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お嫁さんが〇人になりました

睡魔限界状態での投稿で申し訳ないです。

誤字等おかしな点がございましたら指摘くださると助かります。

 ローズマリー王国騎士団団長、ラナード・カモミールによる謀反騒動を無事解決したおれは、王宮内の一室でしばらく休まされたのち、王の間に呼び出された。

 その場にはおれを含めて6人が集まっている。国王陛下であるロイド・ローズマリーが豪華な椅子に腰を下ろし、そしてその傍らには先ほどまでとはうって変わって、とてもお姫様らしい姿へと身なりを整えたセレナが立っている。

 

 やばいやばいやばいよ。なにあの可愛さ、美しさ! ローブを羽織ったセレナもすっげぇ可愛かったけど、これはもぉあれだ! 天使だ! いや女神だ! おれだけの女神様だっ!


(ええっ! あ、あの彰人様? 女神は私ですよね!?)


 ミルフィが慌てて突っ込みを入れてきた。

 

 ん? 当たり前だろ? ミルフィは正真正銘の女神様なんだから。セレナはそんなミルフィのように美しいってことだ。だからおれにとっては女神様みたいなもんだ。


 おれはミルフィにそう答えた。もちろんそれを聞いたミルフィは、(そ、そんな、美しいだなんて。はうっ! 嬉しいです~)と、自分が何に対して突っ込んだのかをすでに忘れているようだった。


 ああ、なんでそんなにかわいいんだミルフィ。

 

『ミルフィさん、とても幸せそうですね、ふふ。羨ましいです』

 

 今度はエミリィがそうつぶやいた。

 今はエミリィを召喚していないのでもちろんこの場にいる者には聞こえていない。


 なに言ってんだよエミリィ。おれはエミリィだって同じくらい愛してるぞ? ちゃんと誓っただろ?


『え? 同じって……、それは契約精霊としてではないのですか? ご主人様』


 へ? いやいや何言ってんのエミリィ。おれはちゃんと1人の女の子としてエミリィを愛してるに決まってるだろ。精霊だから愛してるわけじゃないぞ?


『そっ、そうだったのですか!? それはその……とても嬉しいです。ありがとうございますご主人様』


 エミリィは少し照れているような口調でそう答えた。


 いやぁぁぁぁ! なんてかわいいんだエミリィは! 身体が小さすぎて抱きしめられないのが悔しい!


「アキト殿、どうしたのだ? さっきから顔つきがいやらしいぞ。はっ! まさか姫様のあまりの美しさに破廉恥な考えを巡らせているのではないだろうな?」

 

 突如おれの隣にいたレミアがおれに声をかけ、疑っているような表情をする。

 おぅ! いかん。顔に出てしまっていたのか! 


「ち、ちがうちがう! いやたしかにセレナはすっごく可愛いけどそれはちがうぞ! それにそんなこといったらレミアだって髪降ろして、騎士じゃなくて女の子っぽい格好になってるし、セレナに負けないくらいとてもかわいいぞ」

 おれはひとまず慌てたように否定した。

 しかしこう言っておけばレミアがおとなしく引き下がってくれることは分かっているのだ。


「なっ! か、かかかかわいくなどっ……、うぅ……。これでは何も言い返せないではないですか……」


 レミアは顔を真っ赤にしてもじもじする。

 うん。レミアはやはり初心うぶすぎる。免疫がなさすぎだ! でもそこがいい! 

 

 


 そんなやり取りを見てセレナも少し頬を赤く染め、陛下と、レミアの隣に立つラナード、その向こうにいるメイシアが揃って微笑を浮かべた。




「ふむ。ではそろそろ本題に入るとしよう。まずはアキト殿、此度の一件、それと無二の友たるラナードを殺めずに済んだこと、改めてお礼を言わせてくれ」


 そういうと陛下はおれの方へと軽く頭を下げた。


「おれからも礼を言わせてもらおう、アキト。君の言うとおりだった。おれはどこかで、国を守りさえすれば娘達を守れるのだと思っていたようだ。だがそれは違うのだと君が気付かせてくれた。感謝している」

 ラナードもこちらを向いてそんなことを言う。


「いや、気にしないでください。おれは当然のことをしただけですから」


 そう、当然なのだ。

 だってそうしないとセレナとレミアを嫁にできないし! 直にお義父さんとなる予定のラナードさんに死なれたら困るし、なによりレミアが辛そうだったから止めに入ったんだし。


「はっは、当然か。あれだけの騎士たちを1人で相手をしておいて当然とはな。だがそのおかげで我が国がひとまず救われたのは事実。アキト殿にはなにか褒美をやらねばな。私のできる範囲でよければ応えよう。何か望みはあるかな?」


 陛下がそうおれに言った。

 それを聞いたおれは心の中でニヤリと口元を緩ませる。


 きた! ついに来ましたよ、この時が! 

 いやいや本当にまってましたよ! 当然のこととは言っても、やっぱり国を救ったものに対して王様からご褒美があることくらいは誰でも察しが付く。おれがこの言葉をどれだけ待ったことか!

 だがしかし、いきなりセレナとレミアを嫁にくれなんて言ったって、下手をすれば、できん! とか言われても困るし。ならまずは……。

 と、おれは一歩前へと進み、一つ息を吐いて陛下に告げた。 


「お言葉ですが陛下。おれの一番の望みは陛下には叶えられません。叶えてもらうつもりもありません」

「ふむ、君ほどの実力者が望む願いだ。私1人では力不足だろう。して、その望みとはなんなのか、参考までに聞かせてくれるか?」


「おれの望み、それはこの世界に住むすべての女性が幸せになれる世界を作ること。それがおれの一番の望みであり同時に、自分の力でやり遂げるべき目標です。ですがきっと現実にしてみせます」


 おれの迷いのない言葉に一同は呆気にとられる。

 一番平常心を保てそうだったメイシアちゃんですら驚いているのだから、他の4人がそれ以上に驚いているのは分かる。だがおれは本気だ。そして自分の手で幸せにしてあげたい女の子は全員嫁にする!


「……たしかに、その望みは私には荷が重いな。手助けできるかどうかもわからん」

 陛下はそう言って「ううむ」と唸る。

 

「いえ、おれが目標を目指すために陛下と……ラナードさんにもぜひ協力してもらいたいことがあります」

 おれはそう陛下に告げた後、一度ラナードの方へと視線を向けた。


「うむ。おれにできることなら協力しよう」

「そうだな。して、アキト殿の言うしてもらいたいこととは?」


 よしっ! 完璧だ! これで2人はよっぽどでなければ否とは言わないだろう。ふふふ。


「はい。お2人にはおれが王女であるセレナと、騎士団副団長であるレミアを嫁にもらうのを認めてもらいたいのです」


 きまった……限りなく決まった! まぁいわば親への結婚のあいさつと、プロポーズを同時にしたわけだがな! まぁ正直に言えば本人たちには直接気持ちを伝えるのがベストだったのだが、敢えて親の前で愛していると言えば、本気度は伝わりやすいだろう。それにこの世界、どうやらお付き合いという習慣はないらしいしな。

 そして一瞬の沈黙の後、口火を切ったのはセレナとレミアだった。


「え……ええっ! あ、ああアキト様っ!? それは……」

「な、なななな、なにをいきなり!?」


 2人の頬が一気に赤く染まる。

 やっぱり2人はかわいいなぁ。

 しかしこれはやはりそれなりに好感度は高いのだろう。ならばあとは攻めて攻めて攻め堕とすだけだ! ふっふっふ。 


「はっはっは! そうか、娘を嫁に欲しいと。たしかに君ほどの力を持った者が娘の婿となるならそれは嬉しいことだ。だが私はこれでも親ばかでね。結婚相手は娘自身に決めさせるつもりでいる。娘が受け入れなければ認めることはできん」

「ふ、最初からそのつもりですよ、おれは」

 そう言っておれはセレナを見つめる。


「そうか。ではセレナよ、アキト殿の求婚、お前はどうする?」

 そういって陛下もセレナに視線を向けた。


 少し戸惑っていたセレナだがどうやら落ち着いたようで、軽く瞳を閉じ、そしてその後とびきりの笑顔でこう言った。


「お父様。気持ちを確認するまでもありません。なぜならわたくしはすでにアキト様に恋をしてしまっているのですから。ですからアキト様の申し出、喜んでお受けいたします」


 よ……よ、よっっっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! え!? まぢ!? いいの? 本当に? もぉキャンセルできないよ? 

 やったぜぇぇぇぇ! この調子でレミアもぉぉ! 


「ふむ。そういうことだ、娘をよろしく頼む、我が息子よ。さて、レミアだが、どうする? ラナード」

「うむ、ならおれもレミアに一任させるとしましょう。どうなのだ? レミア」


 そして全員の視線がレミアへと集中する。

 おれの視線なんてもはやギンギンの期待の眼差しを与えまくっていた。


「わ、わわ私は無理だ! 姫様の夫となったアキト殿の求婚を受け入れるなど……私の様な者が姫様と同じ立場など……」


 な……なにぃぃぃぃぃぃ! そ、そんな……。いや、今こそ押しで。

 とあきらめず攻めようとしたところで、なんとセレナから、どんな荒波も越えてしまうだろう究極の助け舟が出航した。


「あらレミア、わたくしに気を使う必要はないですよ。それにそんなことをすればレミアはきっと後悔しするんじゃないかしら? だってあなたも、アキト様に恋してるでしょう?」


「なっ! こ、こここ恋などしていません!」

「クス、ウソはダメよ、レミア。だってほら、アキト様を見つめる瞳がわたくしと同じなんですもの。だからこの辺でそろそろ自分に正直になったらどう?」


 お? おお! いいぞセレナ! ナイスアシスト! 

 

 そしてレミアはプルプルと震える体を止め、一度落ち着くために大きく深呼吸し、若干照れが残った表情で言葉を発した。


「わ、わかりました。姫様がそう仰るなら、私にも断る理由はありません。あ、アキト殿。あなたの申し出、慎んでお受けいたします」


 きたぁぁぁぁぁ! よっしゃぁぁぁ! 


(お、おめでとうございます! 彰人様!)

『おめでとうございます。ご主人様』

 今まで黙って見守っていてくれた2人がそう声をかけてくれた。


 おお! ありがとう2人とも! それもこれも2人のおかげだ! 2人とも愛してるぞっ!

 ふっふっふ。これで念願の卒業式が迎えられる。さすがにお付き合いではなく、結婚なのだから無理ということはないはずだ! ああ、待ち遠しいっ! 再びレミアのあの柔らかい胸の感触をっ!



 と、ここでラナードから思いがけない言葉が飛び出した。


「うむ、アキト。レミアも確かにいいが、メイシアも負けてはいないと思うぞ? それに人間族では珍しい、君と同じ黒髪でもある。気は合うと思うが?」


 え? いや、いやいや、そりゃもちろんメイシアちゃんもいずれは嫁にもらうつもりでいましたけど!? でも、メイシアちゃんの好感度はまだそこまで上がってないと思うというか、なんかつけ入る隙がないというか、なにを考えているのかいまいちはっきりとわからないというか……。

 とにかくまだ早いと思うんだよ!


 とまぁ自分なりに考えたわけだが、まさかメイシアちゃんがこんなこと言うとは……。


「クスクス、父様ったら。でも確かにそれはいいかもしれませんね。アキト様、いかがですか? わたしのような子供では不満でしょうか? たしかに姫様や姉様より歳は若いですが、それでも身体の方は少しばかり自信があるんですよ? 姫様、とはいきませんが姉様よりは満足いくのではないでしょうか。クスクス」


「し、シアッ!? なにを――!」


 レミアがそう何かを言おうとするが、おれが割って入ってしまったので諦めたように引き下がった。

 そしておれはというと。


「メイシア。ぜひ結婚してくれ!」

 と、メイシアちゃんの前へとおもむき、その手を取って告げたのだった……。

 もちろんメイシアちゃんの答えはオーケー。


 こうしてなぜかはわからないが、無事にメイシアちゃんも嫁にできたので、まぁ良しとしよう。

 



 かくしておれは3人の、いやエミリィも入れて4人の女神クラスのお嫁さんを一気に手に入れたのだった……。


  

さぁ、いよいよ次回は初夜ですかね!? きっとそうです!

ああ、規制ってどこまで行ったら引っかかるのだろうか?

気をつけねば!

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