第10話: 神の座、絆の試金石
創造の園での試練を乗り越え、ザルク、ヴォラス、ガレン、レイドの二つのタッグは、絆の力で創造と破壊の選択を超越した。だが、神の声が告げた「次の試練は、神の座そのものだ」という言葉が、四人の心に重圧をかけていた。エルドラス大陸の最果て、「神の座」と呼ばれる天を貫く塔へと導かれた彼らは、ついに神のゲームの最終局面に立つ。だが、この試練は、モンスターとの戦いを超え、彼らの絆そのものを試すものだった。
神の座
神の座は、雲を突き抜ける巨大な塔。頂上は光に包まれ、階段を登るごとに空気が重く、魔力が濃密になる。ザルクの仮面レンズが異常なエネルギーを検知し、警告音が鳴り響く。「この塔……何かヤバいぞ。ヴォラス、気配を探れ。」
ヴォラスは甲殻を震わせ、酸性の体液を滴らせながら階段を這う。塔の壁に刻まれた紋様が脈打ち、不穏な気配を放つ。ザルクが砲台を構える。「神の座だろうが何だろうが、俺たちが頂点を獲る。」
ガレンとレイドは別の階段から塔に侵入。ガレンのガントレットが魔力を吸収し、青白い光が強まる。「レイド、この塔はゲームの終点だ。だが、終わりは俺たちが決める。」
レイドは銃を握り、コートを翻す。「兄貴、神だろうが何だろうが、俺たちが裁く。あの仮面と虫をぶち抜いて、全部いただくぜ!」
塔の頂上にたどり着いた四人は、広大な円形の祭壇に立つ。中心には光と闇が渦巻く「ディバイン・コア」。神の座そのもので、触れる者に無限の力を与える存在だ。だが、コアを守るのはモンスターではなく、四人の心そのもの。神の声が響く。「神の座は一組にのみ与えられる。絆を捨て、選び取れ。」
絆の試金石
ディバイン・コアが輝き、四人の前に幻影が現れる。ザルクには宇宙の狩場、ヴォラスには宿敵、ガレンには裁きの場、レイドには守れなかった過去。それぞれの幻影が囁く。「仲間を裏切れ。神の座は一人で十分だ。」
ザルクのプラズマ砲が一瞬ガレンに向き、ガレンの刃がヴォラスを捉える。レイドの銃がザルクを狙い、ヴォラスの尾がレイドに振り上げられる。だが、創造の園での絆の記憶がよみがえる。四人は動きを止める。
「ふざけるな!」ザルクが叫び、砲台を下ろす。「俺は狩人だ。ヴォラスと獲物を狩る。それでいい!」
ガレンがガントレットを握り、微笑む。「レイド、俺たちは裁く者だ。神のゲームに踊らされねえ。」
レイドが銃を下ろし、笑う。「兄貴、仮面と虫野郎も悪くねえな。一緒に終わらせようぜ!」
ヴォラスが無言でザルクに近づき、四人は決意を固める。だが、ディバイン・コアが反応し、光と闇の刃が四人を襲う。ザルクのプラズマが刃を相殺し、ヴォラスの酸がコアを侵食。ガレンの刃が闇を切り裂き、レイドの銃撃が光を貫く。
神の声が響く。「絆を選ぶか、力を選ぶか。最終の選択だ。」
最後の戦い
コアの攻撃が激化。光と闇の刃が無数に飛び、四人を追い詰める。ザルクが叫ぶ。「ヴォラス、核の中心に潜れ!」
ヴォラスは酸性の霧を放ち、コアの内部に潜り込む。ガレンが刃を振り上げ、「レイド、援護しろ!」レイドの銃撃がコアの目を正確に捉え、ザルクのプラズマが追撃。だが、コアの反撃が四人を吹き飛ばす。
幻影が再び囁く。「絆は弱さだ。一組だけが神となる。」
ザルクが仮面を叩き、叫ぶ。「弱さだと? ヴォラスとの絆が俺の力だ!」
ガレンが刃を構え、言う。「レイドとの絆が、俺の裁きだ。神なんざいらねえ!」
四人の攻撃が再び調和する。ヴォラスの酸がコアの核を溶かし、ザルクのプラズマが中心を撃つ。ガレンの刃が光を切り裂き、レイドの銃撃が闇を貫く。コアが爆発的な光を放ち、崩壊。塔全体が震え、祭壇に静寂が戻る。
神の声が告げる。「ディバイン・コア破壊。神の座は、絆を選んだ者に与えられる。だが、ゲームの真実は、まだ明かされぬ。」
新たな謎
塔の頂上に光が溢れ、魔核が現れる。だが、その光は新たなビジョンを示す。エルドラス大陸は、転生者たちが創り上げる新たな世界の基盤だった。神の座は、創造の権利を与えるが、同時に新たな試練を生む。
ザルクが仮面を調整し、呟く。「神の座? 俺は狩人でいい。だが、このゲーム、どこまで続くんだ?」
ガレンがコートを払い、言う。「裁く者として、俺たちは進む。真実を暴くまでな。」
レイドが銃を回し、笑う。「よし、兄貴! 仮面、虫野郎、次も競うぜ!」
ヴォラスは魔核の欠片を拾い、ザルクに渡す。塔の奥で、新たな光が揺らめく。神の声が囁く。「真実は、新たな世界に在る。」
二つのタッグは、絆を試金石として神の座を勝ち取った。だが、ゲームの真実はまだ遠い。四人は、新たな世界への第一歩を踏み出す。
(つづく)
 




