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思春期の独り言  作者: NARU
17/32

17.ママとミミちゃんのやくそく ①

 ミミちゃんは、おバカでおべんきょうはにがて。

女子高生には、ちょっとあこがれてたけど、中学のたんにんの先生がミミちゃんのいける高校はないよって。


だから、中学そつぎょうしたあと、おしごとはじめたの。パンやさんでアルバイト。とってもおいしいおいしいパンがいっぱい。いつもいいにおい。

 だけど、もうすぐクビになりそう。

 店長さんは、いつもミミちゃんのことおこってる。

 ミミちゃんはパンのねだんがおぼえられないの。

 レジがにがて。


 だけど、パンの作りかたは、バッチリ。まいにち、見てるから、ぜんぶおぼえたよ。ミミちゃんもパン作ってみたいけど、店長さんがダメって言うの。


 ミミちゃん、とってもがんばってるのに、店長さんは、いつもミミちゃんにひどいこと言ってくる。

 バカとか、もうくるなとか、よけいなことおぼえるヒマがあったら、ひつようなこと、おぼえろ!とか。

 かなしいな。


 でもね、ママはまいにち、むぎゅーってして、ミミちゃんはいい子。だいすき!って言ってくれる。

 おこられたことない。だめとかも言わないし、なにをしても、いいよって言われる。

 ミミちゃんもママのこと、だーいすき。

 

 ママとは、一コ(いっこ)だけやくそくしてる。その一コはゼッタイ!

 でもその一コっていうのが、ミミちゃんよくわかんない。

 でもでも、だいすきなママとのやくそくだから、チョーだいじ。

 それをまもったら、あとは、ぜんぶオッケー!すきなことしていいよって。


だから、まいにちたのしい。

 ちょっとざんねんなのは、おともだちはみんな高校に行って、あえなくなっちゃったこと。

 どうして高校に行くと、あえなくなるのかなあ?

 高校ってとってもいそがしいところなのかなあ?


 だけど、あたらしいおともだちもできたよ。男の子ふたり。

 男の子のともだちは、はじめて。

 うれしい。


ひとりめは、とってもはなしやすい男の子。バーでバイトしてるんだって。バーってなーに?ってきいたら、おさけのんだり、ごはんたべたりするとこなんだって。

 いろんなこと、知ってて、あたまがいいんだとおもう。

 いいなあ。ミミちゃんもあたまよくなりたいなあ。

 なんでもはなせるたよりになるリョウくん。


それからー・・・、ふたりめはー・・・、高校3ねんせいでー、スポーツカーにのっててー、カッコよくてー、おしゃれでー・・・、すっごくやさしいトオルせんぱいッ!

 カノジョになりたいな・・・


 リョウ君には、トオルせんぱいの話をいっぱいするの。

 でも、リョウ君は、トオルせんぱいのこと、あんまりすきじゃないみたい。どうしてかなあ?

 「高校生がスポーツカーっておかしいだろ。」とか言うの。

 トオルせんぱいはバイトがんばって、じぶんでかったのに。すごいのに、なかなかリョウ君はわかってくれない。


 こないだ、トオルせんぱいにドライブデートにさそわれたの。

 ピカピカのスポーツカーにのって、おでかけしたの。

 車のやねがウィ~ンってうごいて、へんしん。かぜがきもちいい。

 すこしはしったあと、車とめて、見上げたら、キラキラ星いっぱい!


 「(かん)コーヒー()ってくるね。ミミちゃんはオレンジジュースがいいかな?」って言って、せんぱいがおさいふ出したとき、なにかおちたの。

 ミミちゃん、ひろってあげた。なんかおくすりみたいだったから、せんぱいびょうきかもっておもって、だいじょうぶ?しんどいの?いたいの?ってきいたの。そしたらね、「大丈夫(だいじょうぶ)。これはクスリじゃないよ。お(はだ)がきれいになって、美人(びじん)になるビタミンだよ。」って、おしえてくれたの。


 なーんだ、びっくりした。ビタミンなら、中学のときのおともだちものんでた。あれって、びじんになるためだったんだー。ミミちゃんもきれいになりたいな。


 ミミちゃんあんしんして、「せんぱいがだいじょうぶでよかった」って言ったの。

 そしたら、せんぱいのかおが、目のまえにきて・・・


 「ミミちゃんがこれ()んで、もっともっと綺麗(きれい)になってくれたらうれしいな。

  これ飲んで、二人(ふたり)(たの)しいとこに行きたいな」


 え?こ、これって、こくはく?こくはく?こくはく?

 「ミミちゃんが、せんぱいのカノジョになるってこと?」


 「ん? あーうんうん、 これ、飲んだらね。

  これは(たか)いんだけど、今日(きょう)特別(とくべつ)プレゼントするね。」


 「たかいの?これ・・・じゃあ、ミミちゃんにはかえないね。」


 「そんなことないよ。

  いいバイト紹介(しょうかい)してあげるから、(つぎ)からは自分(じぶん)()うんだよ。」


 「ミミちゃん、おしごとダメダメなの。

  いまのバイトもクビになりそうなんだよ。」


 「大丈夫(だいじょうぶ)、大丈夫。ミミちゃんがニコニコしてたらできるバイトだから。

  バイト(だい)もいいから、このビタミンも余裕(よゆう)()えるよ。」 


 なんだか、ふあっとしたの。カノジョとか、とくべつとか、おしごとできるとか、ミミちゃんのうれしいがいっぱいで、ふわふわしあわせ~。

 「せんぱいありがと~」


 ジュースをかってもどってきたせんぱいが、

 「()んだら、(たの)しいとこ行こ!」ってにっこりわらったの。


 今まででいちばんのえがおだったの。

 いちばんのえがおだったのに、ふわふわしあわせ~が、きゅうに、ざわざわ~になったの。

 そしたら、なぜだか、ママのことおもいだしたの。

 ママのかおが、かなしそう・・・どうして?


 ママ・・・・


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