表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/100

4-12 ダンジョン7~9階層攻略

 魔石とドロップアイテムで300Gほど稼げた。

 まずまずの成果だな。


「とりあえず1杯やるか」


 俺はフードコートに行き、ビールと串焼きを頼んだ。

 串焼きの肉をちびちびとかじりながら、ビールを飲む。

 なんか、最近こういうのが楽しくなってきた。


「おつかれさま」


 背後からの声に振り返ると、ジョッキを持ったデルフィがいた。


「あ、うん、おつかれさま」


 飲みさしのビールを掲げると、彼女はそこに自分のジョッキをコツンと当てながら、俺の向かいに回り込んで座った。


「あの、どこまでいけた?」

「5階層の規制解除までね。明日は朝から2回目のアタックをするつもり。この調子だと明日中に10階層まで行けるんじゃないかしら?」

「おおー、早いね!」


 つまり俺が1日半かけて進んだところを、半日で踏破したってことだよな。

 見たところ、多少疲れてはいるようだけど、無理してるってふうではない。


「森で弓が使えるならエルフに怖いものはないわね」


 と自慢気に胸を張るデルフィ。


「ショウスケは?」

「俺? 俺は7階層の規制解除して、今から2回目のアタックだよ」

「ふーん? じゃあそっちも明日中に10階層までいけるんじゃない?」

「あ、うん。俺のほうは余裕だと思う」


 明日は魔石やドロップアイテム集めつつ、9階層の規制解除を目指すつもりだったんだが、攻略速度を優先したほうがいいかもしれない。

 じゃないと、デルフィに追い抜かれそうだ。

 いや、まぁ追い抜かれたところで問題があるってわけじゃないんだけどさ。


「ねぇ、晩ごはんは食べた?」

「あー、串焼きちょこっとつまんだくらいだけど」

「じゃあ、ちょっと食べてよ」


 そう言ってデルフィは、ビールと一緒に持ってきた木皿を俺の前にすっと出した。

 そこには串焼きやソーセージなんかが、こんもりと盛られていた。


「あの、来たときから気になってたけど、めっちゃ多くない?」


 もしかして、ここで俺と一緒に食べるため、多めに買ってきたとか?

 だとしたらすっげー嬉しい。


「私としては半分くらいのつもりだったんだけど、いろいろおまけしてくれたのよ」


 あ、さいですか。

 美人はお得でやんすね。



「私ひとりじゃちょっと多いから、食べてくれると嬉しいんだけど」

「じゃあ、遠慮なく」


 そこからは、ダンジョンの感想なんかを言い合いながら、結構楽しい時間を過ごすことができた。

 夜は昨日と同じ宿へ。

 デルフィも同じ宿だが、ちょっと割高になる女性冒険者専用フロアというところに部屋を取った。


**********

 

「じゃ、お先に」

 翌日、朝食を一緒に摂ったあと、先に手続きを終えたデルフィは、さっさとダンジョン入口に向かった。

 気合い入ってるねぇ。


「なんでぇ、今日も別行動かい」


 受付は昨日と同じおっさんだった。


「ええ、まぁ」

「お前さんもだが、あの嬢ちゃんもすげー勢いで攻略してんなぁ」

「俺の場合は師匠からの課題といいますか、そんな感じで」

「へええ。どういう課題なんだい?」

「ソロで10階層制覇ですね」

「おお、そりゃすげぇや! ソロで10階層制覇なんて、ここ半年くらいなかったなぁ」

「へええ、そうなんですね」

「おう。まぁお前さんらは問題なさそうだが、無理はするなよ」

「はい」


 この日のダンジョン探索も、特筆すべきことはなにもなかった。

 順調に7→8階層を攻略していったん戻り、規制を解除して8→9階層を攻略。

 同じ森林ゾーンのため、多少出現モンスターの強さが変わるくらいじゃあ、とくに苦労することもない。


 出現モンスターが強くなればそのぶん獲得できる経験値も増えるようで、1階層につき1~2くらいレベルアップしている状況だ。

 なので、階層が進んでも彼我の相対的な戦力差はさほど変わらず、結局のところ浅階層のころと戦闘における難易度は維持されてるって感じかな。

 階層が深くなるにつれ森も深くなっていくので、単純に移動で苦労することは多くなったから、そこはちょっとだけしんどくなったかも。


 普通なら森が深くなるぶん、死角からの不意打ちなんかが増えそうなもんだけど、俺には〈気配察知〉と〈魔力感知〉、それに〈気配隠匿〉があり、それも環境が過酷になれば、そのぶんスキルレベルが上がっていっているので、ホント戦闘面では苦労がない。


 手に入る魔石の大きさもそこそこのものになっていて、7→8、8→9とのべ4階層を、スピード重視で攻略したにもかかわらず20kgを超えてた。

いったんドロップアイテムも含めて換金したところ、なんと400G近く稼げたよ。

 まだ昼前なので、半日で400Gとなると、もう少し深く潜れば1日1,000G……。


「ふふ、日当10万円も夢じゃないな」


 とはいえ俺みたいにソロで活動する者は少ないので、4人以上のパーティーで10階層辺りを探索するなら、ソロで薬草採取やったほうが儲かるかもね。


お読みいただきありがとうございます!

ブックマーク登録、↓からの評価等で応援していただけると嬉しいです!!

感想、レビューもお待ちしております!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
劉備の腹心【簡雍】視点で描くライトでヘヴィな三国志の物語
『簡雍が見た三国志』

1-3巻発売中!
『アラフォーおっさん異世界へ!! でも時々実家に帰ります』
アラフォーおっさん3巻カバー

アルファポリスコンテンツ

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ