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3-9 攻撃魔術基本講座

いつもの説明回です。

ざっと流していただいて大丈夫です。

 まず魔道の基本として《地》《水》《火》《風》《空》《光》《闇》《無》の8つの属性がある、ってことは前回習った。

 さらに複数の属性を組み合わせた、複合属性についても。


 今回『下級攻撃魔術パック』で俺が覚える『基本攻撃魔術属性四種』ってのが水×火の《氷》、火×風の《炎》、地×水×風の《雷》、そして《無》の4つ。

 魔法で複合属性を操るのはめちゃくちゃ大変だけど、魔術だとそれも簡単になる。

 そして単属性よりも、複合属性のほうが効率がいいのだとか。

 だから、よほどのこだわりがない限り《地》《水》《火》《風》単属性の攻撃魔術を覚える奴なんて、いないらしいのだ。

 ただ、魔力を純粋な攻撃手段に変換する《無》属性は便利だから、基本攻撃魔術属性四種に加えられるとのこと。

 ええ、無属性攻撃魔術の便利さは、身を以って実感しておりますよ。


 《空》《光》《闇》に関しては、そもそも単属性での攻撃魔術はない。

 《空》はともかく、ライトニングアローとか、ダークブレットとか、ゲームだとよくありそうなんだがね。

 この世界にはないんだと。


 さて、次に各属性の攻撃魔術だが、これは《()》《(だん)》《(きゅう)》《(じん)》《(そう)》《()》《()》《(じん)》の8種で、4等級に分けられる。


 まず矢のようなもの飛ばす《矢》と、小さい弾丸のようなものを飛ばす《弾》、そしてそこそこ大きめの球体を飛ばす《球》の3つが下級。

 《矢》が一番初歩的で威力も弱く射程も短いが、詠唱が短く、魔力消費も少ない。

 《弾》と《球》は詠唱も魔力消費も変わらないが、《弾》は貫通力と射程、速度を重視し、《球》は衝撃力と操作性を重視している。

 《弾》は真っ直ぐにしか飛ばないが、《球》はちょっとだけ軌道を変えられるのだ。


 中級はお馴染み《刃》と《槍》。

 《刃》は刃を飛ばすようなイメージで、《槍》は貫くイメージだな。

 下級魔術がすべて単体攻撃なのに対し、中級はある程度複数攻撃が可能だ。

 どちらも長さや威力を少しばかり調整できるので、横に薙ぐか縦に貫くかで2~3匹くらいなら同時に攻撃可能だな。

 実際俺も、《魔刃》で2匹のグレイウルフを同時に仕留めたしな。


 さて、次の上級だが、これは中級のような中途半端な形ではなく、完全な範囲攻撃となる《渦》と《波》。

 《渦》は目標を中心にまわりへ広がるような、言ってみれば渦巻きみたいな現象を起こす。

 《波》は自分を起点に任意の方向へ、広範囲に効果を及ぼせる。

 詠唱時間はどっちも30秒くらいかかるみたいなんで、ソロで使うのは難しいだろうな。


 最後の《陣》は超級。

 これはかなりの広範囲を蹂躙する殲滅魔術で、冒険者が使うようなもんじゃないらしい。

 詠唱も10分以上かかるし、範囲も数百人規模の団体を相手にするレベルなので、戦争とか魔物の生息地を破壊する開拓とかのときに、使うようなものだ。


 あと、魔術発動までの待機時間をなぜ『詠唱』と呼ぶかってことなんだが、昔は魔術を使うのに難しい呪文を唱えていたんだと。

 でも時代とともに魔術が発達し、やがて呪文を唱えること自体は必要なくなったんだが、それでも呪文を唱えるのに必要な時間だけはなくすことができなかったので、昔の名残のまま、待機時間=詠唱と呼ばれ続けてる。


「おお、そうじゃヒロスケくん。君は前回属性の競合について気にしとったのぉ?」

「ショウスケです。ええ。でも競合はないとのお話でした」

「そうじゃったな。ただし、攻撃魔術を使う場合、対象との属性的な相性は少しばかり重要なんじゃよ、ホウサクくん」


 あれ、もうスケすら合わなくなってきたな。


「ショウスケです。たとえば?」

「そうじゃな、例えば炎をまとった魔物がおったとしよう。その場合、やはり《炎》属性の魔術よりも《氷》属性の魔術のほうが効果は高いんじゃよキュウサクくん」

「ショウスケです。それは“氷をぶつけたら炎は弱まる”という自然現象に準ずる、と考えてよろしいでしょうか?」

「うーむ、やはり君は優秀じゃなドンタクくん。そしてその場合もやはり“炎に氷をぶつければどうなるか“というのは自然現象に準ずるわけじゃな」


 かすりもしねぇな。


「ショウスケです。なるほど。相手が炎をまとっていたからといって弱い氷魔術をぶつけても、それこそ“焼け石に水”ということになるわけですね?」

「その通りじゃ!! ミスターヨシオカァ!!」


 惜しい。


「ヤマオカです」

「同じ理屈で、氷は炎で溶けるが、炎が弱すぎれば炎のほうがあっさり消えるし、水棲生物に雷が効くとしても、弱すぎればマッサージ程度にしかならんということじゃな、ミョウスケくん」


 また微妙に近づいたな。


「ショウスケです。要は、相性も大事だけど、威力がないと意味ないよってことですね」

「そういうことじゃ! マンサクくん!!」


 最後は離れたな。


「どもっす」


 ってな感じで『攻撃魔術基本講座』を終えた俺は、ハリエットさんの案内で下級攻撃魔術を習得した。


《スキル習得》

〈炎魔術〉

〈氷魔術〉

〈雷魔術〉


《魔術習得》

炎矢(えんし)》《炎弾(えんだん)》《炎球(えんきゅう)》《氷矢(ひょうし)》《氷弾(ひょうだん)》《氷球(ひょうきゅう)》《雷矢(らいし)》《雷弾(らいだん)》《雷球(らいきゅう)》《魔矢(まし)》《魔弾(まだん)》《魔球(まきゅう)


 あと、やっぱ〈攻撃魔術基本講座修了者〉の称号もらえたよ。

 効果は“下級攻撃魔術詠唱短縮”と“下級攻撃魔術効率UP”。

 詠唱短縮は、とくにありがたいね。

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