表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

異世界に行くまでのあれやこれや

どこから話せばいいだろうか。そうだな、あのクソみたいな会社にいたところからにするか


大学を中退してからフリーターやら小さな町工場やらで働いてたんだけど、まぁ給料安いわな。

これじゃダメだって事で一念発起し宅建の資格を取りあのクソ不動産屋に入ったのが運の尽きだった。

賃貸専門の不動産屋なんだけど、8時出社し事務所の掃除、9時に朝礼大声で社訓と今日の目標を叫ぶ。もうね、朝からこれとかなんなの?入社初日で心折られましたわ。朝礼終わると開店準備。いや、しかし世の中横柄な奴多いよね。年下の先輩は俺のこと完全にパシりだと思ってるし、客は客で自分を王様か姫様だと思ってる節があるのもいる。19時の営業終了からの書類整理作成。気がつけば24時前。バタバタ片付けて終電で帰宅。繁忙期の3月なんかは休みもなく、会社に泊まることもザラで手取り20万ちょい。もうね、普通にキレるよね?よく3年も我慢したわ。4月頭に辞表出してそのクソ会社を辞めた。働きたくねぇーよー奴隷として兵隊としてもう働きたくねーやるなら軍師。奴隷は懲り懲りだ


それからある程度の期間アニメやら掲示板やら本やらで充実したニートライフを満喫してたんだけど、金が尽きた。働かなきゃいけない。だが、働きたくない。はたらきたくない!!ネット求人で軍師を検索する。あるわけないよね。有ったらいつも見てる掲示板で話題になってるはずだもんな。あーめんどくせー働きたくないよー


ーーー


かの有名なAAよろしく俺は賭けにでた。

密閉した部屋で練炭に火をつける。一酸化炭素が充満する前に赤髪の少女が玄関から助けにくる事を、ピンク髪の虚無の魔法の使い手に召喚される事を祈りながら意識が薄れていく。


ーーー



ん、、、

ぼんやりする意識の中、徐々に意識が覚醒していく


(白い空間?どこだ?俺は何をしてい、、、)

と、ここで思い出す

「よっしゃー!!!!(賭けに)勝ったどー!!!」俺は賭けに勝ったのだ!

嬉しさのあまり小躍りを踊っていると

「ごきげんじゃのう」と声がした。

よさこいチックな小躍りを見られてちょっと恥ずかしいが、声のした方に目をやると明らかに神。なんかね、存在感半端ないんすわ。後光とか差してるし、ハゲ頭なんか虹色に輝いてんだぜ?もう、これ半分ボーナス確定みたいなもんだろ


(って違う、ここからだ。ここからの交渉でこれからの人生が決まる!)


「話をしてもいいかの?」色々と考えていると虹神が話かけてきた


「はい!この度は助けて頂いて誠に有り難う御座いました」収まらないテンションのままに謝辞を述べる

「ふむ、では、ワシの手伝いをするのじゃ。なにが必要かの~?といっても元の素材が脆弱だからの~あまり能力はつけれないの~」

何の説明もなく唐突になにやら言い出す神


「あ、あのすみません。何をすればいいか説明して頂けませんか?」

「あ゛!??」


(あ、俺死んだ転生する前に死んだ)


俺の最もな疑問に威圧で返してくるレインボーゴッド。もうね、転生物の主人公完全に頭涌いてるだろと。くしゃみだけで殺されるような存在によく横柄傲慢な態度をとれるなと。思う訳ですよ


「考えられているところ邪魔をして誠に申し訳御座いませんでした」

五体投地にて最大限の謝意を伝える


「ん?あぁ、説明しておらんかったかの?よろしい。ヌシにはこれから行く世界でワシの神殿で神器を捧げ祈祷を行って貰いたい。簡単じゃろ?」またも唐突に呼び出された目的を説明された。


やるべき事はわかった。でも色々わからない事が多い


「すみません。幾つか質問してもよろしいでしょうか?」

「ふむ、なんじゃ?」

「一つ、なぜ神器を捧げ祈祷をしなければならないのか?二つ、神殿はどこにあるのか?三つ、神器は頂けるのか。最後になぜ私が選ばれたのか?」


「まぁ答えてやろう。一つ目じゃが、今から行く世界には多くの神がおる。善神と呼ばれる者悪神と呼ばれる者。種族によって信奉する神が違う、ある種族からは善神とされる神も別の種族からは悪神とされる。全ての種族から善神とされる神も全ての種族から悪神とされる神も存在しておる。ワシは云わば主神でのう、その神々のバランスを取る役目なのじゃが、この世界の住人にはワシの存在が歪んで伝わってるみたいでの、祈りの力が賄えず最近神力が衰えておってな、神々のバランスが崩れかかっとるのじゃよ。それで、ワシの力を回復する必要があってヌシがここにいるという訳じゃ。」


「二つ目の質問じゃが、行ったこともない土地勘のないヌシに具体的な場所を教えてもそう意味がないじゃろう、世界に5ヶ所ワシの神殿があるとだけ言っておこう。時期がくれば又ここに呼んで話をすることにする。三つ目じゃが、これも時期がくれば話をする。」


「最後の質問じゃが、ここまで神力が衰えたのはめんどくさくて見て見ぬふりをしてたんじゃが、それも限界が近づいてじゃな、どうするか考えながらなんとなく往きゆく魂を視ておったらの、「この馬鹿犬!!」と罵る主人に召喚されたいと強く願う輝くアホな魂が流れておってな、そんなふざけた魂みたことないもんでこれは面白そうじゃと。目的果たせなくともまだ時間的に有余はあるし楽しめそうじゃと。それで選んだという訳じゃ」


なんだろうか、この気持ちは。明らかに本気じゃないワンチャンあればの道楽での転生。明らかに馬鹿な珍獣扱い。転生するきっかけになったピンク髪の虚無の使い手に感謝すればいいのか?この神に感謝すればいいのか?わからない。なんだ、この気持ちは。このやり場のない感情は!


纏まらない感情を一度置いてとりあえず謝辞を述べる


「この度は主神御自らお呼び頂き誠に有り難う御座います。全力を賭し目的を果たしたいと思います!つきましてはこれから行く世界がどんな世界なのか教えて頂きたいのですが?」


「ふむ、テンプレじゃ」


はぁ、さいですか。オーケー余裕。考えない感じることとする


「承知しました。少しお願いがあるのですが?」

「ふむ、なんじゃ?」

「テンプレの世界であれば非力な私では生きていくことは難しいと思い目的を達成するのは難しいかと愚考し、できれば目的を達成できるだけの力を賜りたく。」


虹ハゲは顎に手を添え一考すると「ふむ、何を望む?この世界には虚無の魔法を使えるピンク髪はいないし、人間を召喚獣にする事もできぬ。召喚獣として転生させれば祈祷など行えないから論外じゃ。」と問うてきた

「では、成長率増加を」

「それは管轄外じゃから無理じゃ」


被せ気味に否定される


「では、魔法の才能と武具の才能、創作の才能、、」

「それも管轄が違うから無理じゃ」


また被せ気味に否定される。


(おい、主神なんだろ?何もできないのか?普通主神はなんでもできるもんじゃないの?ただの無能じゃねーか!)


心の中で悪態つきながらも、そんなことはおくびに出さず自称ハゲ神に尋ねる


「では、どのような事ができるのでしょうか?」

「ふむ、そうじゃな、何に生まれるか天職はなにか、あとは元の世界から一つだけモノを持って転生できる。そんなところじゃろうかの?」


(この虹ハゲほんとになんなの?基本なにも出来ないじゃねーか!)再び悪態をつきながら考える


「では、種族は人間で天職は賢者を希望します」

「ぷ、ぷぷっ。やはりヌシは面白いの!あんなバカの王様みたいな死に方して賢者を所望するとか、ぷぷぷ、やはりワシの目に狂いはなかったの!たのしめそうじゃ!!」


(こいつマジ、マジこいつ。ほんとマジ)


ひとしきり笑うと落ち着いたのか話を続ける。「ヌシの天職適性は商人、怠け者、賭博師、奴隷、受け付け、教師、策士、他にもあるがこんなところじゃ。そうじゃな魂に軍師への憧憬があったから策士にちょっと色つけて軍師にしてやろう。バカな軍師とかどうなるか想像つかんわ、ぷぷ。楽しみじゃのう」またなんか想像しながら笑いだしたよ。


もうね、俺は無心。あのAAばりに真顔


これまたひとしきり笑いおえると何もなかったかの様に聞いてくる「それで、元の世界から持って行きたいものはあるか?」


(クソ!クソ!なんだこいつあんだけ笑ってといて、この真顔!なんだマジで!だが、静まれ、落ち着け。こいつはポンコツハゲなんだよ。落ち着け。チートなんか求めるな。持って行くものを考えろ。ってか持って行くものか一つだけとかケチ臭い。落ち着け。期待するな。深呼吸、深呼吸。よし、落ち着いた。持っていくもの。何が有用だろうか?それより持っていったとしても赤子の時に盗られたら何の意味もなくね?)疑問が浮かんだので聞いてみる


「すみません。元の世界から持って行ったとして、盗まれたとしたら何の意味もないと思うのですが、大丈夫なのでしょうか?」

「ふむ、最もな疑問じゃな。だが、安心せい。元の世界のその物に対するヌシの認識、観念からワシが再構築するから半物質的な存在になり、他者から認識される事も盗られることもないぞ。」


それは良かった


(手から無数に唐揚げが出るのとかは論外として、やはり情報を得られるのが最良だろう。でも、どういうことだろうか?認識観念から再構築するってんなら実際の物と多少違ってても問題ないのではなかろうか?)そのあたりを聞いてみる

「ふむ、まぁ大丈夫じゃろう。ワシとヌシで多少齟齬があるかもしれぬが大きく間違ってはおらんだろう」


(となると、やはりスマホだな。元の世界とも繋がる電池切れのないスマホ。形は野菜星人が使ってた戦闘力がわかる片掛メガネでその他機能マシマシ)


「では、スマホでお願いします。こんなイメージで、、、」


俺が思い浮かべてるスマホがどういったものか説明する


「ちょっと面倒だが、わかったそれにしようか。」と了承してくれる


「あと、無数の魂から選ばれたのじゃ、サービスとして豪運と聖痕もつけてやろう。それじゃ目的に向かって励みワシを楽しませるのじゃぞ!!」


そこで俺の意識は途切れる



初めての投稿になりますので生暖かく見守って下さい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ