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冷酷王の愛娘  作者: 水無月 撫子
第二章 誕生祭とセルフィジア
33/76

    10話 はじめまして


パアァァァ


 部屋全体に明るい光が輝いた。


「あぁ、良かった。当ってたわ。」

「……だれ…だ。」


 ゲホゲホ、と随分とキツそうにしている。

 その目はかたく瞑られており、私の気配だけを捉えているようだった。


 そのベッドのすぐ脇に立つ。


「……このままじゃ、会話もできないわ。」


 その痩せ細ったミイラのような手にそっと触れる。


******************************


『ティア!!』

「こんにちは。まさか、こんなところにいるとは思わなかったわ。誰に力を貸しているの?」

『む~。ま、いっか!あのねぇ、パルマっていう女だよぉ。』

「パルマ……セルフィジアの第三側妃か。ってことは、第二王子の母親ね。」


『う~ん、そうだっけ?』

「…それより、あなたがいるってことは、第三側妃は闇魔法を行使している、ということよね。」


 そう。彼は闇の精霊。

 よく、私の周りを飛び回っていたから覚えている。


『ははっ!あの女、適性がないくせに僕を使役しようとしてたんだよ?馬鹿みたい!』


 きゃはは!と無邪気に笑う闇の精霊。


「使役者の適性がないのに、あなたは手を?」

『そうだよぉ。だって、面白そうだったから!』


 この子たちは精霊だ。無邪気で好奇心旺盛。

 面白いことを全力で楽しむ子たちだ。


 だけど、その無邪気さは時に悪魔よりも恐ろしい、と私は思う。


『う~ん、でもティアがやめろって言うならやめるぅ~。だってティアがやめろって言うことはだいたい面白くないしぃ~、言うこと聞かなかったら僕、闇の精霊王に怒られちゃう!』

「じゃあ、魔法を解いてくれる?」

『うん!!』


 満面の笑みでコクッと頷いた彼はふわりとどこかに飛び去った。



******************************


 さぁ、ここからですね。


「『彼の身にかかりし邪よ。我が力をもって、祓いたまえ、クリーン』」


 淡い金色の光がベッドの上の人物を包んでいく。


 みるみるうちに彼の体は正常な状態を取り戻していく。

 そう、まるで枯れた花が元のみずみずしい満開の花に戻るよう。

 ゆっくりと開いた瞳が私を見つめる。


「はじめまして、セルフィジア王国王太子。わたくしは、リゼアイリア王国王太子のルピアナティアよ。」


 瞳がさらに大きく開かれる。


 確かに驚くかな、だって、一応は一国の王太子ですし、普通なら国外にそう簡単に出たりしませんよ?


「リゼアイリア王国の王太子殿下……。あの、有名な姫が何故私のところに?」


 なんです?有名な姫って、また変な噂たってるんですか!?


「有名かどうかは分かりかねますが、正真正銘、ルピアナティア・ロゼリア・ロズマリンですわ。わたくしがここにいる理由はあなたの異母弟たちのせいですわ。」


 そうなんです!

 ほんと、あいつらのせいでここまで…って、それは、まぁ今はいいですね。


「我が異母弟ですか……。」


 思いっきり顔しかめてますよ?


「あ!申し訳ない。お知りの通り私はセルフィジア王国の王太子、シュベルツィ・フィルエ。御目にかかれて光栄です。」

「ご丁寧にどうもありがとう。さすが王太子ね、というか、さすが第一王子といった方が良いかしら?」

「どちらでも、お好きなように。」


 うん、こうでなくちゃ。

 彼は立場的には私と同等か少し下くらい。

 本当なら砕けた挨拶でも許されたはずなのに、わざわざベッドから床におり、膝をついてまで丁寧に挨拶をした。


 自分の立場をわきまえ、他国の王族を尊重する態度、その中にも自身が国の代表であることを理解した上の慎重な発言、これこそが王者の風格である。


「シュベルツィ王太子殿下、わたくしと手を組みませんこと?」






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