第11話: 新世界の扉、試練の再来
神の座での勝利は、ザルク、ヴォラス、ガレン、レイドの二つのタッグに絆の力を確信させた。だが、ディバイン・コアの破壊により明らかになったエルドラス大陸の真実――この世界が転生者によって創られる新たな世界の基盤であるという事実――は、新たな疑問を生む。神の声が告げた「真実は、新たな世界に在る」という言葉に導かれ、四人は「新世界の扉」へと足を踏み入れる。そこは、過去の試練を凌駕する新たな戦場だった。
新世界の扉
新世界の扉は、空間が歪むような異次元の門。光と闇が交錯し、足元の地面はまるで星空のように輝く。ザルクの仮面レンズが異常な魔力を検知し、警告音が鳴り響く。「この気配……今までとは別次元だ。ヴォラス、準備しろ。」
ヴォラスは甲殻を震わせ、酸性の体液を滴らせながら門の周囲を這う。空間の歪みから漏れる魔力が、ヴォラスの甲殻をわずかに侵食する。ザルクが砲台を構える。「真実だろうが何だろうが、俺たちが狩る。奴らに遅れは取らねえ。」
ガレンとレイドは別の角度から門に近づく。ガレンのガントレットが魔力を吸収し、青白い光が脈打つ。「レイド、この扉はゲームの終わりじゃねえ。新たな始まりだ。」
レイドは銃を握り、コートを翻す。「兄貴、始まりだろうが終わりだろうが、俺たちが裁く。あの仮面と虫を出し抜いて、真実を掴むぜ!」
扉が輝き、開く。現れたのは「ヴォイド・センチネル」。無数の光の触手を持つ、浮遊する巨大な球体。実体と虚無の間を揺らめき、空間を操る力で攻撃を歪める。この存在を倒せば、新世界の創造権と真実への鍵が手に入る。だが、失敗は存在の消滅を意味する。
新たな試練
戦いが始まる。ザルクのプラズマ砲がセンチネルの触手を狙うが、空間が歪み、弾が別の方向へ逸れる。「ちっ、空間を弄んでやがる! ヴォラス、触手の動きを読め!」
ヴォラスは酸性の霧を放ち、触手を腐食させようとするが、センチネルが空間を折り畳み、霧を無効化。触手がヴォラスを締め上げる。ザルクが援護射撃で触手を切り裂くが、センチネルの再生速度が速い。
ガレンとレイドが参戦。レイドの炎の弾丸が触手を焼き、ガレンの電撃を帯びた刃が空間の歪みを切り裂く。「この虚無、俺の裁きで貫く!」だが、センチネルの触手が反撃し、ガレンを弾き飛ばす。
ザルクが叫ぶ。「お前ら、邪魔だ! 真実は俺たちが掴む!」
レイドが応じる。「ふざけんな、仮面! 俺たちが先に裁くぜ!」
センチネルの触手が四人を同時に襲い、空間が歪んで攻撃が交錯。ザルクのプラズマがレイドを掠め、ガレンの刃がヴォラスに迫る。だが、神の座での絆の記憶がよみがえる。四人は一瞬動きを止める。
神の声が響く。「新世界の鍵は、絆か、欲望か。選び取れ。」
欲望の誘惑
センチネルの光が強まり、四人の心にビジョンが流れ込む。ザルクには無限の狩場、ヴォラスには完全な自由、ガレンには裁きの王国、レイドには守るべき未来。それぞれの欲望が囁く。「仲間を捨てろ。真実は一人で十分だ。」
ザルクの砲台が一瞬ガレンに向き、ガレンの刃がヴォラスを捉える。レイドの銃がザルクを狙い、ヴォラスの尾がレイドに振り上げられる。だが、創造の園での選択が蘇る。ザルクが叫ぶ。「ふざけるな! 俺はヴォラスと狩る。それが俺の真実だ!」
ガレンがガントレットを握り、言う。「レイド、俺たちは裁く者だ。欲望に屈しねえ。」
レイドが笑う。「兄貴、仮面と虫野郎も悪くねえ。一緒にぶっ潰そうぜ!」
ヴォラスが無言でザルクに近づき、四人は再び共闘を決意。センチネルの触手が襲うが、ザルクのプラズマが空間の歪みを相殺し、ヴォラスの酸が触手を溶かす。ガレンの刃が核を切り裂き、レイドの銃撃が中心を貫く。
絆の勝利
センチネルの核が露わになり、四人の攻撃が調和する。ザルクのプラズマ、ヴォラスの酸、ガレンの刃、レイドの銃撃が一体となり、核を直撃。センチネルが爆発的な光を放ち、崩壊。扉の空間が震え、静寂が訪れる。
神の声が告げる。「ヴォイド・センチネル討伐。絆を選んだ者に、新世界の鍵を与える。だが、真実はまだその先に在る。」
魔核が輝き、ビジョンが示される。新世界は、四人の絆によって形作られるが、その創造にはさらなる試練が必要だ。真実の鍵は、新世界の中心にあるという。
ザルクが仮面を調整し、呟く。「真実だと? まだゲームは続くのか。」
ガレンがコートを払い、言う。「裁く者として、俺たちは進む。真実を暴くまでな。」
レイドが銃を回し、笑う。「よし、兄貴! 仮面、虫野郎、次も競うぜ!」
ヴォラスは魔核の欠片を拾い、ザルクに渡す。扉の奥で、新たな光が揺らめく。神の声が囁く。「新世界の創造は、君たちの手にかかっている。」
二つのタッグは、絆を再確認し、新世界への道を進む。だが、真実の全貌はまだ見えない。四人は、新たな戦場へと踏み出す。
(つづく)




