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アルニカ交響曲  作者: 結千るり
17/110

〜間奏〜

美咲歩海は猫に遭遇した。

電脳世界ではなく、現実世界で。

とある日曜日の朝、まだ東京だった頃の名残がある隅田川でそれは起こった。

何故そんな所にいるのかというと、実家が近かったからである。

寮に戻る彼女を遮った三毛猫。

彼の名はホームズ。

何故こんな名前がわかったかというと、首輪をしていたからだ。

よほどの放浪猫なのか、革の首輪には携帯番号まで彫ってあった。

美咲は携帯を取り出した。

いつもはこんな優しい事はしないのだが、今日は気分が良いらしい。

しかし、三毛猫ホームズは美咲のルーズソックスに身体をすりよせてきた。

電話してほしくないのだろうか。

やけにブニブニしている、年寄りで太っているようだ。

「何、帰りたくないの?言わないと一生帰れないぞ?」

ホームズはゴロゴロと鳴いた。

するとバタバタと少年が走ってきた。

「ホームズーーーー!!!!」

少年はわりと速く、すぐに美咲の前に着いた。

美咲はちらとホームズを見た。

「飼い主?」

「そう!いつもここら辺に逃げるんだ!ありがとうお姉ちゃん」

「いいわよ、毎日こんなことを?」

少年は嬉しそうに頭をかいた。

ホームズが少年にすり寄った。

少年はホームズを抱き上げた。

小さく「よいしょっと」が聞こえた。

「つーかまえた!」

少年は毎日家を抜け出すホームズを捕まえに行っているようだった。

彼らにとってそれは“かくれんぼ”らしい。

美咲はそれからも時々ホームズと少年を見かけるようになった。

彼女が少しだけ、微笑む瞬間だった。


第二章は7月上旬予定です☆


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