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カマボコ屋
敗戦後の
ある南の島の話…
勝「ギブミーチョレート!」
これを言うと外人さんはチョコ?をくれる
学校の校庭で皆に配っていた
普段は食べれない上等な物
この思い出が小学生最後の記憶…
生きる為には働かなくてはならない
俺の家はカマボコ屋で人手が足りない
この家には俺しか男は居なかった
兄弟はいたが上の兄は戦争で亡くなった
後は姉達と妹
朝から晩まで働いた
朝は島の真ん中にある湧き水を汲見に行く
体が小さい俺は桶2つを運ぶのに苦労した
大人達の台車を羨む
その次は魚だ
カマボコの材料となる
大事な大事な魚
父は魚釣りの名手だった…
他の家から教え貰いに来るほどに
俺も釣りは誰よりも得意だ
今日も上手くいった
釣れた魚を家に持って帰る
母や姉がカマボコにする
また海に戻る
これを繰り返す…
この島では貴重なタンパク質
高価な物であった
家の周りは農家が多かったので
野菜と物々交換を良く求められていた
カマボコで使わない魚の皮を嬉しそうに
貰う農家達を覚えている