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冷酷王の愛娘  作者: 水無月 撫子
第二章 誕生祭とセルフィジア
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    9話 気がすまない


ロズマリン王城 ロゼ宮殿ロゼリア宮


「最悪ですわ!!!」


 ザシュッ!

 ドサッ!


「ヒィ!!ティ、ティア様!!落ち着いて…」


 ドスッ!

 ドサッ!!


「これの!」

 ドスッ!

「どこが!」

 ザシュッ!

「落ち着いて!」

 ゴリッ!

「られますか!!」

 ドンッ!!


「……。」


 私が手に握っているのは愛剣……ではなく、ただの木刀。


 訓練用のセルと呼ばれる太い木の棒に分厚い布を幾重にも巻きつけたものを相手にしている。


 一応人に見立てて作ってあるセルは、それなりの厚さがあり、そうそう簡単に折れたり斬れたりはしない。


 の、はずだが……。


 私の周りのセルは上下真っ二つのものや、ナイフが人間とすれば急所に刺さったもの、太い木の棒が粉々に折れているもの……など様々。


 う~ん、人だったら即死ってところよね?


「ちょ、ちょっと待って!?それ、木刀だよね?変な、魔法かけてないよね!?」


 グイグイと迫ってくるアルの顔色は何故か少し青ざめている。


「あら、かけてるわけないじゃない、人を斬るわけでもあるまいし。確かに木刀は人を斬るには心もとないけれど、硬度魔法を少しかければ立派に人でも何でも斬れるわ。……でもねえ、相手は別にここにあるセルだけなんだから、わざわざ無駄に魔法をかける必要性はないわね。」


「そ、そうか。で、でもさ、ティア様?普通は木刀じゃ、セルは斬れないでしょ?」


 う~ん、まぁ、そうだろうね。


 セルは、リゼアイリア原産のフォイという虫から作られた頑丈な糸を織って作ってある布にロルの花の綿を詰めたものを、ショウリュという建築物に使われるような硬い木に何重にも巻いて作ったもの。


 ロルの花の綿は、弾力があり、破れたりちぎれたりすることがない。

 フォイの糸は織るととてつもなく頑丈でちょっとやそっとじゃ斬れたりしない。


 ……ん?おかしいな、なんで斬れるんだろ。


 ……

 ……ま、まぁ、いっか!!


「というか!わたくし、これでは気がすまないわ!おかしいでしょ!あれ!!!」

「いや、何が、というか!なんですか。」


 呆れ顔のアルはおいといて……


 私が憤慨している理由、それは。


 セルフィジア!!!


 絶対に許さん!あのバカども!!


 今日は初日だから会食とかはないけれど、だからといって……。

 部屋に案内するまで何の考えもなしに、私や父に対する侮辱の言葉をかけてくる。


 あんなのを寄越されて黙っていられますか!!



 他の国から見ればリゼアイリアがセルフィジアになめられている、という状況が出来上がる。


 このままでは、大陸一の大国の名が廃れてしまう。


 ふざけんなよ。

 リゼアイリアの国民が築き上げた歴史を貶そうなんて、絶対に許さない。


 一体どうしてやろう。

 いっそのこと潰すか。


 あぁ、でも、それは流石に……。

 一応は同盟国だ。あまり下手に攻め混むと他国の信頼がなくなってしまう……。



 今のセルフィジアの王太子が死ねば、王位はあの二人のどちらかが継ぐことになる。

 それは、なんとしても阻止したい。


 何故かは簡単。

 あの二人が王になればなんの考えもなしに他国に攻めいったり、自国で横暴な態度をとって国内が大荒れしたり……リゼアイリアとセルフィジアは隣に位置する。セルフィジアの乱れは少なからず我がリゼアイリアにも影響してくるだろう。


 そんなこと、あってはならない。


 そんな危険が予測できるのになにもしないという行動を私達、王族がとるわけにはいかない。

 というか、決してとってはならない。


 それが王族の責任だ。



「アル、わたくし、少し出掛けますわ。」






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