5.やさしい先輩 ①
バイト頑張りまくって貯めたお金で、免許とって、バイク買った。
ま、原チャリ免許と中古原チャリだけど。
それでも俺の最高の相棒だった。
少しカスタマイズして、唯一無二の相棒。
毎日のように乗り回してた。
その頃、ひょんなことから知り合った先輩がいて、すごく優しい人だった。
5歳年上のやさしい先輩は、色んなことを知ってるし、大きな夢を持っていた。
やさしい先輩と話すのは楽しかった。
自分が何でもできるような気がして、気持ちが高揚した。
毎日のように電話したり、遊んだりした。
会うと、いつもうどんを奢ってくれた。
そして、夢を語ってくれた。
「自分の会社を立ち上げようと思ってる。
今、着々と準備を進めてる。
一人で全部やるつもりだけど・・・
おまえ、もし興味あるなら俺と一緒に会社やってみるか?」
ワクワクした。いつか自分で事業を起こして金持ちになりたいと思ってたから。
それを実現しようとしている人が目の前にいると思うと、興奮した。
「一緒にやりたい!」
それから、二人でとにかく働いた。資金を貯めるために。
それから、少し問題もあった。
やさしい先輩には借金があった・・・・・