第83話 バイク。
村を出て1時間弱、ずっと歩きっぱなしである。
あーしんど。
「悪いな、結構歩かせて」
「ホントだわ、あと休日返せ」
俺が少しイラつき始めた頃、遠くから何か大きな音が聞こえて来た。
何だこれ.....エンジン音?
いや、そんなワケあるか....
「エイトさーーーーーーーん!!!」
「おいおいおい何だアレ!?」
「まさか敵襲かい!?」
「.......レシュア!?」
なんと、地平線の向こうから現れたのは、ト◯ンみたいなバイクに乗ったレシュアだった。
爆音を出しながらバイクは高速でこちらに接近し、俺の横に華麗に止まった。
「もー....どこ行ってたんスか....探したッスよー」
「というかお前これ....バイク?」
「ばいくってのはちょっと分かんないんスけど、まあ乗り物ッス。名前もバイクでいいッス」
「適当だな.....」
見ると、俺の後ろでルシーナたち四人がレシュアに相当警戒した視線を送っている。
....まあ仕方ないか。
「というわけで早く後ろに乗るッス」
シートの後ろ側をポンポン叩き、俺の乗車を催促するレシュア。
やれやれとばかりにレシュアの後ろに跨り、ルシーナたちの方を向く。
「そういうワケだ。俺はここで失礼させて貰うぜ」
「あ.....ああ、借りはいつか返すからな」
「まあ....助かったよ....」
「「エイトさんあざっしたー!!」」
最後の最後で戸惑い気味になったルシーナとマウェクたちに別れを告げ、バイクは発進した。
うおお加速が半端ねぇ.....
「レシュア、どうしてあそこが分かった?」
「ああ、足跡追跡ッス。ずっと伝っていったら無事につけたッス」
バイクはかなりの速度を出し、視界に映るもの全てが一瞬で後ろに流れていってしまう。
レシュアの発明品にはつくづく驚かされるな....
「ところでエイトさん、振り落とされないッスか?」
「と....とりあえず」
シートの縁に掴まって必死に落とされないようにする俺だったが、これ以上スピード上がったら流石に辛いな.....
「自分のおなかに掴まってもいいんスよ?ほら、手回すッス」
「いや...大丈夫大丈夫。まだギリギリいける....」
「しまった下り坂ッス」
そしていきなりスピードを上げるバイク。
あの、全然更地なんですけども。
「おおおおおおおお落ちる落ちる!!!レシュア!?」
「ほら、早く自分のしがみ付かないと落ちるッスよ〜?さらにスピードアップッス」
「わかった!!!わかった掴まるから!!」
仕方なしにレシュアの腹部に両腕を回し、体を近づける。
それを皮切りにバイクは徐々に速度を落とし、初期ほどのスピードに戻った。
「あー.....至福ッス」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもないッスよー」
悪いが風の音で小さい声は聞き取り辛い...
というか....ヤバイ、柔らかい。
腹とはいえ、やっぱ異性の体に触れるってのは気恥ずかしいもんだな...
「まあスピードも落ちて来たとこだし俺はそろそろ....」
「まずいガケッス」
「おいおいおいおいおいおいおーーいッッ!!!平地!!!全然平地!!!ヒアーイズフラット!!!分かった!!分かった掴まるから!!」




