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思春期の独り言  作者: NARU
22/32

22.てっぺんよりも大事なこと ②

 昔話(むかしばなし)(つづ)きをしよう。

  

 そう、あの日の(はなし)を、、、、


 小学4年生だった。いつも対立(たいりつ)していた俺とアイツ。どっちが(つよ)いのか、はっきりさせようってことになった。

 学年(がくねん)二派(には)分裂(ぶんれつ)し、俺()とアイツ派、毎日(まいにち)ギスギスした(かん)じで、ここらで、統一(とういつ)しとく必要(ひつよう)があるなと(たが)いに感じていた。


 あの日の放課後(ほうかご)下駄箱(げたばこ)でケリをつけようってことになった。4年生の下駄箱がある場所(ばしょ)職員室(しょくいんしつ)からも(とお)く、なにかと死角(しかく)になりやすく、(わる)いことや、決闘(けっとう)は下駄箱で。というのが暗黙(あんもく)了解(りょうかい)のような感じだった。


 みんなもガチの決闘を察知(さっち)して、()()まれまいと、その日はそそくさと下校(げこう)した。水やり当番(とうばん)のお(はな)(だい)()花田(はなだ)さん以外(いがい)は。


 緊張(きんちょう)からか、(はら)(いた)くなった。だが()げるわけにはいかない。どちらかがギブアップするまではエンドレスの決闘だ。


 そして俺は、勝利(しょうり)した。俺史上(しじょう)(もっと)過酷(かこく)(たたか)いだった。あいつは大量(たいりょう)(なみだ)鼻水(はなみず)をぐちゃぐちゃに()らしながら、()(かえ)っていった。


 ()った・・・

 とうとう、てっぺんの景色(けしき)を見たぜ。


安堵感(あんどかん)からか、我慢(がまん)していたアレが一気(いっき)()()せてきた。


 うおぉぉぉぉぉお!


 ()められない(いきお)い。

 (おさ)えられない便意(べんい)


 トイレは、すぐそこ。・・・なのに、今の俺にはあまりに(とお)い・・・


 

 うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお


 あ・・・


 気が付くと、俺はズボンを(おろ)ろし、その()にしゃがんでいた。

 そして、(かん)じたことのない解放感(かいほうかん)(あじ)わっていた。

 とぐろ()いたやつって、マンガでしか見たことがなかった。




 「きゃーーーーーーっっっ!!!!!」


 

 「あ・・・

  は、花田さん・・・

  か、(かみ)ちょうだい。」



 「ぎゃあぁぁぁーーーーーーっっっっっ!!!!!!」


 

 ああ、なんてこった!みんなとっくに(かえ)ったのに!そうか、花田さんは水やりをしてたんだ。

 いや、それより(なに)より、(なん)で「紙ちょうだい。」なんて言ったんだ!?

 そんなに(しり)()きたかったのか?(たし)かに尻は拭きたかった。拭きたかったけど、花田さんに言うことじゃないだろ!

 しかもケツ見られたーっ!いや、ケツよりも・・・


 ああ ()わった・・・


 (つぎ)の日から地獄(じごく)(はじ)まった。あいつが(なみだ)鼻水(はなみず)ぐちゃぐちゃで()(かえ)ったことなど(まった)話題(わだい)にならなかった。俺が最強(さいきょう)ってことも。そして、だれもが、あいつまでもが、俺を見て(わら)いやがる。

 教室(きょうしつ)(はい)ると、俺の(つくえ)には、トイレットペーパーが山のように()まれていた。


 くそーっ!いや、その言葉(ことば)は口にしたくない。


 あー、なんでてっぺん()った俺がこんなみじめな、だせーことになってるんだ!



 親父(おやじ)転勤(てんきん)()()すまでの二年半(にねんはん)地獄(じごく)をさまよった。


 俺は(ちか)った。この()でもっとも優先(ゆうせん)すべきはクソだ。(かなら)(まも)る!約束(やくそく)する!


 てっぺんよりも大事(だいじ)なことって、あるんだな!



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