第86話 緊急。
「いやぁ美味かった。ごちそうさま」
「お粗末様です」
家に帰り、フォーナが作っておいてくれた夕食を済ます。
さて...明日は幼兵供に連絡取れてないし、どうしようか...
「エイトさんっ!!!エイトさんっっ!!!」
「!?」
そんな事を考えていると、突如玄関のドアが乱暴に叩かれ始めた。
同時に、聞き覚えのある声が響く。
「この声.....」
椅子から立ち上がり、玄関へ向かう。
「あっ!!エイトさん!!!大変です!!!」
「ん......」
「やっぱりお前らか。わかった、聞くから落ち着け」
ドアを開けると、焦りに焦った様子のソアラとアルトの姿があった。
んん....アルトは多分焦ってる...と思う。
だって無表情だからわかんないもん。
「はい....はい...!!と、とりあえずこれ!!読んでください!!」
「ん....なんだこれ?」
ソアラから手渡された小さな紙切れを受け取る。
小さな文字が書かれており、それがリースの置き手紙であるとなんとなく分かった。
「.................クソ、アイツ....」
内容を見て、とりあえず俺も焦り始めた。
マズイ、非常にマズイ。
下手したらリースが死んじまう...,,
「状況は分かった。お前ら二人は俺の家で待ってろ。......いいな、これはー」
「一刻を争うんですよね、分かってます。エイトさんだけのが早いですし、すぐに....行ってあげて下さい....」
少し落ち着いた様子のソアラ、今度は泣きそうな顔で俺を見上げてくる。
状況をよく理解してくれているようで助かるな。
「フォーナ、こいつら見ててくれるか?」
「もちろんです、けど、もう遅いですし....」
玄関に来ていたフォーナに話しかける。
.....そうだよな....確かに今日はフォーナに負担を掛け過ぎた。
「.....じゃあ今日は泊まってっていいから」
「時刻なんてどうでもいいですよね、もちろん引き受けます」
物分かりが良くて助かるぜ。
俺はダッシュで二階に駆け上がり、財布と武器を引っ掴むと、出掛ける準備を整えた。
「金は....足りるな。そんじゃあ、すぐに戻ってくるから、待ってろよ」
「お夜食作って待ってますね〜」
「エイトさん、絶対帰ってきてください....」
「ん.....」
ソアラとアルトをフォーナに預け、俺は夜の街へ繰り出して行った。
手に持った紙切れを握りしめる。
リース....バカな事しやがって.....
ーダンジョンに行ってきます。
行ってもフロアキーパーのいる場所は避けるし、進めてもフロア5で帰る予定です。
ー誰にも言わないでください。
特に、エイトには。




