小話 騎士団長と王女
今回は、ヘタレな騎士団長アル君の自爆話しです。
アル君はティアちゃんをどう思っているのでしょう?
ついに!ティア様が10歳になる!!
誕生日プレゼントは何がいいかな、と王宮内にある自分の部屋で考えていると…ふと、机の上にある綺麗な箱が目に入った。
「………。」
いや、あれは、ダメだ。
……まだだ。
ティア様はやっと二桁の歳になったんだ。
自分の気持ちを押し付けようとするな、俺!!!!
自問自答をしてある間にも刻々と時間は過ぎて行く。
というか、一人で唸ってるって結構キモくないか……??
ゴホン!!
ところで、最近はかなりヤバイのだ。
ティア様が成長するに連れて自分の気持ちに抑えがきかなくなってきた。
気を付けねば!!!
やっぱ、俺ってキモ……ゴホン、ゲホン!!
「よし、誰かに殴ってもらおう!!」
そう思って向かうのはやっぱり……。
「ティア様ぁーー!!」
クルリと振り向く天使……否、ティア様。
あぁ。今日も可愛い……じゃなくて!!
「ティア様!いつものあれ!よろしく!!」
「ほへ?……いや、ちょっと!いやよいや!!お父様お助けください!!わたくしが、わたくしが悪いのでしょうか!?アルがアルが、特殊性へ…グッ!」
あ、しまった、つい
「ティア様!違いますから!!」
「え、だって、顔見せた途端あなた、何ていった?いつものあれよろしく。って言ったのよ?分かってる?いつものあれって言えば……ハリセンでぶっ飛ばすやつでしょう?」
俺が、コクリと頷くとティア様の顔が青ざめた。
途端にタタンとつま先をならした。
「至急!至急!お父様!アルが変ですわ!助けてください!!ただいま、ルチェリア庭園にいますわ!!」
ティア様は俺に捕まえられないよう、空に飛んだ。
「ちょっ!ティア様ーー!!」
「うるさいわよ、変態!!信じてたのに!アル!」
「そ、そんなぁ~!」
結局その日は、陛下に殴られたことで正気を取り戻した。
「ティア様。お誕生日おめでとう。朝だぞ。」
ティア様に一番最初にお祝いを言えるのは俺の特権だ。
一応、彼女の護衛としてついている俺は、どうにも寝起きの悪いティア様を起こすことを本人からいいつかっている。
「ふにゅーー?」
あぁ、可愛い、かわいい、カワイイ
「ティア様、ミオナ様が来たぞ?」
「えっ!?それだめ!!」
スパッと起きるティア様。
ミオナ様、すげぇ。
「嘘じゃない!!酷いわ!アル!」
「だって、こうでもしないと……って!潜るな!」
「あとちょっとぉ~。」
「ダメだっての!起きろ!」
「いやぁ!」
「起きろ!」
「いやぁ!」
「お前たちは朝から一体何をそんなに騒いでおる。」
「「げっ!!」」
「おい、お前たち…。」
「お、おはようございます。お父様!」
「お、お、お、おはようございます!陛下!」
「あぁ、アルの方が『お』が多かったから今日の市街の見回りはアルだな。」
「あんた、わかってていってんだろ!?陛下!!」
「ほぉ、よく分かったな。私はとても感心しておる。」
「いちいち報告は要りません!!」
俺と陛下がいい争いをしている間にパパッと支度を始めるティア様。
ガウンを羽織ると、パッと出ていってしまった。
「それで?お前、今年は何を贈るんだ?去年はイヤリングだっただろう。」
「はい。今年は髪飾りを贈ろうかと。」
「そうか。」
陛下は何だか渋い顔をして、あとでなと呟くと早々に出ていってしまった。
そして、ティア様の誕生パーティーが始まった。
ティア様はこのリゼアイリア王国の王太子兼第一王女だ。
リゼアイリアは広大な領土と豊かな資源、他国にまで絶大な影響力のある国である。
よって、国内外問わず多くの王候貴族が集まる。
その中でも一段と輝いているのは、やはり主役である、ティア様だった。
ティア様と出会って、護衛兼教育係になって、周りに笑顔を与える彼女はいつも輝いていることに気付けた。
自分の弱さを見せることをせず、誰かに頼ることもしない。
王族としての匙ではなく、自分の意志として。
ティア様の隣にいるのは俺の勝手。
ティア様は俺に、幸せになってほしいとよく言うけれど、俺の幸せはティア様の隣にしかないと思う。
幼いティア様に自分の気持ちを押し付けるのは良くない。
ティア様、覚悟してくださいよ!!
「ティア様、お誕生日、おめでとうございます!!」
水無月)) ぐすん!お母さんはそんなヘタレに育てた覚えはありません!
アル)) え!?いつ、育てられた!?
水無月)) (・∀・)??
アル)) ごまかすなよ!!
ティア)) え~では、次は、『第一章 登場人物紹介』となります。
水無月)) わ~!ティアちゃん、ありがとう!
ティア)) ふふふ。年の差要素と甘さは多目で。
水無月)) ……申し訳ありませんでした。




