おれを誰だと思ってるんだレミア。おれがたかが空飛んでるだけでへばるわけないだろ? だいたい、お楽しみはこれからなんだぜ?」


 おれはそういうとエミリィを召喚する。


「それじゃエミリィよろしく」

『はい、ご主人様! では皆様行きますよ? さぁ、大地に溜まった水溜りさん、ご主人様がお通りです。一時の間道を開けてください、「大海を切り裂く閃光フラッシュ・スプリット・オーシャン」!』


 そういってエミリィの突き出した小さな手から、閃光が……いや最早ビームと呼んだ方がいいだろうものが放たれ前方に広がる海を切り裂き、現れた空間を舟で駆け抜ける。


「……気持ちいいです。……それにとても綺麗」

 セレナの見つめる先には二手に別れた海の飛沫の影響でいくつもの虹ができている。

 まるで虹の橋の下を潜っているようだ。

 

 レミアとシアもすでに言葉はなくその光景を柔和な表情で眺めていた。


 


 ただ、道ができているのが一瞬だったために最速スピードで駆け抜けた結果、フェンネル王国にわずか20分足らずでついてしまった。


 はええよっ! せっかくの飛行デートだったのにっ!


  

 

 

 

  

 

 

あと3~5話くらいで第1章が終わる予定です。

終わるかな? 


一応先に言っておくと第2章は獣人族編です。

みなさんは獣人といえばなにを想像するのでしょうか? 皆さんの期待に添えるヒロインを出せるように今から試行錯誤せねば!


ああ~はやく真面目な1章を終わらせて、出鱈目物語に入りたいw

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