表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編童話シリーズ

緑肌池

作者: 敬愛

河童はきゅうりが大好物でした。


ある時日照りが続いて河童の頭の皿が乾いて


割れそうになりました。河童の住んでいる沼


は茶色に染まりとても汚く、頭のお皿をいつもきれいに


しておきたい河童はその水を頭につけるのを良しとしませんでした。


きゅうりを食べながら河童はどうしたものかと


考えました。


「そうだ、きゅうりを皿の上に貼ればいいんだ。」


思い付いた河童は水掻きを使ってきゅうりを上手に


輪切りにし頭の上に貼り付けました。


「これはいい。」


河童はご満悦でした。


しかし日照り続きできゅうりはすぐに乾いてしまいます。


食べるべきか、皿に貼るべきか、河童は悩みました。


そこに人間が現れました。


「河童さん、きゅうりがないんだね。少し太いけどこれをどうぞ。」


河童は親切な人間もいるものだと思い、それを一口食べました。


「なんだこれは苦い、苦い。」


人間は大笑いして「はっはっはっ、それはきゅうりじゃない。


ゴーヤという食べ物さ。」


河童は怒って、人間を沼の中に引きずり込みました。


そうして一匹と一人は二度と沼から上がってきませんでした。


沼はしばらくして緑色と肌色が混ざった色に変わり


村の人は沼を「緑肌池」と呼ぶようになりました。


そして河童の怒りを鎮める為に沼を綺麗に掃除しました。


すると河童の死体が上がり、皿と腹の白い部分が肌色に


なっていたそうです。人間はそれを見て性懲りもなく、


河童の禿げ頭、太鼓腹と笑ったそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  失礼しますm(__)m  意外な展開で面白かったです。まさかカッパがゴーヤを食べらされるとは、笑いました。  楽しい時間をありがとうございましたm(__)m  これからも執筆活動頑張…
[一言] 活動読んだのですが先生の詩を少しは読んでみたい気がします。 試しに一つくらい投稿してみたらどうでしょうか? それから、童話全般に言えることですが、 人読んで聞かせると判りやすくなるものです…
2009/12/10 18:53 退会済み
管理
[良い点] 全体的に雰囲気がでていて、楽しませていただきました。 [気になる点] 河童はゴーヤを食べさせた一人を殺しただけなんですか? 一度くらい祟りをおこしてから、鎮霊に村人がうごいた方が面白いと…
2009/12/05 10:37 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ