第85話 捜索。
「....って、自分は役立たずだって勘違いしてるみたいですよ?」
「はぁ.....マジかぁ....」
フォーナから事情を聞き、思わず項垂れる。
まさかそこまで重く受け止めているとは...
「とりあえず、アイツを探しに行ってくる。留守番頼めるか?」
「もちろんです」
フォーナに留守を頼み、俺は財布やらなんやら必要最低限のものを持って家を飛び出した。
ただ、行くあてなんか無い。
兵舎に行ったとしても部屋が分からないだろうしな。
とにかく足だ、捜査は足でするものなんだよ。
*****
「くそ....見つからん.....」
城、訓練所、総合ギルド、果てはラーメン屋まで探してみたが、リースの姿は無かった。
路地裏のベンチに座って、乱れた呼吸を整えていると、小さな影が俺の前に止まった。
「エイトさん、ですか...?」
「ん.....」
「ああ.....お前らか....」
見ると、買い物帰りであろう持ち物の、ソアラとアルトが俺の前に立っている。
二人は以前買った服に身を包んでおり、普段より煌びやかな印象を受けた。
「どうしたんですか?こんな所で」
「....まあ、ここじゃなんだ。移動しようぜ」
*****
暗い路地裏を出て、中央通りの喫茶店に入る。
入ってから気づいたが、この店、前に来たことがあった。
「...まあ、そういうワケだ」
注文したコーヒーを啜りつつ、対面に座る二人に事情を説明する。
「....それで、エイトさんは私たちのこと...」
「当然役立たずだなんて思ってない」
ソアラの質問に即答する。
役立たずと力量差は関係ないからな。
「私とアルトちゃん....多分リースちゃんも、エイトさんがそんな事思ってないってわかってます。....自分たちの力だって」
「力が強い弱いの問題じゃないだろ。傭兵とはいえ、仲間なんだからそんな事関係ない」
「ふふっ...ですよね。私たちは家に帰ってリースちゃんを探してきます。何かあったら家に伺わせてもらいますね」
「助かる」
その後、俺が会計を持ち、二人と別れた。
もうすっかり真っ暗だな....ちゃんと家に帰ってりゃいいが...
*****
「ただいまー....リースちゃん、いないみたいですね...」
家に帰り、ドアを開けましたが、部屋は真っ暗でした。
鍵が掛かってた時点でいないと判断するべきだったでしょうね....
「アルトちゃん、冷蔵庫に野菜入れといてもらっていいですか?」
「ん....」
買い物袋を持ったアルトちゃんは狭い部屋の隅に消えていきました。
....もうちょっと広い部屋がいいですね....エイトさんの家には憧れてしまいます。
「じゃあ私は洗濯物を....あれ?」
ベッドの上に積まれた洗濯物を運ぼうとすると、何かが上に乗っていることに気づきました。
拾い上げると、一枚の紙切れでした。
「置き手紙...........えっ!?」
書かれていた内容を見て、思わず絶句しました。
半分持ち上げていた洗濯物を放り投げ、出掛ける準備をします。
「アルトちゃん!!!早くいきますよ!!リースちゃんの居場所がわかりました!!」
「ん.......?」
簡単な支度を済ませ、リースちゃんの置き手紙を片手に、アルトちゃんを引っ張って部屋を飛び出しました。
あ、鍵はかけておかないと....




