3.便利な子たち
私が、可愛くなってから、好きになったこと
鏡を見ること
男の子にチヤホヤされること
もっと可愛くなること
今日は、しばらくぶりに優子が遊びに来た。保育園からのつきあいで、たった一人の友達。
昔はたくさん友達いたけど、私がドンドンかわいくなって、ドンドン友達いなくなった。
女の嫉妬って怖いね。
でも優子だけは変わらず、友達のまま。ただ、最近、私といるとき、笑わないんだよね。
友達は一人だけど、便利な男の子なら、結構いる。可愛くなるたび、便利な子が、ひとり、また一人と増えていった。
今夜は優子が泊ってくことになってたんだけど、年上のイケメンから誘われて、遊びに行くことになった。
「ごめん。また今度ね。
全然泊ってってくれていいから。」
って言ったら、「こんな遅くから出かけるのか」とか。「私が遊びに来てるんだから、断れないの?」とか。なんかめんどくさいこと、言い出した。
「もう、原チャリ借りる段取りもしたし、とりあえず今夜は行くね。
また、今度ゆっくり話そ。」
と言って、優子を黙らせた。
だけど、持って来てくれるはずの原チャリが届かない。
遅い!イラつく!
「おっせーなー原チャリ!!」
「原付誰に借りるの?」「免許持ってた?」と優子がまたしゃべりだした。
「色々いるのよ、私の周りには。
この子は500円かタバコ一箱で、原チャリ配達してくれるの。
原チャリは自転車と一緒。自転車乗れたら、大丈夫よ。」
全く笑わない優子が、ますますブサイクに見える。とっても優しい子なんだけどねー。時々うっとうしい。
とうとうレンタルチャリ君の心配まで始めた。
「どうしたんだろうね。具合でも悪くなったんじゃない」?とか。「事故でも起こしたんじゃない?」とか。
なんて、優しい優子ちゃん!
病気?事故? だったら、うけるんですけど~
待ちきれない私は、レンタルチャリ君2に連絡した。
そう、便利な子たちは、ホントに便利。
1がだめなら、2。2だめなら、3。
カテゴリー別に3人確保が私流♡
2の原チャリにまたがり、出かけた。
寒いけど、風を切って走るのって、気持ちいい~
冷たい風を浴びながらつぶやいた。
「便利じゃないなら、いらない。一人補給しなきゃ。」