13話 純白の騎士
『薔薇騎士』
「「「はっ!!」」」
私の呼び掛けに応じ、目の前に傅いたのは、純白の騎士服に胸元に淡い黄色の薔薇の刺繍が入った騎士たちだった。
「今すぐに、呪いの術者を探りなさい。セルエドとリカルドは私の警護につきなさい。」
「「「承知いたしました。」」」
純白の騎士たちは、その場から飛び去り、各方面へと向かった。
私の元に残ったのは、深紅の髪に薄桃色の瞳をしたよく似た二人だった。
「セルエド、リカルド。あなたたちには護衛を頼むわ。よろしくね。」
私は二人ににこやかに伝える。
純白の騎士…とは、国王及び王太子のみに仕える騎士たちの総称だ。
国王、王太子に選ばれた純白の騎士たちは薔薇騎士と呼ばれる。
国王となる者には象徴色が与えられる。
父である、現国王は深い青色。
私は淡い黄色である。
象徴色は主に薔薇の色で示されており、父の純白の騎士には深い青色の薔薇が、私の純白の騎士には淡い黄色の薔薇が、胸元に刺繍されている。
「おぉ、てか、セルエドもリカルドも久しぶりだなぁ!」
アルが目を輝かせて言ってきた。
「「……」」
そして、それを当然のように無表情でスルーする深紅の二人。
「セルエド、リカルド。」
「「はい!何でしょう!」」
次は、深紅の二人が目を輝かせて私を見てくる。
アルの時とは大違いだ。
「はぁ~。二人ともアルがかわいそうよ。従兄弟なんだから優しくしてあげてよ。」
深紅の二人、こと…セルエドとリカルドは、アルより年下で現在17歳。
私とは7歳差。
深紅の髪から分かるように彼らは『武のクロイツ』の親戚でフォウスファルド侯爵家の子息たちだ。
彼らのお母様であるフォウスファルド侯爵夫人がクロイツ出身でアルの父であるクロイツ公爵の妹君だ。
フォウスファルド侯爵夫人はとてもお強い方で、アルの指導を受ける前は、よく手合わせをお願いしていた。
だから、自然とこの二人、双子とは仲がいいんですが……何故か昔からアルとは仲が悪い。
「ティア様。馬鹿と話すと疲れますよ。さぁ、お部屋へ戻りましょう。」
セルエドがそういって私の肩をもつ。
「ちょぉぉっと!待て。セルエド、お前、何勝手にティア様に触れてやがるその手を、は・な・せ!!」
アルがお肉に食らいつく、猛獣のようにセルエドに食ってかかる。
「ティア様、お土産ある。一緒に、たべよう。」
リカルドはちょっと内気な人だ。
でも、話すととっても面白いんですよ?
「おい!待て、待て、待て、待て、待て。」
「なんだよ、アル兄。」
「うるさいよ、アル兄。」
しきりに止めるアルを双子があきれた目で見ている。
後ろに未だ控えている近衛が目を点にしている。
しょうがないなぁ…。
パンッパンッ!
手会わせて叩く。
例え、何があろうとも私の騎士である双子は私が呼べば、私の目の前に膝まずく。
「二人とも聞きなさい。そろそろ、影が帰ってくるわ。待っている間に報告を聞かせてもらうわ。近衛の騎士たちはもう戻っていいわ。本当にお疲れ様。ありがとう。」
にっこりと微笑んでやると、近衛たちは私の前に膝まずき、騎士の敬礼をとった。




