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【漫才】行田の餃子

作者: 山﨑歩帆
掲載日:2019/10/17

ボケ「どーもー! (ボケの名前)でーす」

ツッコミ「どうも、(ツッコミの名前)でございます。二人合わせて」

ボケ・ツッコミ「(コンビの名前)でーす」

ボケ「いやー、ぼくんちギョーザ屋やってるんですけどね?」

ツッコミ「……あー、ギョーザっていうと、あれかい? 埼玉の北の方にある……」

ボケ「ちがうっ! それは行田! やめろよそんな、拾う価値もないギャグ言うの!」

ツッコミ「……」

ボケ「え、どうしたの?」

ツッコミ「言ってみただけなのに……そんな言い方すんなよ」

ボケ「うそ、え……ごめん」

ツッコミ「いや、いいよ。続けようぜ」

ボケ「う、うん……。いやー、餃子を包んでるとね? なんだか不思議な気持ちになるんですよ」

ツッコミ「えー、そうなんだ、一体どんな気持ち?」

ボケ「ギョーザを包んでいるとね? 僕がギョーザを包んでいるのか、ギョーザがぼくを包ませているのか、わからなくなるんですよ」

ツッコミ「んー? どういうことだろう?」

ボケ「なんていうのかな? 世界が、僕と、皮と、あんだけになるような。そんな気持ちになるんですよ」

ツッコミ「へー、そー」

ボケ「その瞬間僕は、『あ、行田に入った!』って、感じるんですよ」

ツッコミ「え? ぎょう、だ……?」

ボケ「そ、そんでね? 行田にいると僕はなんだか……とても幸せな気持ちに……」

ツッコミ「……」

ボケ「あの……」

ツッコミ「何」

ボケ「突っ込んで頂きたいんですけど……」

ツッコミ「俺の、俺の行田は否定したくせに、なんでお前はそんなに簡単に、『行田』という言葉をその口から出せるんだ?」

ボケ「だからそういうボケじゃん。冒頭のお前が言おうとした『行田』を、回収したんじゃん。説明させないでよ、もーーーー!」

ツッコミ「なるほど。わかった、了解でーす」

ボケ「……」

ツッコミ「理解しましたよ? どうぞ? 続けてつかーさい?」

ボケ「……だからね? 気分転換するのにいいんじゃないかと思うんだよ、ギョーザつくるの……」

ツッコミ「あー確かに! 手先動かすのっていいっていうし! やってみようかな」

ボケ「お! じゃあ、早速教えますね!」

ツッコミ「よろしくお願いしまーす」

ボケ「まず、うずらの卵を、両方のわきの下にそっとはさんで……」

ツッコミ「うずら? は? なんで?」

ボケ「え」

ツッコミ「なんでうずらなの? なんで?」

ボケ「え、だって、そういうボケだから……」

ツッコミ「あーそう、了解でーす」

ボケ「……」

ツッコミ「はい! うずら、用意しましたー。わき、はさみましたー」

ボケ「そ、それじゃあ! そのままあたためて、卵から雛にかえしてくださーい」

ツッコミ「……は?」

ボケ「え?」

ツッコミ「お前、え、何? 命をなんだと思ってんの? てか、うずらの卵と餃子づくり、関係なくね?」

ボケ「だって、そういうボケだから……」

ツッコミ「だからって言っていいことと悪いことがあるだろーが!」

ボケ「そんなこと言ってたら漫才なんてできねぇよ!」

ツッコミ「諦めるんじゃねぇ! コンプライアンスに乗っ取った漫才だって、きっとできるはずだ!」

ボケ「つまらねぇ予感しかしねぇ!」

ツッコミ「うるせぇ、やるしかねぇんだよ……。俺たちはもう、後には戻れないんだ……」

ボケ「なんでそんなに追い詰められてんの?」

ツッコミ「昔々あるところに……」

ボケ「そして急に始まるサムシング……!」

ツッコミ「おじいさんとおばあさんが、法に乗っ取って婚儀を交わし……」

ボケ「固い! 表現がクリスピー!」

ツッコミ「しかし、ある日おじいさんが言いました。『別れてほしい』」

ボケ「シビア! シビアな展開! 求めているのは笑いなのに!」

ツッコミ「『どうして? なんで突然……?』『実は、好きな人ができたんだ……』『そんな……』」

ボケ「悲しい展開! だがしかし! 一度燃えた恋の炎を消すなんて、誰にだってできやしない……!」

ツッコミ「『わかったわ、出ていきます……。ただ、財産の半分は、しっかりもらっていきますからね』『ああ、もちろんだ』。そして二人は、法に乗っ取り、離婚という道を選んだの

でした」

ボケ「ほーら言わんこっちゃない! 何にもひとつも笑えない!」

ツッコミ「そしておばあさんは、離婚によって得た資金をもとに、行田で餃子屋を始めたの

でした、終わり」

ボケ「結局行田に戻るんかい! もう、いいよ」

ツッコミ・ボケ「どうも、ありがとうございましたー」

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