11話 燃える炎
「わたくしと手を組みませんこと?」
「…それは、どういう意味でしょう。」
探るように私を見る目。
ふぅん、優秀な王子だって話しはあながち間違ってなかったわけね。
「その通りの意味ですわ。あぁ、こういった方が早いかしら、『わたくしに手を貸しなさい。』とね。」
女王然とした態度で話を簡潔にする。
そう、私がいっているのはそういうこと。
普段こういうことは言わないようにしている。それも、相手は王族だ。国際問題になりかねないことは私も十分に分かっている。
だが、この王太子ならきっと理解できるはずだ。
私の試すような目に気づいたセルフィジアの王太子はニヤリと口の端を少しだけあげた。
「もちろんです、ルピアナティア王太子殿下。我が身をもって、あなた様に誠心誠意ご協力いたしましょう。例えそれが我が異母弟だとしても。」
とってつけたかのように言うその言葉はまさに王太子の言葉だった。
だけど彼が言いたいのはそう言うことじゃない。
最後につけた、それが我が異母弟だとしても、というところだ。端から聞けば彼が自身の異母弟だとしてもあなたのためなら排除しようと言っているように聞こえるが、実際は、私の名を使い大義名分の元異母弟を排除するつもりなのだ。
ものわかりがよろしくて、良かったです。
「それは頼もしいわね。では、早速あなたには我がリゼアイリア王国に来ていただくわ。」
頷いた王太子を確認し、空間移動の道を開いた。
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リゼアイリア王国
ロズマリン王城 ロゼ宮殿 ロゼリア宮
トン
「よいしょっと。」
降りたところは私の私室の隣にあるサロンだ。
アルとテル、それから父がいた。
「ただいま戻りました。」
「あぁ、よくやった。……そなたがセルフィジアの王太子か。」
「はい。リゼアイリア国王陛下。」
おぉ、君、よく父を国王だと分かったね。
ふふ、馬鹿でないのを知ってはいたけど……気が合いそうね!
父とテルはまだ仕事があるらしく自分達の執務室に戻っていった。
「殿下。彼は?」
「彼は我がリゼアイリアの騎士団長、アルバートよ。」
国王である父と、明らかに高官の貴族であるテルが退出したため、残ったのは私と王太子、そしてアルのみ。
彼が気になるのも無理はない。
「なるほど。…お初にお目にかかる。私はセルフィジアの王太子シュベルツィ・フィルエだ。」
「お会いでき光栄です。私は、リゼアイリア王国の騎士団長、アルバートです。」
珍しくキリッとしているアルが、王子とかたく握手をした.....のだが.....。
ギリギリ、ギリギリ
あ、あれ?握手ってそんなに手が青くなるものだっけ?
あは、あははは.......。
うん、計画の時に何もないことを祈ろう。




