12.元思春期の独り言 ②
人気のない、不気味な通り。
足を踏み入れたものの、後悔。
いつもの道を通ればよかった。何か出そうな雰囲気だな。冬でも出るのかな?幽霊系の人達。
ん?人じゃないか、幽霊は。おばけ系?ん?
「た、助けてください・・・・・」
で、出たーっ!!なんか、声が聞こえたー!
え?!何系? え?え?人?え?
道に倒れたバイク。その向こう、だいぶ向こうに、人らしき影。
駆け寄ってのぞき込むと、プルプルと子犬のように人が震えてる。
慌てて救急車を呼んだ。
道に放り出された財布から免許証が飛び出していた。それを拾い上げて見た。
若いな。ちょうど俺の息子くらいなのかもな。助かるといいな。
救急から連絡を受けた警察が先に到着した。
意識のある少年に、薬はやってないかとか、酒は飲んだかとか聞いている。
俺は、救急車をイライラしながら待っていた。
早く!早く!この子になんかあったら、どうする!
警察もあれこれ聞いてる場合じゃないだろ!早く助けてくれよ!
苛立つあまり、その警官を睨みつけていたかもしれない。突然俺の方を振り返った。
ちょっと、ドキッとして、「何でしょうか」と尋ねた。すると、少年との関係を聞かれた。
とっさに、何のためらいもなく、口から、「父親です。」という言葉がでた。
それから少年についてあれこれ聞かれたが、ついさっき免許証を見て知った、情報以外何も答えられなかった。
怪訝そうに俺の頭のてっぺんからつま先まで視線を上下させる警官。
「こんなだから、愛想つかされて、子供連れて嫁は出て行きましたよ。
まだ、この子が、歩きもしないころでした。今日はその時以来の再会です。」
我ながら中々のにわかストーリー語ったな。
ピーポーピーポーピーポー だんだん大きくなるサイレン音
「なるほどね。じゃあ、救急車来たから、一緒に乗って病院の方に。」
警官に促され、俺は見知らぬ少年の父親として、救急車に乗りこんだ。
幸い少年は大したことなく、傷の手当てを受け、二人並んで医者からの説明を受けた。
一体何をやってるんだ?俺は!!
で、この子は何でおとなしく俺と一緒に話聞いてんだ!!




