22.てっぺんよりも大事なこと ②
昔話の続きをしよう。
そう、あの日の話を、、、、
小学4年生だった。いつも対立していた俺とアイツ。どっちが強いのか、はっきりさせようってことになった。
学年は二派に分裂し、俺派とアイツ派、毎日ギスギスした感じで、ここらで、統一しとく必要があるなと互いに感じていた。
あの日の放課後、下駄箱でケリをつけようってことになった。4年生の下駄箱がある場所は職員室からも遠く、なにかと死角になりやすく、悪いことや、決闘は下駄箱で。というのが暗黙の了解のような感じだった。
みんなもガチの決闘を察知して、巻き込まれまいと、その日はそそくさと下校した。水やり当番のお花大好き花田さん以外は。
緊張からか、腹が痛くなった。だが逃げるわけにはいかない。どちらかがギブアップするまではエンドレスの決闘だ。
そして俺は、勝利した。俺史上、最も過酷な戦いだった。あいつは大量の涙と鼻水をぐちゃぐちゃに垂らしながら、逃げ帰っていった。
勝った・・・
とうとう、てっぺんの景色を見たぜ。
安堵感からか、我慢していたアレが一気に押し寄せてきた。
うおぉぉぉぉぉお!
止められない勢い。
抑えられない便意。
トイレは、すぐそこ。・・・なのに、今の俺にはあまりに遠い・・・
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお
あ・・・
気が付くと、俺はズボンを下ろし、その場にしゃがんでいた。
そして、感じたことのない解放感を味わっていた。
とぐろ巻いたやつって、マンガでしか見たことがなかった。
「きゃーーーーーーっっっ!!!!!」
「あ・・・
は、花田さん・・・
か、紙ちょうだい。」
「ぎゃあぁぁぁーーーーーーっっっっっ!!!!!!」
ああ、なんてこった!みんなとっくに帰ったのに!そうか、花田さんは水やりをしてたんだ。
いや、それより何より、何で「紙ちょうだい。」なんて言ったんだ!?
そんなに尻を拭きたかったのか?確かに尻は拭きたかった。拭きたかったけど、花田さんに言うことじゃないだろ!
しかもケツ見られたーっ!いや、ケツよりも・・・
ああ 終わった・・・
次の日から地獄が始まった。あいつが涙と鼻水ぐちゃぐちゃで逃げ帰ったことなど全く話題にならなかった。俺が最強ってことも。そして、だれもが、あいつまでもが、俺を見て笑いやがる。
教室に入ると、俺の机には、トイレットペーパーが山のように積まれていた。
くそーっ!いや、その言葉は口にしたくない。
あー、なんでてっぺん獲った俺がこんなみじめな、だせーことになってるんだ!
親父の転勤で引っ越すまでの二年半、地獄をさまよった。
俺は誓った。この世でもっとも優先すべきはクソだ。必ず守る!約束する!
てっぺんよりも大事なことって、あるんだな!




